Yamatabi-CLUB000
「お山を離れてのんびり散策…♪ トンネルだ鉄橋だ楽しいな〜 ♪」

 旧福知山線廃線コースは、トンネルの中は涼しいためか、夏になると決まってウオークの行事に組み込まれていました。国鉄旧福知山線は、武庫川渓谷沿いを走る単線・非電化区間であり、車窓からの眺めが非常に素晴らしい路線だったそうです。鳥取県から上阪する際に利用したジョンは大阪駅でススで真っ黒になった顔を洗った経験があるそうです。(そういえば大阪駅ホームに洗面所があったよなぁ)
1986年(昭和61年)に複線化や福知山線全線電化に伴い、7月31の上り最終列車をもって廃線となり長い歴史に幕を下ろしました。現在はJR西日本黙認のハイキングコースとなっており多くのハイカーが訪れています。
山を愛するわが倶楽部ではありますが少し趣向を変えて久々にトンネルウオークをしてみようという事になりました。オリオンさんのお友達の清水さんも初参加、久代ちゃんも久しぶりのうれしい参加です。時々平地歩きを企画するのもいいものだなぁと、とてもうれしく思いました。午前9時には参加者全員集合、西宮名塩駅から外を見ると夕方から雨だと言ってたはずなのにすでにぽつぽつと降り始めていました。雨具の用意をしながらコースの説明をしていたところ「ばぁちゃん〜」と声がするではありませんか!振り向くと息子一家が「2階建て電車に乗りたい」という和慶君の希望を叶えるために京阪電車に乗りに行くというところでした。他の皆さんは姫がくるので見送りに来たのかと思ったらしいですが全くの偶然です。ほんとに驚きました。
いつもだと「生瀬駅」から歩き始めるのですが、かなり長い距離を車道脇を歩かなければならない事と現在、工事中の道路があり危険が伴うことから西宮名塩駅からスタートしました。西宮名塩駅からバスターミナルを横切り塩瀬中学校横を通り、しばらくアスファルトの高架下の道を歩いて行くと都会とは思えない自然の残った、畑の多く含まれる木之元地区の集落にやってきました。高架の上にふと目をやると生瀬駅から歩いて来たらしいウォーカー達が右往左往しています。「いったいみなさんはどこから降りたのですか?」声は聞こえませんでしたがそう言っているように見えました。今後廃線ウオークをされる方は絶対に安全な西宮名塩駅からのスタートをお勧めします。
集落を抜けると生瀬から歩いてくる道と合流し、武庫川渓谷に出ました。見覚えのある景色は秋の色付きには少し早く、武庫川の流れも穏やかな気がします。行く手を拒むような大きな立て看板「ここはウオークのコースではありません」の前で記念撮影をしていると先ほど高架の上で右往左往していた人たちが追い付いてきました。先を譲り、距離も短いことから、ゆっくりと散策ウオークを楽しむことにしました(ジョンは速度が早かったと言うのですが…早かったど〜

北山第一トンネルの手前に鉄の扉で覆われた箇所があり、隙間から中を垣間見ることができます。ここは掘りかけのトンネルで、北山第一トンネルを抜けてすぐに武庫川沿いを少し戻った所にも掘りかけのトンネルがありました。掘りかけのトンネルがあることからも当時の工事が困難を極めたことが推測できるのではないでしょうか。バラス石を踏む音がトンネル内に反響し、水の流れる音もしてきました。側壁の隙間から水が流れ出ているのを発見することもできました。一部のトンネルの中には枕木を立てかけている個所もありました。

北山第二トンネルを過ぎると、コンクリート製の小さなトンネルがあり、ここで列詰め休憩をしながら小さなトンネルが何故あるのかを説明しました。これは滝よけのために作られたのだそうです。溝滝尾トンネルを抜けると、大きな鉄橋が、かかっています。フェンスがあり通行はできませんが、これが第二武庫川橋梁なのです。通行止めのフェンスの前で記念撮影をし、本線横の保線通路を渡りました。第二武庫川橋梁を渡るとすぐに長尾第一トンネルに入り、このトンネルを抜けると今までとは違い、武庫川の右岸を歩いているのに気づいてもらえました。第二武庫川橋梁は、その名の通り武庫川を渡る為に架けられた橋梁であり、第二武庫川橋梁を境に廃線跡は武庫川の左岸から右岸へと移っているのです。毎年と言っていいほど通過していましたが、今回の様に、ひとつひとつ説明をしたのは初めてだと思います。
(ここがわが倶楽部のエエとこでっせ〜)
長尾第一トンネルを抜けて少しいった所の山側の石積みの壁に通路があり、くぐると広場があります。ここで改修工事を行っていた朝鮮労働者が昭和4年の3月26日の朝、ダイナマイトが氷結して爆発しないため、たき火で暖めていたところ引火、突然爆発し、2名が死亡、3名が重軽傷を負ったという悲惨な事故が起こった場所であることを説明しました。
長尾第一トンネルから先は、途中に桜の園や親水広場などもあり、宝塚市によって整備されています。以前、中山寺から桜の園にむけて下山したこともありました。いつもならこのあたりが昼食の場所なのですが時間はまだ11時にもなっておらずそのまま進むことにしました。この後、長尾第二・第三トンネルと2つのトンネルを通りますが、どちらも、さほど長くなく、足元に気を付けて歩けば照明がなくても歩行可能なほどの短さで出口の光も見えていました。ほどなく廃線跡(地道)は終わりを告げ、舗装道へと変わりJR武田尾駅へと向かうことになるのですが「生ビール」の旗に誘われるように下の道を通り店の軒先を覗いてみましたが誰も何も買わず(希望の買う物がな〜い)ビールを飲むほど喉の渇きもなく、そのまま武田尾駅に向けて歩きました。実はこの舗装道も廃線跡で、現在のJR福知山線の高架の下を通り、武庫川沿いに道場へと続いているのです。
ひ め みまっち 久代ちゃん 清水さん
みのるちゃん オリオンさん じゅんちゃん ジョン
武田尾駅構内にあるテーブルを利用して昼食を食べることにしました。時間はまだ11時15分、皆さん歩き足りないといった顔をされています。しかし雨音も大きくなり今日は余裕のウオークという事でゴール!と決めました。

