「富士見平小屋が台風17号の被害を受けて…大変だ!」
グランドから聞こえてくる運動会の練習の声も消え、雨で順延になりながらも運動会も無事済みました。それぞれの子供たちが1年の成長と頑張った姿を保護者に見せてくれました。ヒマラヤ行の準備も着々と進む中、富士見平小屋のあるじ様より「登山道が台風の影響で大木が折れて封鎖された」との情報を聞きつけ「それは大変!」とスケジュールを調整し、駈けつけることにしました。時を同じくして横須賀のお祭り野郎達も休暇が取れたので金峰山に登るんだとのメールをもらい、では山小屋で合流できると推測し(きっと金峰山には登らないぜぇ)同じ日に出発することにしました。お祭り野郎達には大阪組が来ていることは内緒にしておいて驚かせようと企み、あるじにもその旨お願いしておきました。「また富士見平小屋に行ってたの?あんたも好きねぇ!」きっとそう言われると思いますが、そうなんです「好きなんです」
●第1日目 10月7日(日曜日) 移動日
10月7日。午前6時大阪を出発しました。
早朝という事もあり、車はスムーズな流れをしています。途中でトイレ休憩と運転交代を繰り返しながら中央道長坂インター出口を出ました。見覚えのある懐かしい風景です。それもそのはず9月13日から18日まで富士見平小屋に出かけていたのですから、まだ1ケ月が経過していないのです。インター近くのJマートで必要備品を買い求め、富士見平を目指します。いつもはインターを出ると、増富温泉経由で行くのですが今回は「みずがきそば」を食べると言う目的で黒森経由で瑞牆山駐車場に入ることにしました。
「みずがきそば」は、山の中の一軒家なのですが、ほぼ満席状態です。なにわナンバーの我々の車を見て「わざわざ大阪から蕎麦食いに来たのか?」と言いたげな叔父さんに会釈をして駐車場に向かいました。
駐車場が近くなってくると路上駐車が目立ち始め登山客の多さを物語っています。「駐車スペースがないかも知れません」富士見平小屋のあるじが電話で心配してくれていましたが「来る人がいれば帰る人もいる、大丈夫!」と姫のあてにならない情報をもとに駐車場内に車を突っ込みました。登山靴を脱ぎ汗を拭く人を見つけ「あの車はもうすぐ帰るな」と判断しました。1台空きスペースは有ったのですがはみ出し駐車の車があって駐車不可能のためグルグルと一周していると入り口のど真ん中に、やっと1台、空きスペースを見つけました。「ラッキーやね。4日間も路上駐車は嫌やしねぇ」そう言いながら荷物をおろし身支度を整えました。今日のお土産は賄食用の「おでん・サラダ」です。
お昼すぎると瑞牆山からの下山者も多く挨拶を交わしながら登りましたが、ほとんどの人が軽装です。雨具が入っているのかどうかわからないほどの小さなリュックを背負っています。
 途中、登山道に張ったロープのたるみはないか、積み石は崩れてないかチェックをしながら富士見平小屋に到着しました。小屋の管理人夫婦に挨拶を済ませ、まずはテントを張るためテン場に向かうのですが既に20張りくらいがカラフルに張り巡らされており、私達のお気に入りの場所は先客に占領されていたため、小屋から離れた場所に2張り張り終えて寝床の確保ができました。人はみな「寒くないですか?」と心配してくれますが何の、何の!テントは人を気にせず雲上のマンション気分を味わうことができます。テント張りも短時間でサッと上手に張ることが出来るようになりました。この日は残念ながら富士山の姿を見ることはできませんでした。

