2014
「霧氷も樹氷もなかったけれどアイゼントレーニングには、もってこいでした」
金剛山は、大阪府千早赤阪村と、奈良県御所市との府県境にある山です。 大阪府の最高地点(1056m)を有し、標高は1125mで、二上山や葛城山の連なる金剛山地の主峰です。現在、実際の山頂は葛木神社の神域となっており、立ち入る事はできません。 一般に山頂と言われている所は、実際の山頂より少しだけ低い位置にあり、売店や広場などがあります。 観光スポットとしても人気が高く、週末に観光を兼ねてハイキング登山に来る人も多数おられます。金剛山は大阪市内からのアクセスが良い為、健康登山の山としてよく知られています。また、独自の登山回数記録システムがある為、回数登山が広く行われている事でも有名です。
朝の出勤前や、夕刻の退勤後に、毎日欠かさず登山をするという人も多いです。「いつでも行ける」そう思ってなかなか訪れることもなかったのですが今回はアイゼントレーニングを目的として訪れることにしました。水越峠側から登り下山はコースを決めずに混雑具合を見ながらの山行です。
9:00 葛城登山口バス停 
10:13  水越峠合流点(735m)
11:00  太屋塞跡(961m) 
11:10
11:17  六道の辻(アイゼン装着)
11:50  大日岳(1094m)
12:00  葛木神社(1056m・昼食) 
12:30
13:20  伏見峠
13:40  地蔵峠
14:58  ロープウエイ前バス停
 富田林駅前のバス停は綺麗に整備されていました
午前6時、外はまだ暗いです。夫婦二人でこっそりと抜け出る姿は「夜逃げならぬ朝逃げ」みたいで散歩中の犬に不審人物と間違えられて吠えられてしまいました。今日は珍しく金剛山に行こうと山好きの仲間に呼びかけて富田林駅で待ち合わせをしました。私達は地下鉄で天王寺まで出て近鉄・大阪阿倍野橋駅に向かいます。午前7時14分発に乗れば8時20分の水越峠行きのバスに間に合うと言う手筈です。

大阪阿倍野駅でホームにあがると靖ちゃんが手を振っていました。続いてKazu君改め一服つるぎさんも見っけ〜です。車内で挨拶を済ませ1時間足らずで富田林駅に到着しました。改札を出てバス停に向かいますが随分開発が進みバス停付近が綺麗になっていたのに驚きました。終点の水越峠からの取り付きは、やたらとアルファルト道が長いため水越峠手前の葛城登山口で下車しました。葛城山を目指す人達もいて登山客のほとんどは、ここで下車してしまいました。

