2015
「雪たっぷりやし、天気やし、早起きした甲斐あったわ〜。それにしてもよぉ遊ぶわ〜」
 スノーシュートレッキングは恒例の地「赤坂山(823.8 m)」に決めました。去年、滋賀県警に登山計画書をメールで提出したら「出発時間が遅くないですか?」のアドバイスを頂きました。もう少し早く出発しなさいって事です。なのでアドバイスを貰った年は、予定より1本早い電車、大阪駅発午前6時21分に乗り京都駅と今津駅で乗り換えをし、その結果、湖国バスも「さらさ温泉」手前の「マキノ高原民宿村」のバス停で降車しなければなりませんでした。
結局出発時間はいつもと大差のない時間となり「来年は前夜泊やなぁ」と反省会で言ったことを思い出しての1泊2日の豪華(?)なスノーシューを企画しました。岳友からも「豪華ですねぇ!」と羨ましがられたりしました。
ところが、ところがなのです。日曜日が雨、月曜日だけ曇りのち晴れ、水曜日は曇り後雨、木曜日、金曜日、土曜日と天気は週末に向けて崩れて行く予報です。それに今後の降雪も期待できません
タイムスケジュール 
08:35  マキノ高原登山口出発
09:50  ブナの木平東屋
11:30  赤坂山 山頂
13:00  ナの木平東屋 
13:10
14:20  マキノ高原登山口到着
春は、もうそこまで来ているのですから間に合わなくなります。「天候による変更もあり」と案内した強みから、今迄にはなかった「延期」を早々に決めました。3月に入り天候の良い日に「行くぞっ!」の一声をかけて車で行くことにしました。
 今回の参加者はjunkoちゃん、靖ちゃん、ジョン、姫の4人です。junkoちゃんと庄内駅(午前6時)で合流、靖ちゃんは深草(午前7時)で合流です。去年、電車の便の悪さで懲りていますので今回は車で出かけることにしました。万一に備えてタイヤーチェーンも積みました。朝がかなり早いけど滋賀県警の指導のもとに山行計画すればこんな時間になるのであります。
湖国バスだとメタセコイア並木を通過する時は(時間帯により通過しないコースもあり)車窓からしか見ることが出来ませんが今日は車のスピードを落としてゆっくり見ることが出来ました。残念ながら美しい雪景色とは行きませんでしたが高島名物のメタセコイアのトルネルが約500本、2.4qに植えられていてとても美しくマキノ高原へのアプローチ道として圧巻でした。
この並木は、地域の人々の手により慈しまれ、育まれて、雄大な姿となったものだそうです。メタセコイアの和名は「アケボノスギ」セコイアにその姿が似ていることから、メタ(変形した)セコイアと名づけられ愛されています。春の芽吹き・新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の裸樹・雪花と四季折々に美しいメタセコイアの並木とまっすぐに伸びる道路が造り出す対称形の整った景観は、遠景となる野坂山地の山々とも調和し、訪れる人々を魅了しています。マキノスキー場の駐車場には午前8時10分到着です。電車とバスで行くより随分と早い時間に到着できました。早起きした甲斐があったというものです。マキノスキー場は2月28日を以て今シーズンは終了となっていました。
その「行くぞ〜!」が3月2日(月曜日)となったのです。急ではありましたが、そもそも日曜日に民宿に泊まり月曜日に出発することになっていたので誰もの予定が空白となっていたはずです。雨あがりの後なのでフカフカ雪は期待できませんが今ならまだ間に合います。思い切って「行こっ!」
いつもの如く登山口まではスノーシュー片手に歩き、登山口の看板付近でスノーシューを装着しました。毎年呟いてることなんですが
1年ぶりのスノーシュー装着は、なかなか手際よくいきません
去年言われた「金具は前から止める」を思い出しながらスノーシューの取り付けが完了しました。出発時の天候はあまり良いとは言えませんが、姫予報士が「大丈夫やって!お日様が出てくれるから!」と力強く宣言しましたが何の根拠もありません。(またはじまった〜!)ぐずぐずしていると雪が溶けちゃいます。小雪がチラホラ舞い、後には時々空はスカイブルー。時間が経つにつれて天候は回復するはずです。前日の雨で踏み跡は消え新雪も5pほど積もっています。「ホワイトバージンロードやなっ!」心もウキウキです。