台風で倒れた大きな木は横須賀のお祭り野郎たちが到着してからみんなで片づけるという事にして、一段落したら水汲み作業のお手伝いです。24ℓ、12ℓと自分の体力に合った水タンクを背負い、水場に出向いて行きます。いつも、あるじが一人で何度も水汲みをしているのを見ると大変さがよくわかります。気軽に「水を下さい」と言われることもありますが「湧水が沸々と湧いていますのでご自分でどうぞ」と宿泊者の皆様にもお願いしています。年中、枯れることのない富士見平湧水の存在を一人でも多くの人に知ってもらえたらと言う思いで水場の案内をしています。
午後になると横須賀の祭り野郎が長い材木を背負って到着しました。さぞかし驚くだろうと期待していたのですが「やぁ!やぁ!」と涼しげな挨拶でいかにも私達が小屋に到着しているのを知っている感じでした。不思議になって尋ねて見ると「駐車場のド真ん中に赤い車で駐車してあり、ご丁寧に姫シールが貼ってあったぜぇ」とのことバレてたんや~!
大仕事は明日からの予定にして、今日はこあるじが採って来たシメジクリタケなど、きのこの掃除です。これがなんと大変な大仕事。手は冷たいし、手は荒れてくるしもうタイヘン。こんなに大変だったら町できのこを仕入れてくれば楽チンだし簡単。ブツブツ言いながらやってると後からこあるじが
「買ってきた栽培きのこなんかお客様に出せないわよ。やっぱり天然物にはかなわないわよ」
「合点承知。がんばりまーす。だからここのきのこうどんは美味しいんや」。 
 きのこ採りの練習中…毒キノコばっか 掃除は楽しくやろうぜ 
 今夜はきのこ汁 食べ放題だぜぇ 若きスタッフ…左が なおちゃん 右が さいちゃん
この日は7人の食事つき宿泊者と3人の素泊まり者が奥のテーブルで夕食中。見るからにとても美味しそう。、われわれスタッフ組も100g2000円もする鹿肉のステーキや天然キノコ汁、それに加えてみっちゃんおでんとみっちゃんサラダ。
メンバーは、なおちゃん&さいちゃんの女性組、ウッチー&YOH組、姫・ポチ・JON組、あるじ&こあるじを入れて9人で賑やかな夕餉となりました。
みなさん「うまい」「おいしい」の連発です。あまり旨い旨いを連発すると隣のお客様の豪華な夕食が質素に感じるぜぇ
酒はすすむし、ビールはすすむし、ワインの一升瓶は瞬く間に空になるし、それでは足りず、750mlのワインが2本空。飲んだなあ。

消灯時間午後8時30分ギリギリまで山談義は弾み、私達はテントの中へ、お祭り野郎たちは小屋の中へとそれぞれが分かれて就寝することとなりました。空は満天の星です。明日の天気が約束されました。
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●第2日目 10月8日(月曜日) 外気温度4度
10月8日。朝食はジョン特製のお粥です。ちょっと粗食と思いきや、体を温めるにはお粥は最高。ジョンの見積もりミスで少々少なめ。
朝食の後は手際よく仕事に取り掛かります。まずは西陽がワインや瓶詰めきのこに当たるといけないのでブラインド吊りからスタートです。
 まかしておきな…朝飯前だぜぇ YOHちゃん…朝飯はすんだぜぇ あれこれ言ってるうちに完成だぜぇ 
「布団収納棚がほしい」という、あるじの要望を受けて横須賀から既に寸法切りを終えた材木が手際よく組み立て始まりました。
「ベニヤ板が足りないなぁ」と言うことになり、食材の買い出しに行くと言うあるじに付いてみんなで下山することにしました。紅葉シーズンを控えてビールやジュースなどの荷揚げも人界作戦で行けばアッと言う間に荷揚げが済んでしまいます。横須賀の祭り野郎たちは若さに任せて缶ビール3ケースはへっちゃらです。
「とにかく買出しに行こう…登山者が下りてくる前には戻ろう 」「了解」
林道を走り始めて間もなく停車。「きのこを見ていこう」…オイオイ急ぐのではないの?
 買い物をして帰路「荷揚げは大変だぜぇ  YOHさん…うしろで炭坑節かょぅ  よぉッ自分の飲み物は軽いもんだろ…
 
