2016
 KERAさんの登山講座の巻 第3回目
御着(ごちゃく)~鷹ノ巣山(264.2m)~桶居山(おけすけやま247.3m)~高御位山(たかみくらやま299.8m)~宝殿(ほうでん)へ
播磨アルプスは播磨富士と呼ばれる高御位山を主峰とし、高砂市の鹿島神社と北山鹿島神社を取り囲むように馬蹄形で連なる山々のことを言います。標高こそ低いものの、展望抜群の岩尾根を縦走する気分爽快な山行を楽しむことができます。但し、木陰が少ないので夏季は避けた方がいいと思います。春の便りが届きました。久しぶりに遠出をしようと岳友を誘い、併せてブログでもお誘いの伝言板を書きました。大阪駅午前8時ちょうど発の播州赤穂行2両目付近で合流することが出来ました。ヒカルゲンジさん、KEI君、靖ちゃん、junkoちゃん、ジョン、姫の6人がこの日の参加者です。大阪駅構内を大きなリュックを背負い横断するのは並大抵ではありません。やっとの思いで電車に乗り込み、座席を確保し額に手を当てると汗ばんでいました。「あかん・・人の多いとこは苦手や!早よう逃げよう!」 
 山陽本線・ひめじ別所駅 深志野から入山  他所の敷地を通していただいて  つつじも満開 
播州赤穂行の列車に揺れる事1時間、「ひめじ別所駅」で下車。神姫バスを利用して深志野まで行きました。
バス停からわずかな距離のところに深志野登山口がありました。登山者は私達6人だけの様です。麓では山桜が満開です。 
播磨アルプスの従走路 岩尾根を紡いで歩きます つつじ 岩を乗越、岩を飛び
しばらく登って行くと登山道両側から咲き乱れるツツジの花のお出ましです。まるで花トンネルみたいでした。とても良い香りがしています。山を見上げるとあちこちが紅く染まっています。この日は春と言うより初夏の気温で出発前に衣類調整となりました。「こりゃ暑くなりそうだ。水が足りるかなぁ?」そんな心配をするほど暑かったです。トップを若者のKEI君にお願いし、オーダーを決めてスタートしました。低山ではそんなに気にしなくていいのですが高い山となるとオーダーが大切になってきます。後続者は前を歩く人の体調をしっかりとチェックするために決められたオーダーを守りながら歩くことも大切です。、KEI君、ヒカルゲンジさん、靖ちゃん、junkoちゃん、アンカーを姫、ジョンは列には加わらずみんなの動きをその都度チェックしながら登りました。トップを歩く、KEI君が後ろを気にしつつ歩いています。そうそうリーダーはそうあるべきです。リーダー素質充分がありそうです。しかし私達高齢者組は暑さでバテ気味のため速度がでません。「気にしないで進んでください。」そんな声を掛けながら登りました。まだ4月に入ったばかりだと言うのにこの日に限り6月の初夏を思わせるような暑さです。つい、最近までは、日当たりを見つけて休憩していたのに、この日ばかりは日陰を求めて休憩しました。このコースは木陰が少ない事で有名で夏季を避けて春に来たと言うのに夏みたいに暑い!桶居山は標高250m足らずの低山なのですが、その鋭峰は播磨富士と呼ばれるだけのことはあり遠くからの容姿はじつに美しいです。 
前後10個の瞳が凝視します…あえて厳しいラインを指示され…文句も言えず…ただひたすら従うのみ…新人は辛いなあ
姫路市街地からもよく目立ち、また山の上からも姫路城がくっきりと見えていました。歩いていると焼け焦げた樹木があちこちに倒れていました。2011年1月24の朝、鷹ノ巣山山頂付近から燃え上がった火の手は、乾燥注意報が続く中、西風にあおられて東へ東へと燃え広がり、近隣市消防車はもとより近隣県や自衛隊のヘリコプター5機も出動して、懸命の消火活動が続けられましたが、25日夕刻まで34時間燃え続けて119ヘクタールを焼き尽くしてしまうと言う痛ましい山火事がありました。 山林火災は里山の宿命とはいうものの、高御位山系の南斜面のすべてを焼き尽くす猛火には無念というしかありません。緑の復活には長い時間がかかりますが高御位山の再生を心から願っています。
高御位山の三角点で 途中にあったガンダム岩
