●3月13日(木) 2日目
思いがけないアイスクライミング
 
昨夜遅くに雪が降り始め、夜明け前には雨と変わっています。硫黄岳は中止し小屋前の斜面を利用して滑落停止などの雪訓をすることにしました。朝食を終えて外に出でみるとスタッフの女性が雪かきをしていました。小屋の窓にかかる雪をスコップで落として川近くに運んでいました。「手伝いましょう!」みんな手にスコップを持ちソリなども使いあっという間に小屋周辺の雪かきが終了しました。スタッフの情報ではすぐちかくにアイスクライミングのできる場所があるとのことで案内をしてもらえることになりました。スタッフの仕事が片付くまで滑落停止、そり遊び、ラッセル方法、ワカンの履き方など楽しい野外雪山教室で時間を過ごしました。  
 
 
雪かきをして遊ぶメンバー達
ワカンを履いて ステップの訓練 歩幅は狭くねー
ワカンってあるきやすい…ワカンない 急傾斜のラッセル 一服剱×2
大滝でアイスクライミング
 
小屋から10分ほど登った場所から川を渡り急登をラッセルしながら進んでいきました。「まるで堂満ルンゼみたいやなぁ」足を踏み外すと真っ逆さまに滑り落ちていきそうです。
やっと大滝に到着しました。支点をとる箇所が見当たらずかなり危険を冒してやっと1本の木に支点をとることができました。下で姫がビレイをし、ジョンを先頭にみんなが楽しげに登っていきました
ギョギョギョ…これを攀るのですかー 着いた着いた…夏沢大滝だーい
まあこんな具合に楽しみました
関西圏にも琵琶湖のほとりの堂満岳のルンゼや打見山のアルファールンゼが凍って氷壁登攀ができますが、ここの蒼氷は硬さが違うように感じます。
思いがけない体験に皆さん大喜びでした。
最後に姫が登るのですが氷壁にバイルやピッケルを打ち込む力が弱く、なかなかうまく行きません。「テンション〜テンション!」と叫びながら何とかみんなの待つ滝の上まで到達できました。氷壁の懸垂下降は体全体が、かき氷器になったみたいにガリガリとアイゼンの音を立てながら下りていきました。初めての感触に興奮しています「おもろかったなぁ!」

お祭り野郎1號2號は2時の送迎車両で茅野市のほうへ降りて行きます。合い言葉の「四万十川で…」を残し雪上車に揺られて帰ってしまいました。
夕食後は一服剣さんのロープワークの特訓てす。
「体力もあり若さもある。あとはロープワークの技術を磨き逞しい山男になってほしい」これがジョンの願いです。
期待に応える如く熱心に消灯時間が来るまでロープの勉強を続けました。
写真と文:美智子姫