六甲はクライミング発祥の地…アルパインのトレーニングには最適
前半…ホワイトフェース・地獄谷・A懸尾根・A懸垂岩・C懸尾根・B懸垂岩跡・ピラーロック・十字路・高座谷大堰堤
後半…奥高座ノ滝・キャッスルウオール・ブラックフェイス・岩梯子・岩梯子東・道畦尾根・中央稜 0000000000.000
藤木九三のレリーフのある高座ノ滝から取り付いてすぐのところを左の谷に下りたところからこのルートは始まります。
地獄谷に架かる小さな滝をいくつか越えてから左側の尾根に踏み込んでいくとホワイトフェイスの基部に到着。
見上げると怖いくらいの垂直壁です。
かつてはこの隣にあるゲートロックがスタート地点だったのですが、現在崩落が進んでいるため、今は使っておらず、ここからが「ももんがルート」の始まりです。
ここでは20mほどの登攀と同じ距離を懸垂下降します。
ここでハーネスを装着、登山靴をクライミングシューズに履き替えて、それぞれの登攀用具を身に着けて、準備完了。お互いパートナーネックを終えてから登攀を開始します。リードはJON、セカンドは姫、ラストはジャムジャム君の順です。
ビレイ中のジャムジャム君 JON JON セカンドの姫
3人登ったら、松の木を支点にすぐに 下降を開始します。
JON&姫組は10.5mm×30mのロープを一本ずつ持ち、下降はロープをつないで懸垂下降しますが、今回は50mロープを使っているため松の木に架けて支点にします。ホワイトフェイスの上部から全員下降したら、、ロープの片方を引いて回収し、流し込みでトートバックに収納。ロープを10mほど残してしてからトートバックをザックの中に入れます。残した10mのロープのザック側をジャムジャム君がエイトノットで環付きカラビナを介してビレイループにセット。姫がダブルフィギアエイトノットでタイインループにセットしてアンザイレンで繋がります。
もし途中でロープが足りない場所が出てきたら、ザックから引き出すことによって必要なだけ使うことができます。
再び登山靴に履き替え地獄谷をA懸垂尾根へと向かいます。
 小滝の通過  リードは上で必ずビレイ  セットを確認して登ります  難しいところを練習します
       
着いたらビレイを確認  ロープは濡らさないように 腰がらみ肩がらみは必ずビレイループにセットした環付きカラビナを通す 
普段は通らないようなザレタ岩やリッジなどを積極的に練習する 
 ローポジション   ビレイループにデバイスをセット。
 ハイポジション   ビレイループに120cmスリングをガースヒッチでタイイン、60cmくらいのところにオーバーハンドノットで結び目をつくり、環付きカラビナにデバイスをセットする。
懸垂下降時、セカンド、ラストはバックアップはとらなくてもよい、下にいるものがロープを持って緊急時に備える
ロープはすばやく流し込みでトートバックに入れる。周りに木の枝や岩場にピンが無いときは、ヘルメットのアゴ紐にカラビナを架けてそれでロープを折り返すと流し込みが楽にできる。
トートバックをザックの中に入れ、10mほど残して再びジャムジャム君がエイトノットで環付きカラビナを介してビレイループにセット。姫がエイトノットでタイインループにセットしてアンザイレンで繋がります。

現場でのロープの出し入れは素早くできるように訓練しておかないと、ロープを使うのがおっくうになり、ロープを出すのが邪魔くさいので「こんなところではロープはいらんやろう」という発言が出てくる。
万が一ミスった時には怪我ではすまない…そう感じたときは積極的にロープを使うことが大切です。
「これくらい大丈夫」で発生した事故は数多くあります。
A懸垂岩の下降が終わると続いてC懸尾根に入ります。細いルンゼの登攀をこなしてC懸尾根に取り付きザレ場を登っていきます。大きな岩を巻くようにして登り尾根上にでます。この尾根を通すと山抜けしたような落ち込んだ場所に出ます。