登山計画書では高御位山から下山ルートを曽根駅方面としていましたが急な暑さでKEI君以外はみんなダウン気味で下山ルートを「長尾コース」に変更しました。急な下り坂が続き気の抜けない復路となりましたが時間短縮を考えると一番良い方法なのです。「気をつけて降りようね」そう声を掛け合いました。幸いにも滑ったり転んだりする者はおらずアッと言う間に民家が手に取れるほど近くに見えてきました。もうすぐ登山口に到着です。
長尾へのきつーい岩尾根を下ります…その途中で簡単なレスキュー講座をやりました。
JON登山楽講・かんたんなレスキュー編
 恰好の場所にりっぱなテーブルと椅子が於いてあり最後の休憩を取ることにしました。「KEI君・・・ロープ出してちょっと練習しようか」と傾斜のきつい岩場で講習が始まりました。参加者のひとりが転倒してロープで引き上げようと言う設定です。細い木の根も何本もまとめてロープを掛ければ強くて頑丈な支点に早変わりです。KEI君が支点作りと引き上げ役の練習を繰り返しました。次は負傷者を搬送する講習です。ロープで背負い紐を作りjunkoちゃんを負ぶって岩場を下山します。同行者はリュックを分担したり転倒しないようにロープでビレイしながら下りました。下山途中のおじさんがキョトンとしていましたが「訓練ですから」と声を掛けてわずかな時間ではありましたが貴重な体験をしました。でも背負い搬送はロープのループが大きかったため、ちょっと失敗。次回リベンジしますね。
長尾の集落に下山しました 高砂や~ またまたバツテラ屋に行き祝杯をあげました
いよいよ登山口が見えてきました。水分不足でジョンが「冷たく冷えたジュースが飲みたい~!自動販売機はないものかぁ?」と山の中から呟いていたら、トップのKEI君が「自販機ありましたっ!」と教えてくれました。午後16時過ぎ、長尾集落に到着です。自販機の前で一息、二息つき、事前調べによると既にバスは無く宝殿駅まで1時間の道のりを歩く覚悟で車道歩きをスタートしたところ、何とっ!宝殿駅経由加古川行の最終バスがあることが判明しました。調べてきた時刻表は3月までの時刻表で4月1日から数分遅れてのダイヤ改正となっていたのです。ラッキーったらありぁしないわぁ!長尾のバス停16時22分、バスが見えました。バスが近づいてきました。バスが停まりました。乗客は誰も乗っていません。6人が乗り込み、最後に姫が「宝殿駅までお願いします」と言うと運転手さんが「ハイ宝殿ですね」みんな大爆笑。え~?ジャンボタクシーじゃあるまいしと気分爽快、愉快な会話でした。1時間以上歩くことを覚悟していましたので皆の顔に笑みがほころびました。宝殿駅で下車すると駅前に立派な高砂いわれの「尉と姥」の像が立っていました。「尉と姥」の像は高砂市のあちこちにあるらしく多くは高砂ロータリークラブの寄付によって建てられているそうです。
近くにある生石神社には「石の宝殿」が小高い岩山の上にあり、境内にある石の宝殿をご神体として、お祀りしているそうです。駅で時刻表を見上げると「おっラッキーや!あと3分で電車が来るっ」そんな声に全員がトイレに駆け込み、忙しくも3分で用を足し無事、大阪方面行の電車に乗り込むことが出来ました。しかも全員がゆったりと座席確保です。時間に余裕が出来たのか、心に余裕ができたのか「梅田で反省会しようか?」と全員一致で快諾。またまたバツテラ屋に行き祝杯をあげました。久しぶりの長距離登山でしたが、ほどよい疲れで楽しい山行でした。
  ひめの感想
思ってもみなかった暑さにやられました。これからの登山は「夏仕様」で準備しないといけないことを体感しました。虫刺され予防のハッカ油、タップリ目の水分、蜂刺されのポイズンリムーバー等リュックに入れて行動します。甘い行動食(大福餅、饅頭等)は、ほどほどに。これからはキューリやトマト等、少々重くても口当たりの良い物が良いですね。それからチョコレートは暑さに負けてグニャグニャです。「ОS1」も試してみましたが効果のほどは1回ではわかりませんでした。
文:美智子姫