蓬莱峡クライミング 2019.03.24
 
 
蓬莱峡クライミング … ちょっとだけやってきました
蓬莱峡は、六甲山の裏側(北側)大多田川と座頭谷川との合流地点より上流にあり、破砕された花崗岩がさらに風化を受けて鋸歯状の鋭い岩峰の稜線を見せる峡谷。断層破砕帯にあたり、地質学では「バッドランド(悪地)」と呼ばれる地形であるが、これほど険しい地形は世界でも特異とされる。殺伐とした白い無数の剣山があまりにも非現実的な風景であることから、松本清張原作の「内海の輪」など、映画やテレビドラマのロケ地としてしばしば採用された場所でもあります。座頭谷は、その昔、ここを通りかかったひとりの座頭が道に迷い、ついには行き倒れになったという言い伝えから名づけられたと言われています。
縁あって。ジョンの岳友(尼崎のクライマー)のお誘いを受けて蓬莱峡に行ってきました。
尼崎のクライマーは1ケ月に数回もゲレンデ通いをされていて華麗な登攀姿は見るだけでも価値があります。足に吸盤が付いているのではないかと思われるほど難易度の高い岩場もスーイスイ。
尼崎チーム 
日曜日の蓬莱峡は大層混雑していました。午前9時過ぎの到着時には既に岩場には色とりどりのロープが垂れておりました。その後もバスの時間に合わせて、来るわ、来るわの混雑となっていました。初心者の講習でしょうか、緩やかな岩場にはロープが張り巡らされており、まずは岩場通過の練習の様です。懐かしいなぁ・・・私も最初はああして、おっかなビックリで歩く練習をしたものです。隣の岩場では登山靴もハーネスも真新しい男性がセミ状態になっていました。ガイドらしき人から手取り足取り指導を受けていました。(可哀想に・・登山靴傷だらけになるぞぉ)
ラインを変えて登攀開始。ここも同じように懸垂下降をさせてもらえることになりました。不安定な岩場でジョンが登攀してくるまで待機するのですが、自己ビレイは取れているものの不安定な足の置き場の所に立っています。やがてジョンが登ってきて「おいワシの手を置くところがないやんけ~」と、仕方無いので私の左足を宙にあげ通過してもらいました。(スリル満点!)ロープの引き抜き作業をしている時、「トイレに行きたい~」と申し出ました。こんな緊張した場面で何言うねん・・・と思われたと思います。「我慢できるか?」「何とか・・」と言いつつお腹に力をグッと入れたら不思議なことに何事も無かったような収まりました。(あら〜不思議)
いつも使うルートは先客がいて使えません。ロープの垂れていない場所を見つけて登攀開始することにしました。ギャラリーが多いと「ヘタクソっ!」と思われてないか緊張します。
人によって登攀手順が違い、尼崎チームは登攀とロアダウンの繰り返しでした。
私はジョンの耳元で「えーっ!ロアダウンより懸垂下降したいなぁ・・・」とわがままを言いました。姫チームは登攀後、セットをし直して懸垂下降をすることにしました。ロープダウンをするのですが距離が長いのと風の力で上手く下まで届きません。二度三度と挑戦するのですが上手く行きません。下でビレイしている姿を見ると寒さで震えている様に見えます。(モタモタしてたらあかんなぁ・・)ジョンが下から何か叫んでいますが聞こえません。何とか三度目にロープダウンが成功しました。
12時を過ぎていましたので休憩とランチタイムを取ることにしました。岩場では暗黙の了解を得た様に入れ代わり立ち代わり場所移動しています。午後から利用しようとしていた小屏風岩にはタッチの差で他の人がロープを垂らしていました。私達は平日利用なのでこのような混雑は見た事がなくすこしためらいました。「平日にまた来よう」と言うことにして小屏風岩の登攀はあきらめました。小雨がパラつき寒さに耐えられないので早々に帰り支度となりました。
 
終了点について
小屏風岩の終了点やランニングビレイポイントにはハンガーやコリノックスなど良いピンが打たれていましたが大屏風岩東のラインには上図のように規格外のものがセットされていました。鎖の右側はボルトだけでワッシャーも使われておらず固定してあり、もう一方はアイボルトのネジ部分で固定されていました。
アイボルトは根元まで捻じ込まれているのではなくアゴが浮いている状態でしたので強度はかなり低下しているものと思います。
右図中央のスナップフックは山岳用のカラビナと違い、メーカーにもよりますが使用荷重が1.5kN程しか無いのでクライミングの現場にはふさわしくありません。またスナップフックだけににロープをかけて懸垂下降するなどとんでもない話です。ロシアンルーレットのようなものでいつ破断の危機に遭遇するかも知れません。打音テストなどして用心のうえ使う方が良いでしょう。
今回の教訓
 ロープダウンをする時、風に流されない方法としてロープの端をエイトで結び、結び目にヌンチャクを掛けます。ヌンチャクの片方はビレイ中のロープに掛け、ロープを送って行くと魔法にかかったようにスイスイと下に降りて行くではありませんか!さっきジョンが叫んでいたのは、この方法を説明していたのだと後で知りました。本日の教訓は「ロープダウンの方法」です。
 「姫の感想」
予想以上に寒かったです。帰り道の岩場には、岩場全体にロープを張り巡らせている団体があり、通過時に「ロープまたがせてもらいます」って言ったのに指導者らしき人に無視されました。黙ってないで「どうぞ」とか「邪魔してすみません」ぐらい言ってよね!みんなで共有するスペースは「自分達さえ良ければ」の考えではトラブルを招きます。
 「JON の感想」
 久しぶりの屏風岩です。どうにか登れたものの終了点回収に手間取り、足はガタガタ手はブルブル、体力を使い果たしました。これではとてもアルプスのアルパインルートには行けません。というよりは行くなっていう神のお告げなのでしょうか。まいったまいった。です。