Yamatabi-CLUB000
クライミング IN 牡丹雪の舞う蓬莱峡…蓬莱峡は冬だった
 
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過日地獄谷A懸垂岩でクライミングをしてから冬眠中の「クライミングの虫」が目を覚ましました。
急遽、蓬莱峡に行こうと言うことになり「みんなの広場」で皆様に声をかけましたが、今日はジョンと姫の二人きりのクライミングとなりました。
阪急宝塚駅からバスに乗り、いつもは登山伽でごったがえす車内もリュックを背負った客は私達2人だけ、あとは3人ほど乗車しているだけで発車となりました。(やっぱり平日は空いているんや〜)座頭谷でバスを降り、ダンプカーの行き交う危険な道路を少し戻りいつもの門の前に来たら、何やら駐車場の営業もやっている様子ではありましたが、多分、土日対応みたいです。ここに車で来ることができたらとても楽なのですが。
蓬莱峡剣山にはちょっぴり雪が ホオジロが春を告げています 小屏風岩の前にも雪が
入り口の岩場を下るのにフ〜ラフラと身体が揺れています。それもそのはず本日のリュックの重量はロープや登攀道具を入れて16sもあります。
身体がまだ出来てないこともあって、おっかなびっくり、へっぴり腰で何とか降りることが出来ました。川を渡りいつもの場所にリュックを置き登攀準備をし、まずは手始めに屏風岩東面の岩場をプルージックをかけて2度ほど登りました。
蓬莱峡では左の屏風岩東面(写真左)と右側の大屏風岩(写真右)と小屏風岩を使います。
ここの懸垂下降は斜面が緩やかで懸垂の醍醐味を感じることはできませんが何事も順序立ててと思い、熱心に練習を重ねました。その後は中央部、更に左側といままで登攀したことのないコースも登らせてもらいました。ここで休憩のティータイムゲレンデは貸し切りです。混雑も嫌ですが、こう空いているのもなんだかねぇ〜…さびしいねえ
屏風岩東面岩場上部に固定支点をとり、下部にロープの保持支点をとります。その中をブリッジプルージックで登下降の訓練です。
休憩の後は登山靴からクライミングシューズに履き替えて大屏風岩のある岩壁に登れと師匠は言うけれど、ほぼ垂直に立つ岩壁は、とても私にはのぼれそうもありません。「無理ですっ!」と言うと「登る前から無理だと言うな!」
ロープで確保してもらっていることから擦り傷は出来ても骨折などの大怪我には至るまいと覚悟をし、手も足のホールドもない様なところを、滑り止めのチョークをたっぷりつけ、手を真っ白にして一生懸命に登り切りました。何とか登り切りました。
やったー。すると空からお祝いの紙吹雪とおもいきや、お祝いの牡丹雪が舞い降りてきました。うれしーい。
寒いはずなのですが緊張で寒さを感じないで午前中のクライミングを終えました。
トップロープの準備をします 登攀開始です 登りきったら懸垂下降をします
午後からは大屏風岩に挑戦する予定にしていたところ、いつの間にやって来たのか中年の男性が大屏風岩からアイゼンを履いて懸垂下降をしているではありませんか。
「あっちゃ〜大屏風岩は今日は無理やなぁ」と言うことでその横にある未開拓場所を師匠がリードで登り始めました。ピンもあまりなく見た目にはやさしそうな岩壁ですがなかなか手強い様子でビレイをしながら見ていると「行こか戻ろか」の仕草を2度ほどしていました。

岩場の下にRCCボルトが沢山放置されていました。どなたかが岩場のクリーニングをしてくださったのでしょう。それと同時に放置しておくことによってRCCボルトの危険性を改めて教えていただきました。RCCボルトは岩場で使うピンのなかでハーケンと肩を並べて突起した部分が危険であると言われています。滑落したとき体をぶつけたらそれによって怪我をします。リングボルトと同様に岩の中に15mmくらいしか入っていないため抜けやすく、あごの部分を支点に荷重がかかると曲がりやすいのです。
岩場から外されたRCCボルト 落下距離が長いとこんな曲がり方をします
現在ではケミカルアンカーでハンガープレートを固定する方法とペツル社が販売しているコリノックス、バティノックスなどが多く使われるようになっいますが、岩場を傷つけない方法としては、カムやナッツが良いと思います。ただそれもどこでも使えるというものではありません。
ランニングビレイを取るときは安全なピンを選ぶようにしましょう。私たち年配のクライマーは軽い怪我でも岩場には再起不能ということもあります。

「ビレイ解除!」の声が聞こえ、到着した様子です。さすが師匠です。同じコースを行くのですがリードとセカンドでは恐怖感が全然違います。ヌンチャクを回収しながら、師匠が「行こか戻ろか」していた場所にたどりつきました。なるほどこれは行けませんなぁ。しかし無理だと言っても、もう到着点がすぐそこなんです「足を上げるとバランスを崩して危険だから、摺り摺りしながら登ってこい!」と叫び声が聞こえます。
「摺り摺りかぁ・・それでも怖いなぁ」 なんとか到着して胸をなで下ろします。
しかしこの後は大好きな懸垂下降が待っています。大屏風と同じ高さから懸垂下降をして、バスの時間も迫ってきたことから「大屏風は次回と言うことで終了〜!」と言うことになりました。

バスの時間は、あらかじめ木の枝にぶら下げていたお手製の時刻表で確認することができます。
荷作りをしてバス停に出る頃には牡丹雪は止み、冷たい風に変わっていました。「お〜おさぶっ!いい時に終了したね」
お互いがそう言いながら宝塚行きのバスに乗り帰宅の途につきました。来週も行くぞ!

(いまだから言える勘違い)
師匠が「疲れたからかなぁ。帰りのリュックがやけに重く感じるよ」
「そう?私は弁当や魔法瓶のお湯が減った分軽いよ!」
とは言いましたが、師匠のリュックには、朝は私が持参した支点用のロープを黙って返しておきました。(ごめんなさい)
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