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前日の雨で岩が濡れてはいないかと心配しましたが到着までに岩は乾き、安全であることが確認でき、第一回から第三回までの復習と、最後は大屏風岩からの懸垂下降をして終了というプログラムを組み右端のゲレンデからスタートしました。
最初はプルージックでの登攀・下降の繰り返しなのですが1ケ月のブランクからかなかなかスムーズに降りることができません。しかし2度目になると時間も短くスムーズに出来るようになりました。次はゲレンデを移動して少し難しくなりました。ここはトップロープで練習を積み重ね懸垂下降も取り入れました。生徒1人に2人の講師、おまけに姫と来ていますがトラ吉衛門さんは息つく暇もないくらいハードな練習です(笑)トラ吉衛門さんが休憩中には姫が登攀や懸垂下降をさせてもらえることになり、嬉しそうです。
午前中の講座を終え午後からは小屏風を登攀するのですが、ほぼ垂直に迫る岩場を見上げてトラ吉衛門さんに不安の色が伺えます。
「大丈夫!落ちたりしないから!」と励まして岩場に取り付きました。 |
手足が長いことから姫が四苦八苦する個所は難なくクリアし、中央部分に到達したとき「どうしましょう!?」どうも前に進むことができなくなったみたいです。ジャムジャムさんは支点個所で待機して下さりトラ吉衛門さんの到着を、今か今かと待っています。ビレイ役のジョンが「よ〜く見たら足の置く場所はある、手の置く場所も見えるはず!ガンバレ!ケツ出すな!」と檄を飛ばします。その声に決心がついたのかジャムジャムさんの待つ終了点に無事到着しました。ロアダウンで降りる要領をジャムジャムさんが指示をし「いつも練習している鳥になったつもりで両手を大きく羽ばたいて!」しかし緊張で硬直したのか足が一歩も動かず空中で尻餅をついた状態になりました。落ちることはないけれど怖かったと思います。
やっとの思いで下降が終わりロープをほどこうとするトラ吉衛門さんに「何してるの!もう1回行くで〜!」受講生が複数なら次の受講生が登る間休憩ができるのですが本日は生徒1名に講師2名という何とも贅沢な講座(本人にとっては?)で休む暇も与えず連続で登攀練習を繰り返しました。
トラ吉衛門さんは若いだけあって飲み込みも早く上達も早くアッと言う間に小屏風を制覇することができました。
「次はあっちに行こう!」あっちとは大屏風を指さしています。 |
いきなり大屏風は難しく、その手前に恰好の岩場を見つけジャムジャムさんがリードで支点を作りに登攀しました。
トグロを巻くように地面に巻かれていた50メートルのロープが見る見る間に一直線になり「ロープいっぱいで〜す!」
と下から叫ぶのですが水の流れる音で上まで届きません。しばらくすると支点を作り終えたジャムジャムさんからOKサインが出たので登攀開始です。セカンドをジョンがヌンチャクを回収しながら登っていくのですがヌンチャクを回収せずに登ったためニッチもサッチも行かなくなり大笑いするシーンもありました。最後がかなり難しくトラ吉衛門さんはジョンが懸垂下降で迎えに来てもらわねばならないほどの難しい個所がありました。
最後は姫の順番となり、最後の部分を四苦八苦しながら何とか喘ぎながら登攀完了です。達成感は大きいです。
「さあ大屏風から懸垂下降をして終了とするか〜」
そういいながらロープを引き上げ大屏風の支点場所へ移動をし、ジャムジャムさん、姫、トラ吉衛門さんの順番で華麗なる懸垂下降を楽しみました。大屏風は50メートルロープの二つ折りでは足りないほどの高さです。 |
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大屏風からの懸垂下降を終えて目出度くクライミング入門コースを修了いたしました。
今回の体験が、これからデビューするであろう3000m級の山々を歩く時、きっと役立つと思います。
2時40分のバスに乗る予定で片づけを初めて「いま何時?」と聞くと「2時32分です」8分でバス停までは到底無理です。あまりに熱中していたため2時台のバスに間に合わず、かと言って3時台のバスはなく、とうとう4時20分のバスになってしまいました。待ち時間を利用して蓬莱渓のザレ場で、雪山の歩き方、急な下りでの歩き方、足のエッジの効かせ方などを実習を交えて指導をしてもらえました(バスに乗り遅れて得した気分で〜す)
午後5時前に宝塚駅に到着し「クライミング講座終了おめでとう!」の乾杯をして外に出たらもう太陽は、どっぷりと落ちていました。更にそののち好日山荘へ出向いて買い物をし帰宅したら8時を過ぎていたかも知れません。充実した一日は時間が早く来るのですね。 |