バスを降りてGPSをセットしていると二人連れの登山者がモゴモゴとなかなか出発しそうにありません。「お先にどうぞ」と言うと「道がわからないので後ろ付いて行かせて下さい」とのことで途中まで一緒に行くことにしました。
バス道から石筆橋を渡りバケツのある分岐点を目指します
トイレの前まで来ると既に下山した人がいて地図を示し太尾道の入り口を聞くと「わかりにくいですよ〜入り損ねたら延々と谷沿いに歩くことになります。木の株に小さなバケツをかぶせている所がありますので見落とさずにそこを入ればいいですよ」と親切丁寧に教えてくれました。この時間に下山してくるという事は「毎日登山」の常連さんかも知れません。 
杉の木立の中を歩いていきます 
ありました。ありました。笑えるほどに小さなバケツが木の株にかぶされていておまけにペンキで矢印まで書き込んでありました。「よっしゃこれで間違いなくコースに入ったぞ」とゆっくり歩いていると、もう既に汗ばんできました。そう言えばこの日は風も無くとても暖かく感じました。樹氷があるかどうか心配するほどの温かさでした。30分ほど進んだところで「衣類調整しましょう」という事になり登山道を外れてジャンバーなどを脱いでいると、出発時に「後ろを付いて行かせて下さい夫婦」が「お先に失礼します」と、さっさと追い越していきました。リュックも軽そうでしたので私達の速度に戸惑っていたのでしょうか。登山口さえ解れば私達に用はないって感じでした。         ↓風の乢(かぜのたわ)
1時間ほど歩いたところで水越峠からの登山道と合流しました。標高961mにある太屋塞跡にもまだ雪はありません。勿論樹氷の樹の字も見当たりません。水分補給とレーションを頬張り、六道の辻までくると、行く先に見える道が白く凍結して光っていました。下山してくる人達の足元をみると軽アイゼンが装着されていました。「ここでアイゼンをつけましょう」一服剱さんは購入して芦屋・地獄谷のゴロゴロ石道を歩いたきりで、凍てついた道を歩くのは初めてです。スケートリンクの上を歩いている様な、夏の暑い日に氷をノコギリで切っているようなガリガリと言う音が何とも言えず心地よく「気持ちいいっすねぇ!」と一服つるぎさんも大満足の様子でした。目の前でおじさんがスッテンコロリン転倒してしまわれました。「大丈夫ですか?」と声を掛けましたがアイゼンも履かずスニーカーの様でした。無事下山できたのかどうか心配です。
ニット帽は登山には不向き  頭が暑い
六道の辻に到着でーす。ここで2名の方がアイゼンを装着中です
太屋塞跡(961m) でちょっと休憩…ね。
六道の辻でアイゼンを装着。横で着けていたおじさんが…カズくんのアイゼンを見て…「えらい立派なやつ着けてまんなあ」
 水越峠を隔てて南側に見えるのが大和葛城山です。ツツジの咲く時期にはこの茶色い場所が真っ赤に染まります。
大日山を通過中です 
ガヤガヤと人のざわめきが聞こえてきました。頂上の広場に到着です。積雪も樹氷もまったくありません。何日か前に降り積もった雪が硬く凍り付いていてスケートリンクの様でした。頂上には予想通りに大勢の人が来ており、店も沢山建ち並んでいます。すき焼き鍋を囲む人、ラーメンの湯気を立てる人と山頂とは思えないほどの賑わいです。1組のグループがどうも食事を終えて荷作りをし始めました。「お食事は終わりましたか?テーブル使わせてもらってもいいですか?」遠巻きに多くの人がテーブルを狙っていたと思うのですがタイミングと運もよくテーブルを使えることになりました。靖ちゃんは愛妻弁当(自分で作った愛妻弁当!)、一服剱さんはラーメン、私達はお茶漬けとテーブルがあればこそで、ゆっくりと食事を楽しみました。

私達と同じようにテーブルの空きを狙っているグループがあり「使わせてもらっていいですか?」と予約に来られました。姫が「どうぞ!椅子も温めていますから」と冗談を飛ばしバトンタッチ。
境内は昼食を摂る登山者で溢れていました
下山コースは人混みを避けて伏見峠から倶留野峠への道を選びました。途中までダイヤモンドトレイルコースの看板に沿い下山を始め、いつもは雪遊びの子供達の歓声が聞こえるのですが遊園地に雪は全くありませんでした。
伏見峠を入るとだんだん人が少なくなり振り向くと私達だけとなっていました。登って来る人もなく追い越されることもなくゆっくりと自分たちのペースで下山することができます。 
伏見峠からは南へとり  倶留野峠を目指します
途中でりっぱなお地蔵さんが立っており大きな登山道には「ダイトレ・紀見峠へ」と書いてありお地蔵さんの立つ場所を倶留野峠と判断し倒木を、またいで細い道を選びました。しっかりと踏み跡もついており、ところどころ赤いテープの道標もありました。

