アルプストレーニング その2 地獄谷遡行・行動食・荷造り講習を終え、いよいよ本番待ちだぜぇ〜
芦屋川駅〜地獄谷〜風吹岩〜高座谷〜第一堰堤(ミーティング)〜滝ノ茶屋〜芦屋川駅
前夜おそくに秩父の山から戻り、合羽も乾く間もなくベランダで恨めしそうに吊るされています。今日は夏山トレーニングに出かける日です。阪急芦屋川駅午前9時集合です。駅横の広場は大勢のハイカー達で埋まり、リュックを置く場所も見つからないほどでした。天気は晴れ。蝉の声も騒がしく今日も暑くなりそうです。オリオンさんの姿が見えました。ヘルメットを購入したそうで披露してくれました。軽くて風穴も沢山あいていて涼し気です。地獄谷遡行はやはりヘルメットが必要ですね。
 
今回のトレーニングの目的は、体力トレーニングだけではなく、リュックの荷詰めの仕方、行動食の種類などのミーティングが主たる目的のため、最初の予定の風吹岩まで行かずに地獄谷から第一鉄塔に上がったら中央稜を下り第一堰堤まで下りて昼食の後にミーティングをすると言う行程に変更しました。同じ山を目指す者同士、意思の疎通も大事なのです。地獄谷の水量はまあまあと言ったところでしょうか。トラ吉衛門さんのダーリンが地獄谷入り口の岩場で落下した経験がありトラウマを払拭するためにジョンが手取り足取り指導しながら奥に進んで行きます。他のメンバーは何度も通過しているため自信過剰になることなく小さな滝登りや岩をよじ登りながら夏とは思えない涼しいコースを楽しみました。10人程の若者が後ろからやってきたため先を譲り下から見ているとみんなスニーカーに小さなリュックを背負い水で濡れた岩場をズルズルと滑りながらやっとのことで登って行きました。リーダーらしき人は最初に登り、上から眺めているだけで、あのまま滑って怪我をしても不思議ではない団体でした。
 トラ吉ダーリンもだんだんトラウマから解放されスムーズに滝を登っている様子です。通称サメ岩で休憩となりました。ガイドに連れられた人もいたり、地獄谷はなかなか人気の様です。小便小僧の滝からA懸尾根に出てA懸岩でクライミング中の青年に出会いました。「しばらく見学させてもらいます」と言いながら休憩の後、第一鉄塔目指して急登をよじ登りました。第一鉄塔は涼しげな風が吹いていてここでしばし休憩です。
本番さながらの下降練習です
第一堰堤への下りは、登って行く人達と道を譲り合いながら下って行きました。まずは第一堰堤で昼食です。「今日はイノシシはいないね」そう言いながら安心して弁当を広げました。話はアルプスの話で盛り上がっていたその時です。母親イノシシとウリ坊2匹がひょっこり現れ、少し離れたところで食事をしていた女性2人に突進しました。レジャーシートを口でくわえ逃げようとしているところを、オリオンさんが取り返しに追っかけました。弁当を広げたものの、あわてて片づけて堰堤の上に並べました。この上まではやってこないでしょう。何せ、イノシシの居住区に人間が足を踏み入れているのですから、追っ払ったりせず人間が撤退すればまぁるく収まる話です。
「食事が済みましたので、まずは行動食の種類について見てもらいます」とランチボックスに入れていた行動食を出して説明しました。リンゴ、みかんなどの生の果実は重いけれど喉越しが良いこと、皮を剥くと日持ちがしないこと、甘い物だけでなく塩気の効いた豆類やカロリーメイト、ポカリの粉末、腐敗を避けてアンコやジャムなどの入ってないパンなどを披露しました。参加者6名のはずなのに8人います。アレッと思ってみると、近くで食事をしていた伯母と姪の2人が聞き入っていました。「へぇ〜へぇ〜知らなかった」を連発していました。次は荷作りの説明です。必要な物を小さな袋に分けてリュックに収納すれば型崩れせず小屋で荷物が散在しなくて済むということや、万が一体力低下で他の人に荷物を預ける場合、袋に入っている方が分担しやすいことなどを説明しました。簡易担架にジョンを乗せ、ヘリコプター到着場所まで運ぶ訓練もしました。私達は再確認でしたが、伯母と姪の2人組は「へぇ〜へぇ〜知らなかった」を、またまた連発していました。お二人さん!いいところで出合いましたね。
 
 
実りのある講習を終え、滝の茶屋でかき氷を食べようと言うことになりかき氷を注文するのですがトラ吉衛門夫婦は間髪入れずに「ビール!」とかき氷には目もくれませんでした。(笑)茶屋をでたら何と雨が降っているではありませんか!山行中でなくてよかったです。素早く傘をさす者、合羽を着る者と雨対策をし、下り坂は小川の様に雨が流れていました。芦屋川のマンホールは恐ろしい勢いで排水溝から濁った水が流れており雨の恐ろしさを体感しました。雨具はつけているものの、ずぶ濡れ状態で阪急芦屋川駅に到着し解散となりました。突然の雨で皆様から感想をお聞きすることができず残念でした。夏山は午後になると毎日のように雷雨があると考えておかなければなりません。いかに雨具を早く着れるか練習ができてよかったと思います。