この日の12時過ぎ、なおちゃんとさいちゃんは可愛い笑顔を残して山を下りていきました。明日から仕事に復帰です。
小屋にいる間、こあるじさんを助け、掃除、調理、配膳、洗い物と傍で見ていて小気味良いくらいよく働いてくださいました。 
荷揚げを終え、昼食を済ませると、いよいよ布団の棚つくりに取り掛かりました。既にサイズ毎に切断できていますので作業も早くテキパキと進んで行きます。「布団棚と言うより2段ベットになりそうだね」とか「布団を乗せると棚が落っこちるかも知れない」などと笑い声の絶えない作業が続き、りっぱな布団棚が出来、あとはカーテンを吊るすと完成です。
ウッチー&YOU組は布団棚造りです ポッチーはトイレの利用協力金集めです 姫はきのこの掃除です
この忙しいときにJONは何をしてるんやー、何処にいるんやー…オイラ目下カメラマンだぜぇ
外は午後5時を過ぎると薄暗くなってきています。「夏と違い夕暮れが早いなぁ。もう瑞牆山には誰もいないだろう」と言いながら楽しい夕餉がすすみました。
今日は小屋のお客様は2人。
「こんなに話し声が大きいと怒られないかなあ」
そんな気も無いのにちょっと言ってみる。
昨晩と同様酒の量はすすんでいく。
 山小屋の未来について熱く語り合いました  
 この日の夕暮れの富士はとても綺麗だった
 そしてこの日の夜…暗闇の中の訪問者
「すみません電池ありませんか?」と男性が小屋のドアを叩きました。時計を見ると午後6時30分は過ぎています。後ろにも人影がするため「とにかく中に入りなさい」と、あるじがドアの外の人に声を掛けました。途端に男の子が大声をあげて泣き出しました。「おうちに帰りたいよぉ~!」両親と5年生の女の子、4歳の男の子の家族4人連れです。警察には届けませんが、これはもう遭難です。日暮れが5時半ごろですから真っ暗な中を一時間以上歩いてきたことになります。

聞くと「朝9時に登りはじめ瑞牆山頂を踏んだが、下りが思った様に進まず暗くなりかけてヘッドライト2台のうち1台は電池切れを起こし、親子4人1台の電池でなんとか下山し、小屋の明かりが見えてホッとしました。」とヘナヘナと崩れるように椅子に座りこむ父親の姿を見て色々言いたいことは山ほどあるけれど、とにかく無事で良かったとみんなで喜び合いました。4歳の男の子は母親の胸の中で「おうちに帰りたいよ~!」と言いながら泣きじゃくっています。よほど暗闇の中がこわかったのでしょう。5年生の女の子が学校があるため下山をしたいと話していましたが1台のヘッドライトで岩場ゴロゴロの道を下山するのは危険だと諭し、とにかく翌朝早くに下山すれば学校にも間に合うしと言うことで安全を優先し宿泊してもらうことにしました。

両親は「持ち合わせのお金が無いし・・・」と心配をしていましたが
小屋のあるじは「あなた達は遭難者です。私は遭難者からお金は貰わないから心配しなくていい。まずは温かい食べ物を作ってあげるから」と子供の好きそうなチャーハンと温かいキノコ汁を振る舞うと男の子にやっと笑顔が戻りました。食べ終わるとまた家に帰りたいと泣き始めましたが親はどうしてなだめていいのやらでオロオロするばかりでした。そこで姫婆の登場です!
「ぼく~!あのね、暗いと熊さんがお腹をすかせて出てくるよ。まず柔らかくて美味しいボクを食べて、次はお姉ちゃん、次はパパだけど硬くてまずいから次はママが食べられちゃうよ。明るくなると熊はお山に逃げて帰るから安心しておうちに帰ることができるよ」と言うと、やっと諦めたのか母親の胸にうずくまって静かになりました。
その夜はおかみさんが用意してくれた布団で朝までぐっすり眠った様子でしたが、他の宿泊客によると「夜中も時々うなされて泣いていた」そうです。よほど暗闇の中の山行が怖かったのでしょう。
降雨、電池切などで更に悪い事態が発生します。
「此処に、この有人小屋が有って本当に良かったです。助かりました」と語っておられた ご夫妻の姿が印象的でした。
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●第3日目 10月9日(火曜日) 外気温度3度
10月9日。午前6時前の夜明けを待って、下山していく子供の声がしました。
姫がテントから顔を出して見ると親子4人が下山をする様子です。姫が寝起きのまんま登山道に走り寄り「おはよう!明るくなってよかったね!」「あっ昨日 熊の話をしたおばちゃん!」4歳の男の子が私を見てそう言いました。「熊に食べられずによかったね。またおいでよ!今度はここまで来てテントを張ってここで遊ぼうね」と声をかけ頭を撫で撫でしておきました。私の孫と同じくらいの子の恐怖体験がトラウマにならなければいいのにと思ったりしました。両親には下山時間の把握が甘かった事、ヘッドライトは1人1個、小屋には子供用のヘルメットやスワミベルトなどの無料貸し出しがあること、山が嫌いにならないようにこれからの山行を楽しいと思わせる工夫がいることなどを話して見送りました。
大きなお節介は荷物になりません。遭難者であることの自覚がいるのです。
朝食を済ませマダムの案内で1時間だけキノコ狩りをしてから作業に取り掛かることにしました。今日の作業は倒木処理と杭打ち、テン場のロープ張りです。キノコは名前もわからず「見つけると採る」を繰り返しマダムに見てもらうのですが「ダメ!これは毒よ!」とあっさり言われてガクッとするのですが見つけるのが楽しくてアッと言う間に1時間が経過してしまいました。
 頑張ってきのこ採りに行こうぜぇ…後の掃除が大変だからほどほどに採れよ
朝の林の中は神秘的です
 
