2016
一年なんて早いもの…またぁ年を取るのかなあ
いやいや…若いもんにはまだ負けてられん…体力が無くても知識があるさ
2016年の納山会登山はホームグラウンドの六甲山・芦屋地獄谷を選びました。
前夜の雨のせいか芦屋川駅前広場の人は少なく感じました。大きなリュックの人たちはきっとアイゼントレーニングなのでしょう。リュックにピッケルが突き刺さっていました。この日は昼食は持たずレーションのみで登り、昼食は下山後神戸三ノ宮まで出てビーフカツを食べることにしています。「目的の重きはビーフカツにあり」メンバーはウッチー会長とジョンと姫の3人です。待ち合わせ場所に行くと何度か一緒に山行をしたことのある「KEIRAさん」と出合いました。六甲最高峰を踏み有馬越えをするらしいです。ウッチー会長の率いる山岳会の人たちもアイゼントレーニングをすると言うので堰堤まで先回りをして見学をすることにしました。
いつもながら高座の滝までの坂道はきついです。ここで急ぐとゴールまで影響します。ゆっくりと一歩一歩を大事に歩きました。山登りは勢いで登ってはいけません。ゴールの時間を設定したら、それに見合う歩き方をするのがベストです。そして同行者との足並みをそろえることはトップを歩く者の役目です。「先に行ってて~」「そうか~」と別行動をした後に後ろを歩く人が急病や滑落したらどうしますか?同じパーテイなら姿が確認できる距離を歩かなければなれません。堰堤で待っていると大きなリュックを背負った人が見えました。ウッチー会長が「おっ!来たな」と声を掛けしばらく見学することにしました。熟練者2名に初心者2名のパーティです。まずは20㎏以上のリュックの担ぎ方から指導されていました。スパツツの装着の仕方、冬山の手袋の装着についてなど丁寧に説明されていました。見学していて思ったのですが登山を始めようと思った時は、やはり山岳会に入会し、いきなり現場ではなく理論からスタートするのが安全だと痛感しました。
芦屋の街もいつもと違う景色です
見学を終え、午前9時30分地獄谷に入りました。地獄谷入口ではロープワークをするグループやアイゼンを装着するグループなど多くの登山者で賑わっていました。私達はノーマル登山です。雨上がりと腐った枯れ葉で滑りやすく何度訪れても緊張の連続です。水の量も多い様に感じます。滝の横には高巻きをしたあとの道があちこちに付いており登山者によって山の崩落を加速させている様にさえ感じました。高巻きの方が危険です。最初は地獄谷経験者に案内をして貰い、確実に手、足の置き場所を習得してから滝沿いに登攀する方が安全のように思えてなりません。私達は地獄谷初心者には必ずアンザイレンで通過する安全対策を取っています。「こんなところでロープいらんわっ!」と、言うことなかれ!地獄谷はアルプス登攀のための訓練場所なのです。「小便の滝」まで順調に登り、いつものコースのA懸尾根には行かず更に滝を突っ込み「風吹き岩」直下まで進みました。
前回、不覚にも終了点を間違えて藪漕ぎをしましたので、この日はGPSをセットして慎重に、道しるべを見落とさない様にしました。ハッキリとした道標が付けてあっても誰かがすぐに撤去しています。小枝に付けた小さなリボンが辛うじて残っており見落とさない様にしました。「小便の滝」から奥はあまり人が踏み入れておらず少し荒れ気味ではありますがトレーニングには最高のコースです。前回間違った大岩を通過しさらに大きな岩が風吹き岩直下となります。「よしっ!今回はセーフッ!」谷沿いが終われば急登のため休憩を取りレーションを頬張りました。(休憩ごとにものを食べると、脳が活発化し元気回復にもなるし道迷いもしないらしいですよ)きつい急登をフーフー言いながら風吹き岩の鉄塔が見えてきました。「鉄塔が見えましたっ!」「もつとゆっくり歩けっ!」そんな会話をしながら午前11時30分、風吹き岩に到着です。
いつもなら風吹岩には鈴なりの人がいるのですがこの日は誰ひとりいませんでした。
それもそのはず強風が吹いていました。「だから・・・風吹きという名前かぁ・・・」と納得。 大きなイノシシが私達を出迎えてくれました。
強風のせいか見下ろす街並みが奇麗です 風吹岩で大きなイノシシに遭遇しました
強風の中で休憩すると体温が下がるため即出発です。風吹き岩をグルリと巻くようにして保倉神社に向けて下山開始です。高度を下げると風は止み、あたたかな日差しが照っていました。汗が噴き出して12月とも思えない気候です。下山の足取りは誰もが早く、目の前に散らつく生ビールとビフテキが気にかかるようです。展望のよいところで、しばし休憩し芦屋の町並みや神戸港の風景を楽しみました。
下山口となった保倉神社は梅林が有名で来春早々には蕾が開花し甘い香りを漂わせ参拝者や登山者を楽しませてくれることでしょう。しばらく民家の横を歩き阪急山本駅に到着しました。ここから神戸三ノ宮駅まで行きウッチー会長お勧めのビフカツの店「赤ちゃん」で今年1年元気で歩けたことに感謝をして乾杯をしました。少々の怪我はあったとしても、こうして笑顔で、元気に納山会のできることに幸せを感じながら至福の時をすごしました。
 ひめの感想
今年一年  何事もなく 良い山行が出来ました。深田久弥の日本百名山も完全制覇することが出来ましたし、ほどほどに岩場も楽しむことが出来ました。体力の衰えを感じながらの山行ですが、来年は熊野古道を歩き続けたいと思います。来年もよろしく。
文:美智子姫