2016
「またまた雨の山行やないのっ~!・・・雨男はだ~れ?…俺じゃあないョ…私じゃあないヮ」
阪急・芦屋川駅 08:07 ⇒ 高座の滝08:36 ⇒ 雨ケ峠10:42-10:50 ⇒ 東お多福山11:17-11:22 ⇒ 石の宝殿12:40-13:05  ⇒ 船坂峠14:11 ⇒大平山14:48 ⇒大谷乗越15:15 塩尾寺16:25 ⇒ 宝塚温泉17:20ゴール! 18km 歩行数42247歩
目覚めると外は激しい雨の音、またまた雨の中を突進する山行となりそうです。それもそのはず梅雨の時期に予定を組み入れたのですから雨に遭わない方が不思議なんです。照れば熱中症対策、降れば低体温症対策と、いずれにしても快適とは行きませんが目指すは南アルプスが待っていると思えば何のそのです。今回もウッチー会長、junkoちゃん、ジョン、ひめの4人で元気よくスタートです。いつもなら午前9時の出発なんですが距離が長いため午前8時の出発です。広場には登山者は誰もいません。天候の変化により、宝塚へ下らずに有馬になるかも知れず入浴時の着替え一式リュックにつめて準備万端整いました。駅までは傘を差しましたが何とあの大粒の雨はどこかへ移動したのか、合羽を濡らす事なく出発です。 
滝道の横にかかる滝です。大雨に後にしか見ることはできません 雨上がりの景色っていいものです
高座ノ滝上部の小径 高座ノ滝 第一堰堤に向かいます 地獄谷の堰堤も水没
「夏山トレーニングVol.3」では、宝塚から芦屋ゴールを予定しておりましたが悪天候のため芦屋下山ではなく有馬下山に変更しました。今回は芦屋から宝塚の逆コースを歩くことにしました。トレーニングはただ歩くだけではいけません。夏場の山歩きは気象条件が急変することがあり、それに順応する俊敏さもトレーニングしなければなりません。暑さにバテない歩き方、水分の取り方、レーションのタイミングなど工夫が必要です。また調子の上がらないメンバーに対する対処のしかた、本番では爽やかな風が吹くことでしょうが、高度を上げるごとに気温も下がって行くので、それらに対しても、いつのトレーニングにも励みたいと思っています。
第一堰堤を過ぎて間もなく出会う憤怒の形相をした権現像の小滝も水量が多い
イノシシに遭遇 高座谷の右岸左岸を縫うようにを登ります キノコ?
魚屋道にある休憩場所
ウッチー会長は「Vol.3トレ」から本番の山行と同じ重量の荷物を背負って頑張っておられます。いつもながら滝の茶屋までの道のりは苦痛以外の何者でもありません。黙々と歩き、吹き出る汗が地面に落ちるのを見ながらやっと滝の茶屋までやってきました。ここで水分補給を済ませ、中央稜を通らずイノシシの住む高座谷を歩いていきました。何度も同じコースを訓練していると距離感がわかり「次の休憩はどこ」とわかってきます。本番では40分歩いて5分休憩と時間を守りますが今回は目的地を決め、そこまではがんばって進むことにしています。 
雨ケ峠 では青空が出て暑いぐらいでした
東お多福山の印象
東お多福山の台形山稜を行く (上) 土樋割峠     (下) 蛇谷北山
 イノシシ除けのドアを3回開閉しながら雨ケ峠に到着です。ここで休憩をとりました。本日も私達以外の登山者は誰もいません。いつもは本庄橋跡から七曲りに向かいますが今回は東お多福山(697m)を経由します。山頂付近はササの草原が広がっています。 ゴツゴツした岩肌の多い七曲りの光景と違い、とても新鮮な景色に見えました。しばらく歩いて行くと赤い鳥居が見えてきました。もうすぐ「石の宝殿」に到着の予感です。「着きましたっ!」「よっしゃあメシにしようっ!」急斜面の細い道が続きやがて広場に出ました。白山姫大神と書かれている立像に手を合わす男性がいました。登山者ではなさそうです。 奥には神社があり、「石の宝殿」また「白山の宮」「白山神社」、と呼ばれているらしいですが、正式には「六甲山神社」だそうです。むかし、麓の村人によって雨乞いのために築かれたそうです。当時、この石造物を人力で山頂まで担ぎあげたのだから並大抵ではなかったことが伺えます。日陰を求めて弁当を広げ、長かった道のりを振り返りました。しばらくすると姫が「何かに噛まれたみたい・・目の下が腫れてる~」4人同じ場所に腰をおろしているのですが何故か姫だけ得体の知れない虫にやられたみたいです。「よっぽど虫に好かれてるんやなぁ」うつむくと視界が狭くなるほどに腫れていました。塗り薬で手当てをして午後からの出発です。
