2015
先週に続き、姪のリエを誘い芦屋から城山を経て岩梯子コースを歩きました。
他のみ〜んなも誘ったけど・・・予定があるんだって。まっ、急なお誘いだから無理ないかなぁ。
2009年10月に行ったきりですからじつに6年ぶりの岩梯子コースとなります。
阪急芦屋川駅広場には冬山登山に向けてリュックにピッケルを差したアイゼントレーニングの人が多く目立ちました。きっと地獄谷コースなんでしょう。
途中までは先週と同じ道を歩き、まっすぐ行けばロックガーデン、右手に行けば城山方面へと看板が立っています。
私達は右手を取り城山登山口入り口へ。
登山口からは傾斜も緩くウオーミングアップに最適です。ゆっくり疲れないように歩いて行きます。
ロックガーデンと違い登山者はほとんどいません。時折下山してくる単独行の人がいますがリユックを背負っていないので朝の散歩の様です。
 城山までは標高323mのお散歩コースで、登山口から30分ほどで城山頂上と見受けられるパノラマ台に到着しました。
ベンチに腰を掛けてマッチ箱の様な住宅街と紅葉した山々の景色を楽しみ、しばし水分補給の休憩を取りました。
眼下には芦屋市街がよく見えており先週来た時よりも山が色づいています。
「秋に別れを告げ、冬を迎えに行こか?」
今日は城山から登ります 城山口で滝道をはずれます のんびりゆっくり
城山はそれほど特徴のある山ではありませんが至る所に無数の登山道がありました。私達は城山を経てロッククライミングの様な岩梯子に向かいます。
歩くとポカポカと汗ばみ1枚、また1枚と衣類調整しながら進んでいきました。

姪のリエには山での歩き方をジョンがレクチャーしながら登ります。そう言えば私が本格的に山を始めたのもリエくらいの歳だったかも知れません。山をほとんど経験していませんので覚える方も白紙に文字が書き込まれるような新鮮さが伝わってきました。
ストックの使い方など山を経験して自己流で覚えた人の修正はなかなか効果が出ませんが素人のリエには大きな効果が期待されます。
城山から見た芦屋の街
城山の山頂 
 城山から見た ロックガーデン  城山から見たゴロゴロ岳
道畦尾根を登っていきます 
 道畦尾根の展望岩
 六甲山系・荒地山の核心部 岩梯子
登山口から2時間ほどで岩梯子に到着しました。5人グループが岩梯子で渋滞を起こしており休憩も兼ねて待つことにしました。
リーダーらしき人が足の置く場所を上から支持しているのですが思い通りにいかないみたいで時間ばかり経過していきます。
見かねたリーダーが「お先にどうぞ」と言ってくれましたが半分の人は岩梯子につかまっている状態なので「待っていますのでどうぞ、どうぞ」と先を譲りました。
とは言ったものの七右衛門ーでも先ほどのグループが渋滞を起こしていました。「渋滞グループやなぁ」と勝手に命名して時間を持て余しました。私達の後ろから若者がやって来ました。前のグループの時間がかかり過ぎるのでジョンが別のルートを指差し「こちらから行ってはどうですか?」と言うと「ではお先に」と登り始めました。しかし難しいらしく、すぐ下降してきました。
あまりに気の毒なので私達の前を譲り、アッと言う間に姿がみえなくなりました。
新七右衛門ーの岩穴を通過します
新七右衛門ーは狭くてザックを背負ったままでは通り抜け出来ないためザックだけを先に上に放り込んで空身ですり抜けて行きます。
リエはその光景に「凄いっ!」の連発です。七右衛門ーのすり抜けはお相撲さんタイプの人は無理〜!私がギリギリセーフでしょうか。(笑) 
大きな一枚岩を通過します 
そのあとは大きな一枚岩の登場です。5人の渋滞グループは大きな一枚岩に垂らしてある残置ロープに全体重を預け危なかしい恰好でを登っています。
登り終えた人がロープをもとに戻さないから登れないとここでも大騒ぎをしていました。あまりに時間がかかり過ぎるので
「リーダー!残置ロープを使っていいですか?」と、前のグループに聞こえるように嫌味とも思える質問をジョンにしました。
「アホッ!持たずに登れっ!残置ロープに体重なんか掛けるなっ!」と怒りのバロメーターはみんな一緒の様子でした。
リエには岩の真ん中のくぼみに取り付くのは無理なので左の方の岩と岩の隙間を登るように指示をしようとしましたが振り向くと難なく
サッサと登ってきました。
ロープで確保が必要かなと持参していたのですがロープを使うことなく、いとも簡単にヒョイヒョイと登ってきました。
「あんたの先祖はサルかも知れないね」
どんな岩場であっても手、足をきっちり見据えて登れば大丈夫。三点確保していれば安全に登っていけます。
一枚岩を通過したところにある岩のテラスには渋滞グループがいました。ああだこうだと騒音が多いので先に進み、風の無いところで昼食です。
お湯を沸かしラーメンを食べるのですが野良猫が二匹ニャーニャーと食べ物の匂いにつられて寄ってきます。
餌をやりたい気持ちはあるのですが心を鬼にして「ごめんね」と追いやると別の登山者が「かわいいっ!」と自分の弁当を与えていました。箕面の猿も、六甲山の野良猫も、人間に頼らず野生動物として生きて行かなければなりません。
ネコにエサを与えるのは一時的な感情であって、決して猫のためにはなりません。それにしても誰がここまで連れてきたのでしょうか?