きのこの収穫も多く…満足満足  掃除が大変だぜぇ
平日とあって登山者もまばらです。今の間に、登山道を塞いでいる倒木をテント場の柵に再利用すべく木々を片づけていきます。
作業が終わるか終らないかのタイミングを見計らって姫現場監督が「さあ!これが済んだら次は杭打ちをしようか~」と号令をかけた途端、「昼前に瑞牆山頂上付近で怪我人が出て、どうも腕を脱臼か骨折している様子だ」との一報が入りました。杭打ちを中断し、ただちに「富士見平小屋レスキュー隊」を結成し、ジョン、あるじ、ウッチー、YOHさんの4人はレスキュー道具をリュックに詰め込み瑞牆山へと向かいました。
富士見平小屋救助隊出動 
先立ちはあるじ、左サイドはYOHさん、右サイドはウッチー、ラストのザイル確保はJONです。
瑞牆山は急なため降ろすのも一苦労です 小屋に戻って事情聴取です
姫たちは小屋に待機です。4人が出発してから30分ほどして北杜警察署の駐在さんが登ってきました。駐車場近くにある山荘からの通報を受けたらしいのですが一人で救助に向かっても何の役にも立たないこと、既に小屋から4名が向かっているので小屋で待機をするように話をしました。駐在さんに快く納得してもらい、待つこと3時間、瑞牆山からの下山者に様子を聞くと「いま天鳥川あたりで出合いました」つぎの登山者に聞くと「天鳥川の上りの道にいました」と正確な情報を得ることができました。その情報を的確に駐在さんに伝達し、レスキュー隊の帰りを待ちました。
樹木の合間からヘルメットがチラチラと見え始め「おかえり~!ごくろうさん!」と大声を張り上げました。おもわず駆け寄り「良かったね」と言うべきだとは思うのですが、怪我人の靴を見て「目がテン」になりました。履き古したスニーカーだったのです。

思わず「エーッ!おっちゃん!そんな靴で瑞牆山に登ったんかいなぁ!日本百名山・瑞牆山をなめたらあかんぜょ!」怪我人にムチ打つようですがみるからにトボトボとした年寄で今後また同じことがあってはなりません。ここは自分の父親だったらと言う思いで、愛情を持って叱っておかなければならないと思いました。脱臼にしては痛みもなさそうですし(脱臼だと失神寸前の痛みがあるはずです。脱臼経験者が言うのですから間違いありません。・・笑)打撲かヒビくらいで済んでるのでしないでしょうか。サラシ1本を巻きガーゼでクッションを作り、三角巾で腕を吊上げた手当は完璧です。

