●寝釈迦様見たで〜!歩いたで〜!あかとんぼの町は人の温もりがあったで〜!
JR大阪駅から新快速播州赤穂行7:45分発の東海道本線・山陽本線に乗り8:48分姫路駅で姫新線に乗り換え9:26東觜崎駅(ひがしはしざきえき)に到着しました。辰年にちなんで本日は「新龍アルプス」登山です。龍野市にある亀山(きのやま)から的場山さらに鶏籠山へと続く縦走登山です。新龍アルプスのコースには含まれていませんが屏風岩から見る「寝釈迦」を見るために鶴觜山へも登ることにしました。屏風岩から新龍アルプスを眺めるとお釈迦様が寝ているようにみえる事から名づけられたそうです。「亀」や「鶴」の山名も縁起が良く新春山行にぴったり!です。「寝釈迦」の足から頭へ縦走し赤とんぼの里に下りるコースです。
タイムスケジュール
09:43  JR東觜崎駅
09:51  觜崎橋東詰登山口
10:23  屏風岩上部
10:45  タイコ岩
10:59  鶴嘴山
11:50  觜崎橋東詰登山口
12:20  馬立て登山口
13:42  祇園岳分岐尾根
14:25  亀 山
15:52  的場山
16:46  鶏籠山
17:13  竜野城
17:38  JR本竜野駅
東觜崎駅前の小さな広場を利用してトイレやストレッチなどの出発準備をしました。トイレの最後は姫なのですが、なかなか出てこず中から大声が聞こえました。そばにいたオリオンさんが近づくと「鍵が開かない!」と、わめいていました。ジョンに助けを求めガチャガチャと何度も繰り返しているとやっと開きました。出てくるなり姫が「雪隠詰めや〜!」雪隠詰めとは逃げ場のない所へ追い詰めることで将棋でよく使われる言葉ですがとっさにこの言葉が何故出たのか本人もよくわかりませんが恐怖感だけは理解できました。(もう少しで非常ベルを押すところでした。要改善!)
午前9時43分駅前を出発し橋のたもとの信号角に「屏風岩と寝釈迦」について新宮町の立てた解説板がありました。「汗をかかない方法でゆっくり登山」を心がけてさぁ!出発です!
下調べをしていたので迷わず神社の鳥居をくぐって、墓地横を通り視界の開けた場所に出ると揖保川が美しい曲線を描き静かに流れており龍野の街並みと田園風景がうまく溶け込み町全体が上品なたたづまいを見せてくれました。鳥居をくぐってから30分ほどで、「天然記念物屏風岩」と書いた標柱に到着しました。りっぱなテーブルと椅子が設けられており龍野の人達の憩いの場となっている様子です。先客の町人が私達にテーブルを譲って下さり、せっかくなのでここで休憩としました。屏風岩中腹から振り返ると、みごとな新龍アルプスの寝釈迦の稜線がひろがっているではありませんか。頭は「鶏籠山」、胸は「的場山」、腹は「佐野山」か〜!なるほど!絶景です!。雪が降っていたら、はっきりと見えなかったと思いますが今日は積雪も無く、くっきりとその姿を見ることができました。寝釈迦を堪能した後は屏風岩の山頂を踏み、鶴觜山の頂上を踏むことにしました。ここで下調べをした私の誤算が生じたのです。資料によると10分ほどで山頂とありましたので、これから行く新龍アルプスの長い行程を考えると少し楽をしようと「リュックのデポ」を提案しました。空身になりルンルン気分で、なるほど屏風岩の頂上へは10分で到着しましたが鶴觜山までは往復1時間もかかってしまいました。しかし後の祭りです。途中で雨でも降ったら大変です。私の判断ミスでみなさんに不安な思いをさせてしまいました(ごめんなさい)
屏風岩の最上部です
タイコ岩です 鶴嘴山の山頂
リュックをデポしておいた屏風岩中腹に戻り水分補給と行動食をとり再び觜崎橋東詰めへ戻りました。揖保川に架かる觜崎橋を渡り、国道724号をひたすら歩き栗栖川にかかる馬立橋を渡り、まもなく馬立の町に入りました。馬立の町には大きな白馬の銅像がありわかりやすく、左山手方向にアーチ型をした登山道入り口を見つけました。国道724号から登山口まで予想では50分かかるのですが我々は平地になると快適で、わずか30分で馬立登山口に到着しました。予定時間より早かったのは国道歩きの時だけでした(笑)