踏み跡が消えていることから帰り道に、吹雪いても困らないようにところどころにマーキングのリボンを付けていきました。
一時間ほどでブナの木平と呼ばれる台地があり、東屋が建っています。ここで少し休憩を取り再び、ゆっくり歩いていきます。私達が最初の足跡を付けていく気分の良さはたまりません。山登りのコツは「汗をかかず、息を切らさず、寒いと思ったら早めに着る、暑いと思ったら早めに脱ぐ」が上手く登れるコツらしいです。スノーシューをひっかけないように慎重に登って行きました。
ブナの木平からは少し下り、沢筋に降りていきます。沢筋から再び登り返す頃、一つの堰堤が現れます。此処の通過がこのルートの一番の難所です。フィックスロープがあるのですが雪に埋もれてしまっていました。帰り道には、自分たちの20mロープを出して安全確保をしようと思っています。登りは沢側を注意すれば各自、自力で登って行けました。
堰堤を過ぎ100mほど行くと沢筋に別れを告げて、左岸の尾根へとルートをとります。踏み跡が全くありません。毎年来ていますのでコースを熟知出来ており不安はありませんが先頭を行くjunkoちゃんが「道がありませ〜ん」と叫びます。「真っ直ぐ行け〜」「雪が深くて行けませ〜ん」「じゃあオイラがラッセルするわ〜」ズルッ・・・
 「ん?ジョンさんラッセルするって言ったのに滑ってるよ!」時間が早いので心に余裕があるのでしよう、笑いがこだまして雪崩が起きないか心配するほどでした。
3回ほど折り返しながら進むと、稜線の直前にある送電線の鉄塔が見えてきます。そこが見極めのポイントになります。ここから風が強くなりますので「強風で山頂へは無理」と判断した時は鉄塔を引き返し点と決めています。また山頂に正午に到着しない場合も引き返すことにしています。
しばらく行くと鉄塔が見えてきました。鉄塔はすぐそこに見えていますが辿りつくにはまだまだ時間がかかります。稜線に出て小さなピークを越えると次に見えるピークが赤坂山の山頂です。鉄塔から山頂に行くまでの傾斜は雪質が変わりました。凍結しているのです。ザクザクと踏みしめながら風との闘いでみんな無言で山頂を目指します。時々耐風姿勢を取りながら飛ばされないようにストックをしっかりついてスノーシューの歯をしっかり食い込ませて赤坂山頂上に到着です。琵琶湖もハッキリくっきりと見えています。空には青空が見えています。
 「デンの記撮影会」を早々に済ませ、山頂は風が強いので少し下り、木立の合間を利用して昼食を取ることにしました。寒さを感じないので雪景色を眺めながら30分ぐらいのんびりと座っていたと思います。昼食が終わると沢筋の危険個所通過のためのスワミベルトにカラビナをつけロープもすぐ出る様に準備をし下山することにしました。
 しばらく下ると6人ぐらいの年配のグループが登って来られて「赤坂山の山頂に行ってきたんですか?」「風は強かったですか?」と情報を知りたがっていました。足元を見るとスノーシューを装着している人やアイゼンのみの人とバラバラで「下りは大丈夫かいなぁ?」と心配しましたがグループの通過した後にはアイゼンの人が付けたであろう大きな穴がいくつもいくつも出来ていて歩きにくいのなんのって・・・
風を避けて美味しい昼食 JONが落ちたぞー…本人曰く「地球の裏側まで行くかと思ったワ」
下りは尻セードの連続、転げ落ちるように樹木の間を滑り落ちていきます。先行者の付けたお尻の跡に飛び込むように入って滑り落ちていきます。
キャー!ワーッ!楽しいの何のって・・・これだからスノーシューはやめられません。靖ちゃんは勢い余って頭から突っ込むシーンもありました。またジョンは樹の根の周りの大きな穴にスッポリはまってもがいていました。「写真や写真」助けに行くよりも証拠写真の方が先ですっ!