「人が少なくてええのぉ〜」ジョンも機嫌よろしく笹の垂れ下る道を掻き分け、こんもりとした通称「笹の森」では記念撮影までしました。「ん?さっきのお地蔵さんの立ってた分岐は倶留野峠と違うかも〜!」と思いつつも、踏み跡があるため、どんどこどんどこ前進しているとまたもとの大きな笹の森に出くわしました。「あれれ?」30bくらい登り返したところに細くて誰もが見失うほどの小さな道を見つけ道標もついています。「大丈夫!大丈夫」と声を掛けながら降りて行くと突然、ロープウエイの鉄塔の真下に出くわしました。
登山道と言えるかどうか分からないような道を外して、笹薮の中に突っ込んでしまいました。
「やっぱりあのお地蔵さんのところで早く曲がりすぎたなぁ」地図にも明記されてないような細くて狭い道を降り、途中でアイゼンを外し九十九折れを曲がりながら降りているとアルフアルトの林道が見え駐車車両も見えました。「着いたど〜」2時間28分の「金剛迷い道」の終点です。(笑)

側を流れる急流でアイゼンとストックを洗い、バス停に行くと既に満席状態のバスが待っていました。時刻表を見ると25分待てば次のバスがやってきます。「次のバスに乗ろう」という事になり、スパッツを外したりトイレに行ったり慌てることなく身支度を整えることができました。寒ければ無理やり乗っていたと思いますが暖かくて春の様な季節でしたのでみんなで金剛山の余韻を味わっていました。

←ロープウエイの鉄塔に出てしまいました。
南海バス 河内長野行きの停留所には、ながーーーーい列が出来ていました。
ロープウエイバス停発15時25分のバスに乗って富田林駅に向かっていると、偶然ではありますが富田林に住む忠太郎からメールがはいりました。すぐメールを打ち返し「いまどこ?私達いま金剛山の帰りでバスの中、富田林に向かってる〜」と電報の様なメールを打ち「では駅前で会いましょう」と集団デートをすることとなりました。富田林駅にバスがつくと手を振る了子ちゃん見つけ、忠太郎を見つけ短い時間ではありましたが旧交を温めることができました。そして2月下旬のカニツワーの約束まで交わしちゃいました。みなさんもご一緒にいかがですか?
忠太郎も元気そうです 久しぶりの再会です
今回の山行は金剛山と言う手軽な山でしたが、なかなかどうして侮ることなかれ急登あり、凍結道ありの楽しい山でした。樹氷見物が主たる目的ではありましたが、これも自然界のなりゆきだと思っています。アイゼンは必携です!
みんなの感想
今回はスムーズに歩けたと思います。寒いかも知れないと厚めのウエアーを着て行きましたが暑くて大変でした。これからは薄めの衣類の重ね着で調整しなければと痛感しました。脱いだり、着たりするたびにメンバーの足止めとなり迷惑をかけました。金剛山の樹氷が見られなくて残念でしたが楽しい山行でした。
 ポッチー
1組の4本爪アイゼンを2人で片方づつ履き2人ともズルズル滑っていたのを見ましたがいくら通い慣れた金剛山と言えどもアイゼン無しでは危険です。麓で救急車のサイレンが鳴り響いていましたが、装備不十分で転倒し怪我をして救急隊の方達に迷惑をかけるのであれば、きちんとした装備で出かけたいものです。
ひ め
最近あまり歩いてないので歩けるかどうか心配でしたが、歩き始めると身体がスムーズに動きました。急な登り坂もありましたが、ゆっくり歩いてもらったことで息切れすることなく頂上を踏めました。樹氷が見られず残念でしたが山登りは自然との出合いが沢山あり楽しいです。
JON
 
サクサクと氷に刺さるアイゼンの音が非常に心地良く、非常に楽しいトレーニングでした。
ありがとうございました。
一服つるぎ
 
  どうも金剛山は相性が悪いです。ダイトレの時も伏見峠から何のためらいも無く下山してしまって大ひんしゅくをかいました。
今回も倶留野峠から下山する予定がひとつ上の地蔵峠から地蔵尾根を降りてしまいました。
あかん金剛山では素人も同然、3000回以上も登っているベテラン揃いの中で、オイラまだまだヒヨッコだい。
JON 
   

 写真と文 美智子姫0000