登山口には姥塚古墳のいわれが書いてあり、新宮町馬立の山裾に22基の馬立古墳群があり、その代表となるのは径18mの円墳であるという事、墳丘は2段築成で、横穴式石室は正方形の玄室(げんしつ)を持ち、天井部はドーム形に石を積む特徴があります。こうした石室は朝鮮半島に類例があり、被葬者は渡来系集団との関係が考えられると資料に書いていました。
馬立登山口の派手なアーチ看板の下で記念写真を撮り、いよいよ登山開始です。「山神社」の境内横の広いりっぱな登山道は古墳見学の道にもなっており古墳の位置の番号案内を見ながら、ときおり古墳を覗き込みながら、既に午後1時になろうとしていることから展望の良い場所でお弁当タイムとしました。
山神社 姥塚古墳 登山道には雪が残っていました
亀岩
南無阿弥陀仏と刻んである かえる岩の上で
結構きつくて険しい登りを登りつめると「稜線3差路縦走路」の案内道標に到着です。蛙岩の看板を見つけ全員で蛙岩背中の上で記念撮影を済ませました。驚いたことにこんな山中に新しく設置されたりっぱなトイレもありました。ここから亀池に行くコースもありますが我々は亀山コースを行くことにしました。縦走路は広くとても歩きやすいです。亀の形をした「亀岩」を横目で見ながら、木立の間からは展望が広がり、見晴らしがとてもいいです。まもなく「亀山」の458mの4等三角点に到着。デンの記撮影会もしっかり済ませました。展望の良い縦走路は、案内標柱も完備で道迷いの心配はありません。
登り返せば道の途中の「佐野山」であろう場所に到着ですが、ここだけ看板がありません。佐野山(382.7m)は寝釈迦の腹の部分にあたります。ここにはポツンと4等三角点のみがあり見落としてしまいそうでした。佐野山通過時には午後3時を過ぎており、ひょっとすると日暮れになるかも知れないと言う不安も出てきました。ヘッドライトの確認をすると全員携帯しており安堵しました。(さすが!)次なる頂上は的場山なのですがアップダウンがきつく思うように前に進むことができません。日暮れも気になることから休憩は取るものの短時間の休憩を繰り返しながら、痩せ尾根を過ぎると、的場山(394m)が見えてきました。疲れたみんなを元気づけるために「もう少しですよっ」と言うと「着いてから言うて!」って言われました(アッチャー〜!みんな疲労がピークの様です)長い長い階段道を登ってゆくと、的場山山頂に到着。「到着しましたっ!」大きな声で後列に知らせました。ここには登山ノードがあるらしいのですが確認できずでした。山頂からは播磨灘を望み、はるか淡路島まで見渡せます。三角点にもタッチ完了〜!
的場山の山頂で
「両見坂コース」の看板を確認後、鶏籠山へ急坂道を下りて行きます。
かなりの急坂道です。相当疲労もたまってきていますので足のもつれのないようにしっかりと足をあげて行こうとみんなで気合いを入れ下ります。峠の鞍部は、龍野古城について案内板がありました。最後の登りです。ここを登れば「鶏籠山」の山頂です。かつて赤松一族の城があった場所で展望はありませんがかなり広く「一ノ丸、二ノ丸」などの看板が立てかけてありました。泣いても笑ってもあとは龍野城に向けて下っていくばかりです。木立の中は日暮れを感じさせる薄暗さになってきました。すると龍野の町から午後5時を知らせるチャイムが鳴り響きました。三木露風の故郷なので「あかとんぼ」の名曲が流れてきました。チャイムに合わせてなのか二頭の鹿もねぐらの方へ走り去りました。

♪ 夕焼小焼の、赤とんぼ
負われて見たのは、いつの日か
♪ 山の畑の、桑(くわ)の実を
小籠に摘んだは、まぼろしか
♪ 十五で姐やは、嫁に行き
お里のたよりも、絶えはてた
♪ 夕焼小焼の、赤とんぼ
とまっているよ、竿の先

両膝は笑ってはいますが、鼻歌を歌う元気は残っているようです。龍野の子供たちはこのチャイムを聞きながら家路へと急ぐのでしょう。ゴールの龍野城へは午後5時を回っていました。何とか日暮れまでには下山することができました。ここでミーティングを済ませトイレも済ませ(朝の恐怖から鍵はかけずでした)、あとはクールダウンモードで龍野市内をぶらぶらと散策しながらJR本竜野駅まで帰るはずでした。