突然「高島トレイル」の目印を見つけ、行ってみる事にしました。登りとは別ルートを下ることになったのです。勿論、踏み跡などはありません。尻シェード全開で、ふと下を見ると危険個所が見えてきました。(と言うことは危険個所は回避と言う事なんや)赤坂山唯一の危険箇所を今回はスルーすることができました。去年はここで見知らぬおじさんが思いっきり滑ってしまい、幸いにも川に落ちることはなかったですが、いつ来てもあの個所は赤坂山唯一の危険箇所だと思っています。(わたしたちは準備万端整っているので怖くはなかったのですが偶然回避することになった次第です)

尻シェードの出来る箇所は幼き日に戻って滑る、遊ぶ、を繰り返しながら姫の特製ソリの出番もあり重たい思いをして担ぎ上げてきた甲斐がありました。(よく滑るように2枚張り付けています。)暴走車両が勢いよく滑ってきます。(滑りすぎて・・・アイムソーリー)
マキノスキー場は今シーズン終了したとは言え、赤坂山山頂はまだ、たっぷりの雪が残っていて新雪も踏むことができました。前日の雨で期待薄かったのですが充分スノーシューが楽しめました。去年の様にスノーシューのゴムが切れると言ったアクシデントはなく、またリュックカバーを飛ばされることもなく最高のスノーシュー日和でした。(笑)

車に戻ったのが午後2時20分。シートを敷き荷物整理をしたり着替えをしたりしていると大粒のアラレが降ってきました。危機一髪!濡れずに車に駆け込むことができました。

まだ時間も早いので帰り道の近江今津にあるザゼンソウを見に行かないかと提案がありました。「風呂にする?それともにザゼンソウ群生を見に行く?」「ザゼンソウ〜」間髪入れずにザゼンソウ見物に立ち寄ることにしました。ジョンが「トランクのドア閉めるぞ〜もう入れる物はないか?」と聞くので3人とも「大丈夫です」と答えて車に乗り込みました。
10分ほど走ったでしょうか。バイクらしきクラクションが鳴り響きました。「何も違反してへんよなぁ」側道に車を停め姫が何事かとバイクに近寄りました。
見るとお巡りさんの恰好をしています。「えっ?私達何か違反しましたか?スピードも制限速度で走っていたと思いますが・・・」と言うと「トランクのドアが開いてますよ!」「あっ!」「ありがとうございました。これって違反ですか?」と聞くと開けて走るだけでは違反ではないが荷物を落とすと違反だと教えてくれました。んもぅ!ジョンめ〜!
大事にならずに済み大笑いをしながら今津町の国道161号バイパスを走っていると「座禅草群生地800m」という看板が目に入りました。
目的地の近江今津・南限に咲くザゼン草の群生地に到着しました。座禅草は花全体の姿が、堂の中で座禅をしている僧侶の姿に見えることからその名が付いたというザゼンソウは、発芽して花が咲くまで数年という長い期間を要し、自ら発熱して寒冷下においても花を咲かすことができる不思議な植物だそうです。見る価値は大いにあると思います。ザゼンソウを見ての帰り道ジョンお気に入りの「道の駅」に立ち寄り、ヨモギ餅を買いました。(すっきやのぉ〜)

道の駅からドライバー交代し姫の運転で無事皆様とのお別れ場所で一人減り、また一人減りしながら帰路につくことができました。