Yamatabi-CLUB000
「快晴無風の武奈ヶ岳」 あっちに感動、こっちに感動、見渡す限り山、山、山…坊村〜西南稜ルートは表銀座か。
 
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金曜日の夕方 「明日は天気が良さそうやし武奈ヶ岳にいこか?!」 突然ジョンからのメール。「行く!行く!」とすぐに返信メールを打ちました。
先週、寒風・大谷山スノーシューで使った登山道具が、まだ片づけられないままにベランダに干してあり、そのまま掻き集めて、リュックに詰めて準備完了しました。今回はスノーシューとアイゼン・ピッケルの両方を準備し弁当は途中のコンビニで調達することにし、出発は午前6時と少し早いのですがプライベート登山のため、どうにでも融通が効きます。今回のメンバーは、ポチ、ジョン、姫とjunkoちゃんの4人とで愛車の四万十号で出かけることになりました。

武奈ヶ岳(1214.4b)は琵琶湖西部に連なる比良山系の最高峰で、何度かスノーシューで行ったことがあり、関西でも人気の山です。急に暖かくなったとは言え外気温度は4度と表示されており、道路こそ積雪はありませんが、屋根の上、田圃の中にはまだまだ雪が積もり春の訪れが遅そうです。
葛川・明王堂にかかる赤い欄干の 「三宝橋」 を渡り登山口へと向かいます
午前8時30分、坊村に到着。国道367号から左に折れて曙橋を渡ると大きな駐車場があり、ここに車を停めて身支度を整え、トイレを済ませ、明王堂を目指します。地主(じしゅ) 神社の駐車場は満杯で、しかも鳥居の前をふさぐようにマナーの悪い駐車車両もありました。将来、このようなマナーの悪い登山者がいると「駐車禁止」の立て看板が立つのも時間の問題の様に感じました。
8時45分。赤い欄干の 「三宝橋」 を渡り登山口へと向かいます。尾根上部までは傾斜がきついため、最初はスノーシューは使わず、アイゼンを使うためリュックから取り出しやすい様に荷作りをしておきます。
自主神社の参詣道をふさぐ車 登り始めは雪がありません 1時間ぐらいはこんな状態 雪が出てきてアイゼンを着けます
登山口から いきなり杉林の急坂になり、はやくも汗ばんできました。車を降りた途端、冷たい風が吹き温度も低いことから、たっぷりと防寒着を身にまとったため、わずか10分ほどで「衣類調整したいで〜す」と言うことになりました。歩き始めは少し肌寒いくらいの衣服がいいですね。
高度が上がってくると霧氷が綺麗についていました
西南稜 全景
わさび峠を過ぎる P1070あたりで
飛行機雲が綺麗 霧氷も最高 日傘を指した人に遭遇
駐車場の車の数から考えて、山頂にむけて多くの人達が登っているだろうと想像できますが、後から後からアリの行列の様に登ってきます。「一歩、横によけて譲ろう」何度も何度も後から来る人を譲りながら、おそらく50人は通過しましたよね。標高800bを過ぎたあたりのコルでアイゼンを装着することにしました。ここからかなり急の上り坂となり、あえぎながら、ゆっくりと登るのですが、本日のポチは「自由に行動してよろしい」と言ってもらい、首縄を解かれたワンコの様に、さっさと遙か彼方を登っていきます。「4人で来たのに何故か3人グループみたいやね」そんな冗談を言いながら、11時20分やっとの事で御殿山(1097b)に到着しました。お天気は限りなく快晴、風は限りなく風速0bで半袖でも歩けそうです。長めの休憩を取っていると、何と雨傘をさしたオバサンが通過していきました。「いまのん何?」「日焼けが怖いんちゃうん?」「日焼けが怖かったら、山に来るな!」あのオバサン大きな勘違いをしています。(降り注ぐ太陽よりも積雪面からの反射の方が紫外線量がはるかに多いことを!)
西南稜がすごく綺麗で印象的でした…天気が良くこんなに綺麗な西南稜は、はじめてです
Junkoちゃんとポチが御殿山にスノーシューをデポして行くと言うことで、リュックからスノーシューをはずし木立に固定しました。無くなることはないと思いますが名札をつけてリュックを軽くして出発することとなりました。多くの登山者達が踏み固めたトレースで、今日はアイゼンだけで行けそうです。私達が通過した後にジョンが度々「オーッ!アッチャー!」などの奇声を発しています。体重とリュックの重さが我々と違うためズボッズホッと大穴をあけていました(大穴は競馬で当ててよね)…買わン馬券あたるわけ無いやろう