この落ち込んだ場所は肩がらみでトップを下ろしてから、ラストはロープを木立にかけながらクライムダウンしていきます。ここが終わると鬱蒼とした谷筋を少し歩きB懸垂跡のスラブを登り最高部に到着します。
ここから松の木にロープをセットして懸垂下降します。僅かな距離ですがロープがなくては下りられません。
ピラーロック跡に出れば「ももんがルート」の前半は終わったようなものです。ここでアンザイレンを解き中央稜線の十字路を越え高座谷の大堰堤まで下れば終了です。次回は高座谷を大堰堤まで登ってきて、ここから後半が始まります。
  みんなの感想
 ジャムジャムくん 芦屋ロックガーデンに、誰が名づけたかは解りませんが「モモンガルート」というコースがあります。
高座の滝から地獄谷に入ります、ゲートロック(現在崩壊で立入禁止)からホワイトフェースを登下降し、A懸垂岩に向かいます、尾根から懸垂滑降しC懸垂岩跡へ、ザイルで確保しながらB懸垂岩跡へと行きます、ピラーロックを通り中央尾根コースと交わる十字路に出ます。ここまでが前半部、後半部はキャッスルウォールを登下降し奥高座滝へ、ブラックフェイスを登下降し荒地山ハイキングコースにある岩梯子に向かいます、そして東尾根から下降します。
前半後半を一日で回るコースは目一杯です。
今回は前半部で終了、次回は残りの後半部を目指します。
モモンガコースとはモモンガが華麗にポイントポイントと飛んで進んでいく様子をなぞらえたものです、このコースの特徴にぴったりです。
でもモモンガは結構鈍くさく、滑空は上手くない動物のようですね。
 JON 日本の山を安全に登るために組み立てたももんがルート。もう7年くらい取り組んでいますが昨年5月、胃潰瘍を患ってからこの一年間、前半部、後半部を通しでトレーニングしたことはありませんでした。今年は前半部だけやったり、後半部だけやったり。分けてやっていましたが、今回はバテバテ。年かなあ。病気が完治していないのかなあ。C懸尾根あたりで足が上がりません。だいぶん体力が低下したみたい。
体力負けはなかなか補えませんので、知識と技術で攻めたいと思います。
 ひ め ジャムジャム君がロープワークのための岩めぐりをしたいという事で私もつれて行ってもらう事にしました。ジャムジャム君は将来、ツアーに参加する一般登山者を、いかに安全に歩くことができるのか、危険な時は素早くザイルを出して確保し参加者を安全に導くための確認のための岩登りと言ったところでしょうか。

午前8時30分阪急電車芦屋川で合流しウォーミングアップをしながら滝の茶屋までいつものコースを歩きました。地獄谷に降りてヘルメットを着帽しホワイトフェイスを登攀下降しました。ジャムジャム君は、その都度ポイントをジョンに聞き、確認をされていました。その後はザイルを結んだまま地獄谷を通過しA懸岩で下降から始めました。A懸岩の頂上から支点個所に降りるには少し勇気が要ります。勢い余ったら真っ逆さまにしたに落ちてしまいます。立木を利用してビレイをし、安全対策を取ながらA懸岩は懸垂下降のみで終了しました。

ここで休憩を取りA懸岩から少し下りたらC懸尾根に抜ける道を進んでいきました。この道はあまり踏み跡がなく蜘蛛の巣が張ってありトップを歩くと顔に蜘蛛の巣がかってしまうので、木の枝で払いながらC懸垂岩へ到着しました。「先に行って上でビレイしてくれ」とジョンに言われ、一番下っ端である姫が急斜面を登り松の木の枝を利用し上からGIGIでビレイを始めました「どうぞ〜」順調に登攀終了です。ロープに関する疑問点はその都度質問し、別の方法がある時はその説明をしたりで思わぬ時間が経過していきました。ブラックフェイス、キャッスルウオール、岩梯子も廻る予定でしたが「前半」「後半」と分けることにし中身の濃いトレーニングをすることにしました。C懸尾根からは少し手ごわい空中懸垂が待っていました。

ここでアンザイレンを解除しピラーロックを通り中央尾根コースと交わる十字路に出ます。あとは登山道を下るだけとなりました。いつもは行き交う登山者の多さにびっくりするのですが平日とあって静かな登山道でした。

0 美智子姫:記0000