Yamatabi-CLUB000
岩登り講座1回目 … 蓬莱峡は一時猛吹雪
 
●トラ吉衛門さんクライミング入門講座(4の1)とダーリンの体験講座
地獄谷A懸垂岩でクライミング初体験をしてからトラ吉衛門さんがクライミングに興味を示されました。
私達が最初に受講した通り4回のクライミング講座を実施して、一人の若いクライマーを育てることにしました。素質は充分にあります。
まず 「興味を示す・怖がらない」 これがクライミングを楽しいと感じる原点だと思っています。
初めて触る岩場に少々おっかなびっくりでしょうか
第1回目は蓬莱峡ゲレンデにて行うことにしました。1ケ月に1度、平日にダーリンも一緒に休みの日があるらしく3月17日は揃っての休日となりお揃いでの参加となりました。阪急宝塚駅前からバスに乗り座頭谷で下車。トラ吉衛門さん達が初めてということもあり、通常利用する岩場の道は復路に利用することにして安全な川沿いの道を歩くことにしました。映画ロケによく使われる岩場に出た時に 「ハリウッドみたいでしょ!」
ハリウッドには行ったことはありませんが思わずそう紹介しちゃいました。(笑)
二度三度と登下降を繰り返すうちにだんだんサマになっていきます
今日も貸し切り状態で土曜日、日曜日の混雑がうその様です。以前に私が不動岩にクライミングに行ったとき、岩肌をやっとの思いで登る私のすぐ後から、別のパーティがお尻をつっつくように「はよ登らんかい!」と言いたそうな顔をして「どけっ」と言わんばかりに詰めて来たことがあり不愉快な思いをしました。
私のこんな苦い体験から、講習中はなるだけ混雑を避けて、ゆっくりと受講してもらいたいと平日のゲレンデを狙っているのです。ポチのハーネスを借りて、ダーリンに装着したのですがウエスト周りに差があるみたいで(笑)やっとこさ止まりましたが、安全のためシュリンゲも用いて二重の安全策を取ることにしました。屏風岩東面岩場上部に固定支点をとり、その中をブリッジプルージックで2回登下降の訓練をしました。
余裕もでてきてルンルンです
続いて岩場での危険なトラバースを通過するために、ラビット結びを覚えてもらい、カラビナの2丁掛けで通過する方法も実践してもらいました。何故このような練習が必要なのかを理解してもらい、登山中に岩場に遭遇した時、引き返えせない事、怖がらない事、滑落しないための歩き方など、私自身も復習になり、寒さを感じることなく練習に励みました。最初はおっかなびっくりでしたが2回目、3回目と繰り返すうちに、「さすが若い!のみこみが早い!、順応性が良い!」 など、私がクライミングを始めたときとは比べ物にならないくらい上達していきました。懸垂下降もマスターされ、少し余裕が出てきた頃に、空から白いものがチラチラ、何としたことでしょうか。僅かな間にあたり一面真っ白になりました。
先週に引き続き、雪です!雪が降ってきたのです。!みるみるうちに木はクリスマスツリーの様に美しく変身しちゃいました。
ローアーダウンと懸垂下降の基礎も習得していただきました。
雪が強く降ってきたことから、時間も気が付けば1時を回っていることから昼食を取ることにしました。トラ吉衛門さん達が食事をしている時間を利用して、ジョンと私で大屏風岩の上から懸垂下降をすることにしました。前回はアイゼントレーニングの人が大屏風岩を使っていて登攀できていません。ジョンが私のストレスを察知し、粋な計らいをしてくれたようです。大屏風岩の上に支点のセット、続いてロープダウン。このロープダウンがうまく行かず途中のボルトにクルリと巻き付くようにしてからみ、雪でロープも水分を含んでいることから、引いても動かないし、振ってもダメ。そのまま懸垂しながら、もつれを取る事にしました。