ここから駐在さんの事情調書が長々と始まります。聞き耳を立てていると「登山歴50年(??)、昭和17年生まれの単独行」らしいです。ほんまかいなと疑いたくなりましたが自己申告ですから・・・。ここからは3人のレスキュー隊員と駐在さんに付き添われ林道に停めてあるパトカーに乗り、駐車場で待機している救急車に乗り病院に搬送されることになります。しばらくすると救急車のサイレンの音が聞こえてきましたので駐車場での待機は万全の様でした。帰り際に「おじさん、登山者のひとりとして言っておきたいことがあります。その歳での単独行はもうやめた方がいい。続けるならば登山靴もきちんと履き、家族の人と一緒に登って下さい。今日使った貴重な救急用品は小屋の善意の救急用品です。この医薬品がなければ、おじさんはもっと痛くてつらい思いをして下山しなければならなかったはず。元気になったら感謝の気持ちとして小屋に今日使った医薬品を寄付してあげて下さい。ハイ住所はここですよ」と小屋の住所を伝えました。お節介は荷物になりません。ハイ。
 重いぜぇ 楽勝だぜぇ   運搬は任せておきなよ
 フットワークが軽いぜ  老骨に鞭打つあるじ  現場監督の姫
怪我人をパトカーにバトンタツチした3人のレスキュー隊員たちは遅めの昼食を取り、緊張から解き放たれたのでしょうヘロヘロで座り込んでいます。しばらく様子を伺っていた姫現場監督が「少し休憩したら続きの作業に移りましょうか?それとも明日にしますか?」と言っても明日は下山日なのです。この日しか作業時間は残されていないのです。「さぁ続きをやろうか!」とyohさんが立ち上がりました。他のメンバーも続いて立ち上がり杭打ちとロープ張りの作業に取り掛かりました。レスキュー隊が瑞牆山に救助に出かけている間に、布団棚には、布団が収納されスッキリと入っています。布団の重さで棚が崩れてはいません。りっぱに機能しています。私達は最後の日はテントを撤収して小屋泊まりと決めていましたのでテントを干し荷物を小屋の中に移動しました。この日の小屋は素泊まりの人が2名だけです。最後の夕食を楽しく済ませ消灯時間まで富士見平小屋の未来について熱く熱く、真面目に語り合いました。
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●第4日目 10月10日(水曜日) 外気温度1度 帰阪日
10月10日。今朝の朝陽に浮かぶ霊峰富士は見る者に感嘆の声を上げさせます。
この日は下山予定日です。もう帰らなきゃあいけないのですか。

朝食を済ませて「さぁウオーミングアップに壊れた椅子の修繕をしよう」の掛け声
「おいおい!帰る直前まで働くのかよ~!」と助っ人の面々。
人使いの荒い姫現場監督ですこと!。
しかし、誰も嫌な顔ひとつせずに大工道具を出し壊れた椅子に補強材をいれ、頑丈な椅子が修理できました。疲れて瑞牆山から戻った登山者の憩いの椅子として今後も役立つことでしょう。
「ここが終わったら伐採の続きをやろうか。それが終わったら昨日の続きの杭打ちとロープ張り」
「おいおい仕事が増えてるぜぇ」
ホームユースの鋸じゃぁ木を切る前に息が切れるぜぇ  楽しさの中に笑いがある、笑いがあるから何でも出来る
20年前の チェーンソーを修理してみるか…やっぱあかん 手で切ろう
どうにか片付いてきました 少しづつの積み重ねが大切ですね
前日にやり残した杭打ちとロープ張りに取り掛るのですが、その前に枯れた大木が今にも倒れそうに2本立っています。ノコギリで何人もかかって、やっと枯れ木を倒すことができました。杭うちをする者、ロープを張り巡らす者、テン場内のゴミを回収する者、テン場を整備する者と、残された時間があまりないため作業を分担し精力的に動き、何とか形になってきました。「お茶にしましょうか」マダムの声に、今回の活動終了のゴングが鳴った気がしました。管理人さん達も下山予定という事で一緒に帰ることにしました。
帰る前に、トイレの代金箱の回収に付いて行きました。久しぶりに開けた箱の中には100円玉、50円玉、10円玉、5円玉、1円玉が入っています。1円玉を見た時には「話には聞いていたけど本当に1円玉を入れて行く人がいるんだ」と悲しくて身体から力が抜けて行く気がしました。大きな立て看板を出して登山者の良心に訴えるしかありません。公共施設と違い、個人で経営している富士見平小屋は、汲み取り費用に何十万円とかかるそうです。その一部協力金として利用者の皆さんに協力をお願いしているのです。 
次第に投函されている金額が増えつつあります。登山者の皆様にご理解頂けつつあるようです。今後ともよろしくお願いします。
1円玉の重い心を引きずりながら横須賀の祭り野郎たちとの楽しい4日間の「小屋修繕活動」を終え、増富温泉で汗を流し、午後10時過ぎに大阪へ戻ってきました。

ヒマラヤ登山を目前にして心は焦りましたが、だからこそこの癒しの時間が必要なのだと強く感じた今回の放浪の旅でした。
富士見平小屋の周辺は間もなく秋真っ盛りを迎えます
 富士見平小屋 助っ人軍団  楽しいですよ  今度公募しますから体験してみてください。
 
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