夏山がずれ込んで…山はもう秋の気配…剱岳山行トレーニング
久々に10s背負い「重た〜っ!」おっ・おっ・身体がなまってる証拠!。
大峰・奥駈け縦走ではMax18sぐらい何ともなかったのに体力は急に下降線に入った感じがします。天候は限りなく鉛色って言うか既に電車の中で落ちて来た感じ、ポツポツと車窓が濡れていきます。街中に目を落とすとみんな傘を差している。
天気予報では夕方から雨って言うたんとちゃうの〜とブツブツ言いながら阪神芦屋駅のベンチでリュックの底に入れていた雨具を一番上に入れ直しました。かと言って合羽を着るほどでもなく、照りつける太陽も顔を出さず、これ以上降りさえしなければ絶好のトレーニング日和になりそうな予感がします。
芦屋の大きな黒塀のあるお屋敷の横を通りながら決まって口ずさむ歌「♪♪ 粋な黒塀〜 見越しの松に〜仇な姿の洗い髪〜」と歌っているうちに阪急芦屋川駅に到着しました。剱岳へ向けてのトレーニングなのですが参加者の中で都合がつかなかったり、突然の高熱が出たりで本日は靖ちゃんとジョンと姫の3人で地獄谷に入ることにしました。
 高座ノ滝 芦屋川駅と 星座の広場   j地獄谷入り口
雨模様のためか、いつもより若干登山者の姿が少なそうですが、それでも次から次へと広場には人が増えてきます。
ウオーミングアップだとは言え、芦屋川駅から滝の茶屋まではきつい上り坂が30分も続き滝の茶屋に着く頃には大汗をかいてしまいました。いつもの様に高座の滝に鎮座するお稲荷様に安全祈願の挨拶をし地獄谷に下りました。昨日からの雨で水量が多そうです。小雨ではありますが大粒の雨にならないうちに合羽を装着しようという事になりました。合羽の準備をしていると若者2人が来て「登山道はどれですか?」と私達に聞きました。「えっ?このコースには登山道はないよ。ロックガーデンと間違えてませんか」「でもこの本に地獄谷は中級コースって書いてあるんです〜」その本の記載方法って危ないなぁと思いながらジョンが最初の「崖へばりの道」を案内しました。どうして渡るのかの見本も示しました。後はどうにかしてクリアしたのか途中で合う事はありませんでした。若いって無謀も含めて体力あるんですね。
 地獄谷の流れ 地獄谷遡行 
なかなかの身のこなしです
靖ちゃんは5年ほど前にクライミング講座で訪れて以来らしいのですが私よりバランスよくひょいひょいと登って行きました。(これなら剱岳太鼓判だね)いつも休憩するサメ岩で合羽を脱ぎ、ラビットノットの結び方のレクチャーをし靖ちゃん自身にも何度か結んでもらいました。剱岳は混雑時に足場の不安定なところで待機する場合があります。その時きちんと自己ビレイを取っておかないと、ふとした拍子にバランを崩して落下の危険もあります。面倒でも、手間でも安全のため自己ビレイを必ずとるようにしましょう。
鎖場を安全に通過するために…ラビットノットでカウテールを製作
此処の滝はすべて滝身を直登します
カニ岩を登ります
滝のしぶきを浴びながらの登攀です
滝の水量もかなり多くて靴やズボンは濡れてしまいましたが、怯むことなく勇敢に突き進んでいきました。小便小僧も心地よさそうに大量の水を放水していました。岩場通過の足運び、歩幅調整、姿勢など歩きながら基本中の基本を復習をしていきました。「ズルッ!」後ろで誰かが滑った音がしました。何故滑ったのか現場検証(笑)をしながらピラーロックに到着です。ここで昼食を取ることにしました。
 
「夏の運動不足が『倍返し』で返ってくるなぁ」「しんどいなぁ」そんな会話をしながら空を見上げると今にも降りだしそうな黒い雲のかたまりがありました。「今日の予定コースのキャッスルウオールへは次のトレーニングに廻して今日は最初という事もあり中央稜から引き返そうか」という事になり中央稜を下りました。時間は午後1時過ぎだというのに次から次へと登山者が登ってきます。朝の小雨で手足が鈍っていたのか、この時間から登り始めて一体どのコースを辿るのか、下山者もチラホラの時間に登ってくる人が多いのには驚きです。下山時にはきっと薄暗くなっているのではないでしょうか。
A懸垂岩(中央下部)とA懸垂尾根
崩壊したゲートロックのゲレンデが見え始めました。そろそろ出口に近づいてきたことを物語っています。往路に安全祈願をしたお稲荷様に無事下山の報告とお礼を言い、滝の茶屋で、かき氷やビールを頂きました。かき氷は秋の訪れだと言うに真夏の味がして、とても美味しかったです。次のトレーニングの時にはもう氷の旗は風になびいていないかもしれません。阪急芦屋川駅で解散の挨拶を済ませてすぐ、ザァザァと大きな音を立てて大粒の雨が降り始めました。間一髪!濡れずに済みました。コースを変更して良かったと胸をなでおろしました。
第一堰堤まで帰ってきました…もうすぐ終わりです 
決して雨が怖いわけではありませんが濡れないにこしたことはありません。朝、時間をかけずに合羽を着る方法もトレーニングした気がします。登山靴を履いたまま合羽を着るときはビニール袋を足にかぶせ履くと簡単かつ短時間でできるそうです。(但し合羽とビニール袋は同じところに収納しましょう。いざと言うときにビニール袋を探していては時間がかかりすぎます)私はこの方法は足元がふらついて上手く履くことができません。何度もチャレンジした結果、登山靴を素早く脱いでから合羽のズボンを履く方法を取っています。これは登山靴の中を濡らす危険もあり、いつの日かリーダーに指摘されるのではないかと思っており、あまりお勧めできないと思いますが…自分に合った方法を日々研究することも低体温症から身を守ることだと思っています。

ではトレーニング第2弾は9月14日(土曜日)午前9時、阪急芦屋川駅集合です。

美智子姫:記0000