「北海道・でっかいどう ぐるっと廻って5058qの旅」
7月26日(土)
雌阿寒岳は、北海道、阿寒の活火山で古くはアイヌ語でマチネシリと言われていました。
国土地理院による正式名称は雌阿寒岳なのですが、深田久弥の百名山をはじめ一般に阿寒岳というと、この雌阿寒岳を指すことが多いのです。阿寒の名を冠する山は他に二座あり、雌阿寒岳の近くに阿寒富士(1,476m)、少し離れて雄阿寒岳(1,371m)があります。(いずれも火山)雄阿寒岳と阿寒富士は今のところ静かですが、雌阿寒岳は現在もさかんに活動していて、周辺では降灰が観測され、登山の禁止と解除が繰り返されています。私達は運よく解除の期間で頂上まで行くことができました。頂上には1972年に落雷のため登山中に死亡した小学生を悼む石碑が建っています。
時刻  地    名
06:00 オンネトー国営野営場 
07:14 雌阿寒岳温泉登山口
08:06 3合目 
08:10
08:54 5合目  
09:00
09:32 7合目  
09:45
10:25 頂上  
10:50
12:05 5合目
13:27 雌阿寒岳登山口
13:33 雌阿寒岳オンネトー
15:00 足寄町

↓朝のオンネトー
雌阿寒岳温泉 雌阿寒岳温泉の看板 もう直ぐ雌阿寒岳温泉登山口です 登山届けを提出して
朝4時起床、天候の悪くなるのが予想されたため、食事の後テントの撤収、荷物をすべて車に積み込みます。
6時、今日の登山口である雌阿寒岳温泉登山口に向けて出発、オンネトーを反時計回りに回るように辿ります。昨夕下見に来たときとは違った風景が目に飛び込んできてすごく新鮮な感じがします。雌阿寒岳温泉登山口まではゆるやかなアップダウンを繰り返しながらおよそ1時間ほどの道程です。このコースは一合目ごとに合目表示が設置されており、歩行の目安になります。
サルのコシカケ コケ ギンリュウソウの群落がありました
山頂はまだまだ遠いです   火山ガス検知装置   岩峰の向こうに雄阿寒岳の雄姿   いましがた通ってきたオンネトーが見えます
 オンネトーは雌阿寒岳の火山活動でできた堰き止め湖です。湖面は標高623mと高い位置にあり、面積は0.23Ku、平均水深3.0m、最大水深は9.8mあります。天候、風向き、見る位置によって、湖水の色がさまざまに変化することから、「五色沼」ともいわれています。
オンネトーとは、アイヌ語で「年老いた沼」という意味です。 (環境省・北海道)
頂上直下で赤沼を見学です
雌阿寒岳はかなり優しい山と考えていましたが樹林帯を抜けた5合目あたりから岩のゴロついたきつい傾斜が続きました。
8合目付近からは硫黄の匂いが漂い、山頂は霧がかかっていたのですが、私達が頂上に着くころには霧も晴れ、目の前の阿寒富士と雄阿寒岳剣ヶ峰がくっきりと美しくそびえていました。
阿寒富士への登山道は美しい曲線を描き行ってみたくなる衝動にかられました。
いつ爆発してもおかしく無い山容は不気味でもありその傍を歩いて覗き込んでいる自分が不思議でした。
雌阿寒岳の頂上は感激がいっぱいでした
雌阿寒岳は標高1,499mで阿寒山群の主峰をなし、阿寒湖の南西に位置しています。 約2万年前に火山活動を開始。 何度も噴火を繰り返して複雑な山体をつくりました。 主峰のポンマチネシリは約1万5千年前にでき、南側の寄生火山阿寒冨士(1,476m)は約2千年前に誕生しました。
昭和30〜34年に史上初の水蒸気爆発をおこし、現在も活発な噴火活動を続けています。
山麓部はエゾマツ、トドマツの森林におおわれ、5合目付近からハイマツ帯となり、1,100m以上では岩石と砂れき帯となってコマクサ、メアカンキンバイなどの高山植物が豊富にみられます。
青沼 阿寒富士と青沼
噴気口にしばし見とれて 噴気口 ザレ場の下降は大変でした
雌阿寒岳は洪積世中期に激しい火山活動を繰り返した後に陥没して形成された長径24km,短径13kmに及ぶ阿寒カルデラの南西カルデラ壁上に噴出し,複雑な構造をもつ火山である。火山体の主要部は中央火口と呼ばれる中マチネシリとその側火山にあたり,最高峰のポンマチネシリ(1499m),阿寒富士(1476m)からなる。中央火口とポンマチネシリ火口の硫気孔から現在もたえず噴煙をあげており,とくに後者は1956年に水蒸気爆発をおこし,周辺に被害を与えたことは有名。
阿寒富士 雌阿寒岳の最高峰
8合目で阿寒富士を見ながら…ちょっと休憩です
阿寒富士は9合目の分岐から、1時間30分もあれば往復できるそうですが 、今回は見るだけにしました。左右対称の山容は、低いながらも名峰富士を彷彿させるものでした。多くの登山者は足早に下っていきましたが、私達は次があるため ゆっくり、のんびりの下山でした。
疲れた体で歩く下山道は長く感じます
国設オンネトー野営場登山口に帰ってきました
下山後はトムラウシに向けて走る
写真:JON  文:美智子姫