安曇川駅から乗り込んだ老婦人が腰を曲げ、足下をふらつかせながら危なかしげに隣の車両に乗り移ろうとしています。見ちゃおれません。走り寄り隣の車両への移動を手伝います。マキノで下車すると老婦人も待機していた駅員さんに下車のフォローをしてもらって、バスの列の後に並びかけます。見かねた姫が
「みなさ〜ん!この、おばあちゃんを一番前に並んでもらいます。文句のある人いますか〜?」と並んでいる人達に向かって叫びました。誰も文句を言う人はいません。言えるわけ無いやろ。
バスの中でも手押しのカートが動かないようにシュリンゲで確保して目的地の「さらさの湯」で一緒に下車しました。聞くところによると一人でマンションに住み、マンションにはシャワーしかなく時々温泉に来ていること、温泉に来ているのが家族に知られると怒られることなどを話してくれました。
「おばあちゃん!家族に反対されても元気で歩いてここに来れるという幸せを感じてね!。あの世にお金は持っていけないから自分のためにしっかり使ってね!」(大きなお世話かなぁ〜)きちんとお化粧もしてるし、身繕いもきちんとされていましたが一体何歳なのか気になるため姫が聞きに走りました。そしてみんなにクイズを出しました。
「今のおばあちゃん何歳だと思う?」みんな口々に「75歳、78歳、80歳、82歳」と言いましたが正解は「67歳」でした。うっそぉ〜!!
ジョンがしょんぼりして応えます。「来年は俺もああなるのかぁ…クスン」
人間は年齢ではありませんぞ。いかに元気で山登りできるかですぞ。 |
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マキノ高原スキー場の中をあがっていきます |
「さらさ温泉」からしばらくツボ足歩きを楽しみましたが、今日は雪が重く感じます。しばらく歩いてスノーシューを装着しました。
身支度が整えば「寒風」の標識に沿って登り始めます。以前私達がつけた道標はまだ存在しているのでしょうか。今年は雪も多く、2〜3日前のマキノの積雪は130センチでしたが今日は105aに減っています。前々日の雨と二日続きの晴天のせいでしょう。 |
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右奥の山蔭に赤坂山があります。大谷山は画面を外れてずーと左方向です。 |
赤坂山・寒風・大谷山は、滋賀県と福井県の県境に位置し、野坂山地の北部にあります。高島トレイルで馴染みの道ですね。赤坂山(824メートル)・寒風(853メートル)・大谷山(813.9メートル)と三山とも800メートル級の範囲内にあり、緩やかな尾根を形成し、草原のような表情で、登山道がシュプールを描くようになっています。そこに深々と雪が積もるとまた景色はおとぎの国の様に様変わりをしているのでしょうか。動物たちの足跡はあるのかしらとワクワクしてきます。雪の下に眠る草花を雪の上から「もうすぐ春ですよ」と起こしてくることにしましょうか。 |
私たちが準備している間に、10名ほどの若い女性のグループが通過します。全員デイパックにタブスのスノーシューをくっつけています。タブスは林間コースには適しているようですが山岳モデルはなんと言ってもMSRでしょう。我がやまたび倶楽部は全員MSRです。MSRは両サイドに長い歯が付いているのでテールのブレが少ないですまたメインの歯も止まった状態で雪面を噛んでいるので大丈夫です。あるメーカーのものは止まっているとき歯が引っ込んでいるので八ヶ岳のアイスバーンでツルツル滑ったことがありました。
続いてデイパックの若いカップルが通り抜けます。 |