「これも練習やな」そう言いながら華麗なる(キャハハハ自分で言うか〜!)懸垂下降はアッという間に終了しました。
大屏風の上に立つジョンの姿は降りしきる雪で、姿は下からは見えません。
大屏風岩の上からロープセットを回収して降りる僅かな間に空は一変…猛吹雪です。
濡れた岩場はスタンスが見辛く悪戦苦闘…そのうえ手はかじかむし、靴は滑るし…濡れた岩場は怖いと知ってもらいました
午後からも雪にめげず、ロープの場所を変え登攀を続けます。岩場はみるみるうちに濡れて水が流れるほどになりました。登攀中のダーリンの足も手もズルズルと滑るほどになりロアダウンで途中から下降してもらいました。これはリタイヤではなく危険回避ですので気にしてはいけません。
トラ吉衛門さんに「どうする?やめる?行く?」と聞くと、ダーリンが登攀した場所までは行きたいと言うことで、降りしきる雪にも負けず、登ることになりました。足の置き場も手の持ち方もサマになってきています。
「ダーリンはそこそこ、その辺までだったよ〜降りておいで〜」と言うと「じゃあ、私はもう少し上までいきま〜す」 何と言う、ど根性なのでしょうか。とうとう終了点まで行きロアダウンで下降してきました。トラ吉衛門さんの頑張りに、みんなで拍手です。
トラ吉衛門さん…長いニックネームはやめて…カエルちゃんにするか…ど根性ガエルってか。
終わった終わった…疲れた顔でしょうか、満足している顔でしょうか。
バスの時間までには、まだまだ余裕がありますが岩場が濡れて使用できなくなったため終了となりました。
荷物を整理し、帰り道は屏風岩東面の岩場をリュックを背負って登ります。「アルプスを歩いていて雨だからってその場に停滞するわけにはいかないからその練習。落ちたら命がないぞ〜」のリーダーの声に全員、緊張の糸を解くことなく通過。無事バス停に到着しました。
さっきまでクリスマスツリーの様に真っ白になっていた木立の雪もすでに溶け、岩肌だけ、うっすらと雪を残していました。
宝塚に到着したらまっすぐ家路になんてことはありません。
酒の臭いのするビルの中に引き込まれるように入り、初クライミングに乾杯をしました。山談義に花が咲き、お喋りに輪が広がり、お店の方が水を運んでくるまで話に夢中になりました。「お水お持ちしましょうか」
「帰れっちゅうことか〜?!」そんな冗談を言いながら店を出たらジョンが
「もなか」の看板をめざとく見つけました。栃餅はありませんが最中を見つけたようです。みんなで小さな最中を頬ばりながら「またね〜!」と別れの言葉を交わして阪急組、JR組とお別れすることとなりました。

(ダーリンの感想)
ご指導いただく直前までは、おニューの靴で、足は痛いし、岩の崖を見て、ブルーになりました。しかし、お二人の懇切丁寧なご指導で、無我夢中で手足を動かしたら、登り降りができていました。自分でも、びっくりでした。また、雪の中、登るのは、なかなか経験できないことができて、僥倖だと思って挑みましたが、途中でリタイヤして、悔しかったです。次こそは、と思います。これまでは、岩登りは、自分と縁のないことと思っていましたが、今日は、身近に経験して、大変さと重要さを実感しました。初心者の生意気な意見です。これからも、知識や技術を、覚えの悪い我々にご指導してください。本当にありがとうございました。

(トラ吉衛門さんの感想)
昨日は大変二人揃ってお世話になりました。私達の、道具を持って来て頂き重かった事と思います。有難うございました。
初めてのクライミングに行く前は「出来るかなぁ〜。」って不安を抱きつつ行きましたが、始めて行くうちにだんだんと気持ちが高ぶって、心地よい緊張感と楽しさに変わって行きました。これも、姫さんジョンさんのおかげです。こらからも、宜しくお願します。
フルーツ・もなかご馳走様でした。

0美智子姫:記