|
|
|
|
鉄拐山 復興基準点 |
鉄拐山 三等多角点 |
|
多角点について |
地図測量には三角測量だけでなく多角測量とよばれる方式も採用されています。多角測量はトラバース測量ともいわれ経緯儀、巻尺(近年は電波測距儀)などをつかい既知点から、つぎの未知点への方向と距離を求め、つぎつぎ繰り返して離れた2地点間の位置を求める方式です。
閉合点(ループの終点)に着いてみなければ測量結果の合否の判定がし難いという欠点があります。
地方自治体などが行う公共測量では多角測量のほうが三角点測量よりも普及しています。多角測量をやって位置を求めた点を多角点といいますが基本測量として国土地理院が設置したのは1951年(昭和26)以降、二等多角点だけで、一等も三等もありません。かつては標石も使用されましたが現存するのは金属標が多いようです。また位置精度は四等三角点よりもやや低下します。
二等多角点は1978年(昭和53)まで設置されましたが以降はは四等三角点に一本化されています。二等多角点は全国の主として平地部に多く設置され1967年(昭和42)時点では約8400点あったといわれていますが廃点が多くなり近畿地方では現在は1点も無いようです。 |
|
|
|
阪神大震災復旧測量 復興基準点 |
1995年(平成7)1月17日の阪神淡路大震災後の復興のため急きょ設置された基準点です。1995年(平成7)10月から1996年(平成8)8月までの間に国土地理院が国土庁から委任をうけて800点を設置しました。これは国土地理院の地形図には載っていませんが三角点と全く同様に測量成果、点の記が公表されており、また基準点配点図もあります。500メートルから1キロメートル間隔で高密度に配置されています。
おおよそ震災後1年以内に設置され測量はGPSが使われました。標石はなく四等三角点でよく見かける金属標ですが「復興基準点」「公共」(三角点の場合「基本」)と神戸市などの市名が入っています。点名はFK150のように記号で表されています。上記写真は鉄拐山山頂にある復興基準点です。
神戸とその周辺には沢山あるようですが地形図にも載ってないので、いずれは忘れ去られるのでしょう。震災直後から復興のための測量に尽力された記念になにか目印でも立ててほしいものです。国土地理院では前身の陸地測量部のときから1891年(明治24)の濃尾地震以来、関東大震災、東京の戦災など数々の災害時にはいち早く復旧のための測量をされています。
なお「公共」の意味ですが国や地方自治体が費用(一部の場合もあり)を負担して行う「公共測量」を表します。これに対して「基本」は国土地理院が行う「基本測量」を意味し三角点や水準点が設置されます。復興基準点は公共測量の2級基準点に相当します。
復興基準点は2009年(平成21)から地方自治体に移管されました。もともと公共測量のためですから妥当な措置と考えられますが、もはや亡失したものもあるかと思われます。
|
|
しばらく登ったり下ったりを繰り返していたら不思議なことに山の中に大きな街が出現しました。高倉台です。ここにはスーパーもあり、銀行、郵便局、交番もあり驚きの光景です。「静かに通過してください」と看板が掲げてあり登山者の雑音が住民に影響を及ぼさないようにとの忠告の様です。新しい看板には「登山者のマナーが悪い」の注意書きもあり肩身の狭い思いで足早に通り抜けました。 |