石ノ宝殿広場のご神木と白山姫観音像
急な下りと緩やかな登り 大平山監視路です 大谷乗越に向けて下ります 大谷乗越です
 宝塚の街並みが見渡せるところまで降りてきました
えんぺいじ休憩所を過ぎるともう少しです 
5時20分 宝塚に到着です 長かったなあ本日の全行程18km  でも六甲全山縦走からしてみれば 1/3です
前回登って来た船坂峠、大平山、塩尾寺を経て宝塚へと下っていくことになります。長いなぁ・・・・前回、あえぎながら登ったコースを下るのは楽かと思いきや、急な下りのため膝を痛めない様に慎重に速度を一定に保ちながら安全に船坂峠、大平山、大谷乗越と通過していきました。途中でトレールランナーの人2人に出会いました。道路が崩落して迂回道を通ったり、イノシシやリスに出合ったり、溝の様にえぐれた登山道を通過しながら塩尾寺まで降りてきました。時間は既に午後4時を過ぎており休憩も取らず進みました。ここまで戻ればあともう一息です。アスファルトの急な下り坂は転んだ方が早いような、「ソリに乗れば楽チンだね」「凍結する冬は車が下れないね」などと話ながら六甲全山縦走大会で、暗闇の中を足を引きずるようにしてゴールに近づいた宇都宮の岳友のことを思い浮かべながら阪急・宝塚温泉をゴールと決めました。junkoちゃんは用事があり入浴せずにお別れ。私達はフロントにリュックを預け「金の湯」「銀の湯」の両方に入ることができました。しかも、ぬるめの湯で最高でした。「ここの温泉、ぬるくて金湯と銀湯が同時に入れて最高やったわ」「ほな、いつもこのコースにしようか?」「あかん、あかん、このコースは1年に1回きりで充分」それほどに長いコースでした。みんなよく歩きました。ゴールまで雨には遭わずの山行でした!。 全行程18Km 歩行数42247歩 でした。
●塩尾寺のいわれ
 聖徳太子が四天王寺を建立され念仏三昧に入られたとき、はるか武庫山の上に弥陀・観音・勢至の三尊が降臨されるのを感得され、七つの寺々を建立され観音菩薩像を安置されたといいます。武庫の七寺の伝承で、塩尾寺には十一面観音菩薩がまつられました。その昔、貧しい女の熱心な祈願で大柳の下から塩辛い霊水がわき出し、これが宝塚温泉の根源と言い伝えられています。
 「夏トレ・LESSON-4で感じた事」
 同じコースを逆歩きし、登りと下りでは体感が違いました。距離が思いの外、長くて休憩も含めてですが9時間20分も歩いたことになります。山行途中で荷物が重いため体調不良者が出た場合はどうするかシミュレーションしました。4人での山行ですから他の3人に荷物を分担する方法です。3㎏をひとりがもつのは大変ですが3人で1㎏づつ分けて分担すれば負担は軽くなります。まずは各自が自分のリュックの荷詰めをきちんと小分けして整理して携行することが条件となります。そうすれば問題なく荷物を分け合うことができます。早めに体調不良を申し出る事、遠慮しない事などを話し合いました。ただ歩くだけでなく中身の濃いトレーニングとなりました。
 姫の感想
ながかったなぁ・・・・暑かったなぁ・・・まだミスト状態の雨の方が暑さ対策になりはしないかと、降れば降るで文句を言いたくなるし、照れば照るでバテてしまうと思うし、何かと夏場の山行はつらいです。下山時間が17時過ぎだなんて驚きです。とにかく一生懸命歩きました。レーションの取り方、休憩の仕方、仲間との連帯感が回を重ねていくうちに完成度が高くなっていきます。南アルプスの頂上が見えて来た気がします。あと3回・・ガンバレ!
文:美智子姫