アイゼン・ピッケルトレーニングの10人グループ。
冬山の八ヶ岳を目指しての訓練だそうです。全体にはヘルメットをかぶっていましたがメンバー中にはヘルメット無しの人も混じっていました。
私達は「アイゼン、ピッケル、ヘルメットは三種の神器だ」と教え込まれています。その瞬間このグループのグレードを垣間見ました。滝の上からリーダーらしき人が下から登ってくる人達の様子を見ていました。「自己ビレイも取らずに危ないっ!」そう心の中で叫びました。
登って来る人に手助けしようにも自分が巻き込まれる危険性が充分にある場所に立っていました。
ガリッガリッとアイゼンの音を立てて時々ズルッ!ガリッ!と何度も失敗して渋滞を起こしています。
A懸岩では、ランニングビレイ無しで支点作りに登って行かれました。よほど腕に自信があるのでしょう。
下で見ている
他のメンバーたちは井戸端会議に夢中でした。山行予定の八ヶ岳への話で盛り上がっていて先輩の登る様子を誰一人見ていなかったのは驚きです。
また先輩たちも「見とけよ!参考にしろよ!静かにしろ!」と言うアドバイスもなく全く自由でした。
横で登攀下降を繰り返す私達の声もかき消されるほどでした。ゲレンデ上の支点にいる師匠から下のビレイヤーに指示が飛ぶのですが聞き返さないと違えてしまいそうです。お願いだからゲレンデでは井戸端会議しないで下さい!
登攀下降を繰り返し練習を終えたので「終了しましたのでどうぞ」と声を掛けてゲレンデを譲りました。
「そうでっか」とすぐさまロープを張りに登り始めました。私達はまだロープ回収の作業中だと言うのに・・・・
師匠が見かねて「危ないからこっちへ来いっ!」と声を荒げました。私達に声を荒げたのではなく非常識グループに
ムカついているのが手に取るようにわかりました。
ロープ毎、抱えて安全な場所に移動しましたがもう少しで師匠の堪忍袋の緒が爆発しそうでした。クワバラ・クワバラ
|