最初の予定では蒜山三山の予定でしたが、もしあのまま実行していたら土日ともに雨の中を登山する羽目になっていたのです。予定変更していてよかったです。
ゴールの武田尾駅のホームは、武庫川を跨ぎ、半分がトンネルの中にあるという珍しい構造になっています。
さあ!これであとは電車に乗るだけだと思ったのが大間違い!。なんと宝塚方面行の電車がストップしているようです。ホームに上がると無人駅にしては多くの乗客が、いつ来るともわからない電車をイライラしながら待っているのです。「様子を見てくるわ」姫が改札口に降りていきました。どうも人身事故がありダイヤに乱れがあるようです。丁度バスの運転手さんが一人も乗客が降りてこないことを不審に思いバス会社に問合せ中でした。「バスで宝塚に行く方法はありませんか?」「ありません」「では代替え輸送の予定もありませんか?」そう質問すると、運転手さんはバス会社に問合せをしてくれたのですが代替え輸送の予定もないらしいです。バスの運転手さんに丁寧に礼を述べホームで待つ仲間たちにその事を報告しました。「三田まで行きそこから神戸へ廻り・・・う〜ん時間かかるからこのまま待とうか」ということになりましたが一体いつ電車が走り出すのか見当もつきません。反対側のホームの快速は臨時停車をして乗客を乗せているのに宝塚方面の快速電車は停車せずに通過してしまいました。姫がまた改札口に降りて行きインターホンで三田駅の駅員さんと話を始めました。武田尾駅は無人のため様子が全然掴めないのです。
47分待ちやて!。快速を武田尾駅に止めて〜、担当駅に交渉しよう 無人駅のため三田駅に事情説明を求める。担当者名を手のひらにメモ 尼崎まで帰ってきましたが東西線は75分遅れやて! いつになったら家に帰り着くんや
責任者でてこーい。
「人身事故は理解できますが一体私達はどうすればいいのですか?いつ走り出すかわからない電車を待つしかないのですか?」
「バスなとの代替え対策はどうなっているのですか?」
「ホームには人があふれています。篠山方面行の快速は臨時停車しているのになぜ宝塚方面行は臨時停車しないのですか?」
「タクシーを利用した場合の支払いはしてくれるのですか?」

冷静に質問を繰り返し、JR職員の誠意ある対応を期待しました。福知山線脱線事故から再教育がなされているはずなのですが何とも頼りない対応に姫が切れて「とにかく快速電車を臨時停車させなさい!」そう声を荒げホームにあがり、しばらくすると12時46分にしか来ない列車の前の快速が臨時停車したのです。やればできるじゃん!
   神戸新聞より
JR神戸線立花駅で人身事故 ダイヤに乱れ 5日午前11時すぎ、尼崎市立花町1、JR神戸線立花駅構内で、男性が西明石発松井山手行き普通電車と接触した。尼崎北署などによると、運転士が、ホームから飛び降りた男性に気付き、非常ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。市内の32歳男性とみられ、病院に搬送されたが、容体についての情報は入ってないという。JR西日本によると、同日正午現在、JR神戸線を中心に運休や遅れが出ており、私鉄などで振り替え輸送している。

(みんなの感想)
ひ め

今日は気合いを入れて「コースガイド役」をしました。みなさん熱心に耳を傾けて下さり、うれしかったです。

清水さん
初めて参加させてもらいました。またご縁があったらよろしくお願いします。今日はありがとうございました

オリオンさん

久しぶりのトンネルウオークで武田尾まで、雨の降る前と言うか小雨の中をあるきました。よかったです。

実ちゃん
今日はまたトンネルの中をあるけて、今日は楽チンでした。
じゅんちゃん
久しぶりのウオークで〜す。楽しく歩くことができました。よかったです。
久代ちゃん
久々の参加です。楽なコースで楽しかったです。またよろしくお願いします

ジョンさん

病み上がりの身体には8キロはきつかったです。「おーい早いどー、わしは病み上がりやど」何度言った事やら。
今度いつ山に行けるのやら…稲村ケ岳は大丈夫かなあ。

みまっち
今日は「駅ご飯」でしたね。元気にあるけました


参加された方は上記のMAPをよく読んで実際の地形を思い出しながら確認してください。
文:美智子姫00000 写真/GPSデータ:鹿島秀元