荒島岳は萩・ススキ・りんどうと秋の気配・・・しかし暑かったなぁ!
荒島岳(あらしまだけ)は、福井県大野市にある標高1,523mの山で別名大野富士(おおのふじ)ともいわれる秀峰であり、日本百名山の一つです。約2000万年前、濃尾平野の北端から盛り上がる西美濃の山は、伊吹山地や両白山地野坂山地と雄大な風景を形成し、越前・加賀、そして日本海へと裾野を落す荒島岳は、そうした風景の中にぽっかりと空いた大野盆地に山裾を落す。端正な山日本列島がアジア大陸から分離する頃、荒島岳の位置に巨大カルデラ火山があった。
そのカルデラ火山が、長い年月の間に浸食をうけた。その残骸(コールドロンと呼ばれる。)が荒島岳である。
今回の登山ルートは荒島岳登山では もっともアクセスしやすく ブナの森の素晴らしいコースです。
廃業となった勝原(かどはら)スキー場からのアタックです。標高300mの登山口から荒島岳の頂上1524mまで一気に登りますので標高1000m級ではありますが侮れない山であると紹介されてます。

移動時間を有効に利用をするために前夜にテント泊をしました。翌朝出発準備を整え廃業と成った勝原スキー場より登り始めます。最初は、舗装された道を歩きますが初心者用リフトの下口付近からは、コースの状態は斜度を上げ岩・砂利が多いコースに変ります。このまま、高度を上げて行くと標高約651mのところに登山口が有ります。駐車場は標高365mなので286m登った事になります。登山口からは、本格的な登山道になります。コースの大半がブナ林でありその神秘的な空間に満足し、素晴らしい森林浴が味わえるとの下調べの資料にかかれており期待度も高くいざ出発となりました。
05;45 駐車場
06;36 登山口
07;07 トトロの木
07;28 白山ベンチ
07;40 深谷の頭
08;33 シャクナゲ平
09;20 前荒島岳 4/5
09;50 荒島岳頂上 
10;20
11;13 シャクナゲ平
12;00 白山ベンチ
12;33 登山口
13;30 駐車場
敦賀駅前:松本零士モニュメント 雨の後…気温は24度
JR越美北線・勝原駅は 1日5往復 10本の列車しか止まりません
勝原スキー場の駐車場 トイレの掃除は行き届いてました 
朝、目を覚ますと朧月が 昨夜のカレーの残りが朝食です   今は荒廃しているスキー場
電話ボックスを利用した登山届け提出所…グッドアイディアですね
勝原スキー場の駐車場で前夜から仮眠を取り、早朝6時前に出発しました。旧スキー場のゲレンデの急坂歩き始めました。早朝のため風も爽やかで快適に高度を上げて行きます。コンクリートの作業路の終わり頃はゴロゴロ石の急斜面を登って行きます。およそ50分でスキー場の上部に出ました。リフトの回転輪が放置されている場所を過ぎると勝原登山口になり、ここからはブナ林の登山口にさしかかります。ゆっくりと高度を上げながらブナの大木を楽しみました。やがて「トトロの木」がありここから荒島までの距離が1/5との標識がありました。歩いて1/5かと思いましたが勝原スキー場のゲレンデの道は計算されていない様子です。先ほど通過した登山口から頂上までを5等分としているようでした。(分かり易いね)
 
スキー場のゲレンデの作業路を登ります…日陰の無いこの道は、帰りは大変だろうな
なんだか秋の気配が ん…イタドリの花? スキー場の索道回転輪
 登山口の標  ブナ林に入ります  森の案内板
木の根道や一部粘土質の登山道は雨の日は大変かもしれません
しばらく歩くとブナの中に大木のベンチが現れました。
「白山ベンチ」です。天気がよければここから白山を見ることが出来たのでしょうが今日はガスの中で見ることが出来ません。
ここからは更にブナ林は続き、続いて現れたのが「深谷の頭」です。ここには3/5の表示がしてありました。左手に荒島岳と見受けられる峰が浮かんできます。ここから坂は急になってきました。
ここのブナ林は規模は小さいですが、白神山地のブナ林より 良かったです
 一段一段が高い階段は…私のコンパスで登るのは大変でした。  この階段を登りきればシャクナゲ平です
←シャクナゲ平

階段の段差が高いため四苦八苦しながら歩を進めて行きました。気温も上がり湿度も高い様なので、ことのほか汗がポタポタと地面に流れ落ちていきました。登山道の先に青空が開けて見えてきました。
右からくる小荒島岳からの道との合流点「シャクナゲ平」に到着です。

ここから道は左に折れ登山道は下り始めました。「せっかく登ったのに・・・!」ブツブツ言いながら下って行くと「佐開コース」と合流しました。もうあと1時間ほどで荒島岳に到着です。