西南稜の美しい曲線がまぶしく輝いて待っててくれました。「美しい!」思わず叫びました。つらい登りを耐えてここまできた甲斐がありました。武奈ヶ岳頂上に目を向けると、先ほど通過した傘サシオバサン組が、武奈ヶ岳の美観を損ねる如く、最後の急登をアタックしているのが見えます。頂上到着が12時20分、人、人、人で座る場所がありません。
武奈ケ岳直下を行きます…後方は昨年歩いた高島トレイルの百里ケ岳からおにゅう峠あたり
頂上付近の霧氷です
武奈ケ岳山頂に到着でーす。左から姫、ポチ、jynkochan、ジョン
ちょっとの隙間を見つけてお昼にすることにしました。
ぐるりを見渡すと、山、また山で北に釣瓶岳、南に打見山、蓬莱山、東にはカラ岳、釈迦岳、鈴ケ岳に八雲ケ原スキー場跡もくっきりです。
西には昨年歩いた高島とレイルの峰峰や京都北山方面など美しく見渡すことができました。ジョン曰く「何遍も来たけど、こんなにおだやかな天候ははじめてや」
30分間ほど頂上にいたでしょうか、私達にしては長い時間の滞在です。それほどに快適だったのです。風もなくおだやかなため、多くの人達が鍋を片手にお昼を楽しんでいました。まずは「デンノ記撮影会」をしようと三角点に手を置くと、同時に横から別の男性の手が伸びてきました。スッと手を引こうとされましたので「どうぞ一緒に撮りましょう」と見知らぬ男性も一緒に「デンの記撮影会」となりました。
下りは、きつい斜面、なだらかな斜面を利用してソリ遊びをしながら下山していきました。「キャー!スピード出過ぎや!」下山中の登山者達が「いいわねぇ」と羨ましげに声をかけてくれました。
山頂で昼食です、天気もよく、風は無く
ソリは何度やっても楽しいですよー
西南稜を下っていきます 往路では気がつかなかったワサビ峠の雪庇
御殿山に戻ってきたのが13時25分。デポしていたスノーシューも無事回収できました。時間も早いことから、ここでも長い目の休憩を取っていると、大きなリュックを背負った7人の山男達が来て、スコップで整地をし始めました。「ここでテント泊ですか?」と尋ねると「そうです。一緒にいかがですか?」と気さくに声をかけてくれました。
「御殿山ホテルですね」「そうです一泊15000円でどうですか?」などと冗談を交わしながら、再び下山をすることにしました。この時間になるともう登りの登山者はなさそうです。
下りもまた私達の真後ろに「先に行かせてくれ〜」と言わんばかりに詰め寄ってきます。譲るとすぐ先で休憩しており、何度かそれを同じ人が繰り返していました。休憩するのなら急かすなよと思いながら、膝に負担がかからぬように、ゆっくりと下山して行きます。
途中で姫のアイゼンがはずれかけ「先に行ってて」と言うとjunkoちゃんとポチが先に降りていきました。途中でjunkoちゃんが一人で休憩をしており、どうしたのかと聞くと「もうっ!ポチさんが早いから付いていかれへんっ!」とあきれ顔でした。
(まあ今日はプライベート登山だし、後方であえき声を出されるよりいいか〜)
もうすぐ明王堂です 自主神社に到着です 里の寸景 帰るよー
標高500bくらいの位置で、途中でアイゼンを外している人達もいましたが、まだまだ危険な下りが続くため、私達は最後まで履いて降りることにしました。
ゴール15時!
天気もよく、無風でラッキーな登山日和でした。帰りは道の駅「朽木本陣」に立ち寄り栃餅を購入したのは言うまでもありません。
朽木まで栃餅買いに来ました 名神で暮れなずんできました

   メンバーの感想
00junkoちゃん しんどかったけど、おもしろかったです。快晴の西南稜は最高でした。ポチさんの早いこと・・・振り向いてもくれなかったです。
00ポチ 体力的に不安で、「行こか、行こまいか」迷いましたが、座席に余裕があると言うことで参加しました。天気もよくて行ってよかったと思います。また誘ってね。
00ひめ 「雪が溶けちゃうよ〜」スノーシューの楽しさは下りのソリ遊びにありと言っても過言ではありません。季節限定、チャンスがあれば連日でも出かけたいです。
00ジョンさん 雪山の山行は快晴が何よりです。「明日天気やから行こうか」これは本当は良くないのですがメンバーの力量が山のグレードとタイムスケジュールに合っていれば大丈夫。3月は大山と荒島岳に行きましょうか。
GPSルートデータ GPS標高データ
文:美智子姫00000 写真:JON