しかし、しかしなのです「17時40分の電車に間に合うかも知れない!」の一声に残っていた体力を全部使い、うすくち醤油の資料館(入館料10円?)や、如来寺などのお寺、ヒガシマル醤油の会社横などをマラソン状態で走りました。
マンホールにはかわいいトンボの絵、揖保川に掛かる旭橋にもトンボのオブジェ、醤油の自動販売機もありました。(話のネタに買いたかったなぁ〜!)街並み散策を楽しむ間もなく、必死のパッチで駅に到着したものの切符を買ったりホームへの移動などを考えると「2分しかなく無理!」と判断し次の電車を待つことにしました。寒いホームで30分ほどを過ごし、たった1車両だけのワンマンカーの姫新線もローカルでほのぼのとした旅気分を味わうことができました。JR本竜野駅発午後6時18分帰路につくことができました。
事前に「たつの市立埋蔵文化財センター様」から頂いたりっぱな「越部古道散策マップ」を皆様にお渡ししました。一度にたくさんの部数をお願いすることが出来ず数回に分けていただいた大切な資料です。まだまだ龍野の魅力がいっぱい詰まっています。今後もこの地図を活用していただきたいと思っています。
反省点
今回のリーダーとトップを姫が自ら買って出ました。下調べ(下見ではありません)した資料を頭の中にぶち込んで鳥居をくぐり墓所横から見晴らしのよい岩場に出るために、ほんのわずかの藪漕ぎをすることになりましたがこれは道間違えではありません。アスファルト道を歩かず見晴らしの良い場所に出るための道なのです。念のため。天然記念物屏風岩で寝釈迦像を堪能の後、鶴觜山までの距離を「同じ道の折り返しだからリュックをデポしてもかまいません」と私が言ったばっかりに1時間の山行中、水や行動食も持たず合羽も持たずにご案内をしてしまいました。下調べによると1時間もかかるとは思ってもみなかったんです。折り返し時に「本物のリーダー」にシュリンゲを出すように言われましたがリュックをデポしていたため持参していませんでした。私の軽率な判断で1時間の間、皆様を危険と不安にさらしてしまい申し訳ありませんでした。途中、雨でも降れば大変なことになったと思います。深くお詫び申し上げます・・・姫
みんなの感想
●靖ちゃん
最初の山の景色がとてもよかったです。鶴觜山までは近距離だと思いリュックを置いていきましたが、かなり距離がありました。馬立登山口ではお昼が過ぎていて今から登って大丈夫かなと思っていましたが暗くなる前に無事下山できてよかったです。雪も残っていて寒さも残っていましたが天気がよくて、山々の景観が素晴らしかったです。ありがとうございました。
●ベガさん
地元の人達に愛されたコースなのかなと感じました。私達が六甲山を愛して歩きたくなるのと同じですね。近くに良いコースがあるのはラッキーですね。山歩きすることは天候が大きく影響するので楽チンコースなんてないけど。私が山を歩くたびに感じている山への想いです
●オリオンさん
今日のコースは初めに鶴觜山に登りましたが、これはほんの前座で、その後の山歩きはアップダウンが、かなりありきびしいコースでした。龍野の市街地が見下ろせて素晴らしかったです。ありがとうございました。
●ポチさん
鶴觜山までは調子よく登れました。馬立登山口からの本番の山登りはアップダウンがきつく少々参りました。しかし景色は最高によかったです。思い切って遠出をするとこんなに良い山があるという事を知りました。お疲れ様でした。
●ミマッチさん
長い距離でしたが元気にあるけました。ありがとうございました。
●ひ め
屏風岩から見渡す寝釈迦像が神秘的で素敵でした。「頭は鶏籠山、胸は的場山、腹は佐野山」 と眺めておいて、それらの山々を自分の足で巡ってみると龍野の町を、ぐるり一周したかのような満足感がありました。標高こそ低山の部類に入りますが、なかなか!お釈迦様の身体の部分を歩かせてもらうのには簡単ではないことを知りました。今度は迂回した岩場を楽しむために、また屏風岩には行ってみたいです。
●ジョン
病み上がりと言おうか、病気中と言おうか、健康な状態での参加ではありませんでした。下山時間も日没ぎりぎりでしたので何か有ったら大変なところでした。コンディションが優れないときは参加するべきではないと反省しきりです。
0GPS記録&写真提供 鹿島秀元    美智子姫:記0000