下山道は岩梯子の巻き道を下り、ブラックフェイス、キャッスルウオールを通って帰ることにしました。岩梯子脇でクライマー2人が登攀していました。新しいルートの様です。
ブラックフェイスの岩場はあまりクライミングに利用されていないのかシダの葉が生い茂り人の踏み跡があまりなかったです。次はブラックフェイスに向かうのですが何せ6年ぶりなので道なき道の通過で、途中少しだけ藪漕ぎをしました。やっと見覚えのあるキャッスルウオールの上部に出ました。下から来るのは簡単ですが上からはなかなか迷い道に入ってしまいます。
次回のクライミングゲレンデ ブラックフェイス
キャッスルウオール 
そう言えば過日、近所のクライマーさんの情報によると『11月23日、電子レンジ大の巨岩が2個、上部より轟音
と共に落下。無人だったので怪我人は無し。周囲にはまったく人影がなく何故そのような巨岩が崩落したのか、噂によると
人為的に岩を落とす故意の事故もあるらしい』と貴重な情報を教えてくれました。落下したと思われる岩の写真と剥がれたであろう岩場跡の写真も撮ってきました。

キャッスルウオールでは3人がクライミングをしていました。リエが岩場を見上げ「ひゃあ〜これを登るの?」と驚きの声が漏れました。
昔の話ではありますがクライミングを終えて帰る間際に木の根につまづき肋骨を折った話や翌日サスケ先生がノコギリを持参し「姫の敵討ちだ」と危険な枝を切り落としてくれた話などをしながら下りました。途中の川筋は大崩落があったのか土砂で埋まってしまい昔の面影はありませなでした。
「イノシシが出ると六甲山に来たと言う実感が湧くのにね」と話をしていると大きな岩の塊かと見間違えるほどの大きなイノシシが登山道を封鎖する形で2頭出没し餌をついばんでいました。
「出た〜出たで〜六甲名物イノシシさんよ〜!」写真を撮った後は、どの様にしてあの傍を通過するか恐ろしくなりました。猛進して来られたら谷底に落ちるか角で疲れて怪我間違いなしです。
すると一人の登山者が登って来るのが見えました。「そやっ!あのおじさんがイノシシと格闘している間に横をすり抜けよう!」何と恐ろしい作戦なのでしょうか!
人を犠牲にして自分たちが通過しようと言う作戦です。しかしおじさんは無事にイノシシの横を通過して登ってこられました。
「では私達も・・・」目を合わせないように横を通過しましたが至近距離なので怖かったです。 
ロックガーデンまで戻ってきました。人も少ないのでリュックを置き中央稜の岩場でリエがクライムダウンの練習をしました。
登攀下降を繰り返していると突然リエが滑落しそうになりました。ジョンは慌ててリエの下側に回り滑落を防ごうとしましたがリエは自力で
別の岩を掴み笑顔です。「おっそろしい!怖くなかったの?」と聞きましたがいまいち恐怖な出来事だと理解できていなかった様子です。
身体能力は私達よりありそうです。岩が剥がれることもあると言う貴重な体験でした。
若いカップルが「有馬に行く道を教えてください」と言うので中央稜からのルートを教えましたが既に時間は2時を回っており「ヘッドライト持っていますか?」と聞くと持ってない様子でした。「山の夕暮れはとても早いので無理しないでね」と言い私達はその場を後にしましたが行ったのかなぁ。無理をせずに引き返してくれればいいのになぁ。
 2009年10月に行った時のレポートです「みんな若いっ!」
http://www.hime8kin.net/yamatabi/sankokiroku/091017arechiyama.html
もうふたたびお目にかかることはないと思いますが 皆さんお元気で……JON