まもなく「もちがかべ」と呼ばれるポイントに到着しました。
もちがかべの急傾斜の登りが始まります 
ここからは急な階段がはじまり、鎖、フィックスロープがしつらえてあり、階段のきつさを、より厳しいものに感じさせられました。上がっても、上がっても階段は続き尾根を辿るように進んで行きました。
目の前にたちはだかる峰を見て「あれが頂上かな」と思ったのもつかの間、次にまた頂上らしき峰が現れまする3度、4度とくりかえしているうちに頂上直下で、今朝一番に鯖江から来たという若者が降りてきました。
「長い時間頂上でゆっくりされていたんですね。もっと下で出合うかと思っていました」
と言うと
「頂上でゆっくりしすぎました」 と言葉を交わしてすれ違いました。

まもなく、荒島権現の小さな祠が目に飛び込んできました。
名古屋から来たと言う今朝2番目に駐車場を出発した人と、3番目に出発をした岐阜から来たと言う男性が笑顔で私達を迎えてくれました。
荒島岳は「かくれ峰」だという表現がピッタリの山の様です。
名古屋から来たと言う人が私達に向かって「早かったですね。出発するときまだ荷物を広げていたので、もっと遅いかと思っていましたよ」
岐阜のおじさんは「シャツターを押しましょうか?」とやさしく申し出て頂いたのでお願いすることにしました。いつも合成しているので、2人で映ることはめったにありませ〜ん。

頂上では行動食の「桃パック、コーヒーゼリー、りんご」を美味しく頂き、しばし360度の遠望を楽しみました・・・と言いたいところですが半分ぐらいガスがかかっていて360度とは行きませんでした。しかし頂上には多種の花々が咲き誇っていて時間の経つのを忘れるほどでした。
10時20分、下山開始です。下山途中にひとりの女性とすれ違いました。すぐその後ろから来た男性ともすれ違いました(あの2人メンバー同志?)そうであれば同じリズムを歩けばもっと楽しいのにと思ったりもしました。10分ほど下ると中年の男性が風景写真を楽しんでいました。
正面に小荒島岳を見ながら下って行きます。足を踏み外しまくれ込んだら大怪我間違いと思われる場所に「滑落死亡事故が発生しました。充分注意をして下さい」と大きな看板が立っていました。ここに掛けてあるロープは登り時より下山時に必要だなと感じました。全体重をかけるわけには行きませんが段差のある下りには有効です。
シャクナゲ平から下りはじめた丁度正午頃に一人の若者とすれ違いました。
「シャクナゲ平まで行ったら休憩しようと思っていますが距離はまだありますか?」と聞かれたので「まだまだ距離がありますよ頑張って!」
それから更に下って「深谷の頭」あたりで2人組の若者と出会いました。彼らは若いから大丈夫ですが「白山ベンチ」ですれ違った65歳ぐらいの老人組は既に息も荒く合羽の入ってなさそうな小さなリュックを背負い喘ぎながら登っていましたが、荒島岳から下山するには暗くなっているのではないかと心配するほどでした。しかも足元に目をやるとスニーカーでした。
この人達が最後のすれ違いの人かと思いきやまた2人組の男女に出会いびっくりしました。下山時刻に登り始めるなんて無茶だし明るいうちに無事に下山できるのか心配したほどでした。
やっと登山口まで降りてきました。ここからはカンカン照りの太陽の洗礼を受け、暑いというより痛いと言った感じです。今まで快調にリズムよく下って来たのに暑くてたまりません。腹は減るし、暑いし、どうにか日蔭を見つけてパンを頬張りました。後頭部に照りつける太陽は容赦なく私達にダメージを与えます。スキー場のコンクリートの道は照り返しの温度も異常に高く最悪でした。見えている駐車場の車がかげろうの様に、幻の様に見え、なかなかたどり着くことが出来ませんでした。

ヘロヘロになりながらどうにか駐車場に到着。駐車場は一点の日蔭もありません。車体を触ることができないほど熱くなっていました。とにかくここから脱出しなければなりません。リュックを車に投げるように入れ登山靴のまま近くの駐車エリアに向かいます。
そこは小さな滝もあり日蔭がありました。
温泉に行く元気も残っていません。
滝の水は冷たくて1分も浸かっておることができません。

幸い10リットルタンクに入れてきた水はぬるま湯になっており 体を洗うのにうってつけです。
服を着たまま簡易シャワーの様に頭からかぶりました。身体を洗い服を、着替えて少し暑さから逃れることができました。

やっと元気の出たところで勝原スキー場の駐車場にあった看板に従い「結楽座」に向かいます。
アンケート用紙に書き込めば百名山バッジをプレゼントしてくれるのです(ラッキー!)。

結楽座に立ち寄って荒島岳の登山記念バッジを頂きました…カキ氷を食べて…古い映画ポスターを見て…
百名山バッジをもらいかき氷で身体を冷やし、スイカをみやげに買い帰途につきました。夏場の山は沢登山行か3000m以上の山に限ります!

美智子姫:記0000