Yamatabi-CULB000
「赤坂山の雪景色は七変化」
 
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大阪駅発午前7時45分発の湖西レジャー号に乗り、滋賀県マキノにある赤坂山までスノーシューに行ってきました。参加者の皆様とは号車指定で列車の中で合流です。(おっと〜高槻駅で淳ちゃんが隣の車両に乗り込んでるよ〜)混雑した車内のため、京都駅で乗客が降りたのを見計らい淳ちゃんを迎えに行きみんなで同じ車両で隣り合わせで座ることができました。登山者風の乗客は堅田駅、蓬莱駅、比良駅と目指す山に応じて減っていきます。空席を利用して、スパッツを付けたり、合羽のズボンを付けたり、車両の中のトイレを利用したりと準備も万全です。琵琶湖が見渡せるあたりから田畑も山々も白く雪化粧をしていました。風もなさそうでスノーシューにはもってこいの天気の様です。
JRマキノ駅でバスに乗り換え 湖国バスに乗ります 姫はごきげん
じゅんちゃんとポチもごきげん アドベンチャーさんとジョンは元気です メタセコイア並木
10分ほどの待ち合わせでマキノ高原行きの湖国バスは発車をします。「このバスはどこまで乗っていただいても220円です。両替はいまのうちにどうぞ」とドライバーさんの親切なアナウンスに旅人としては心が安らぎます。メタセコイヤ並木の写生グループの高齢者グループも乗り合わせ、下車時に千円を料金箱にいれました「あっ!そこではありませんよ。こちらからお願いします」と両替機を丁寧に教えていました。私が思わず「乗り込んだ時の待ち時間を利用して、ドライバーさんが両替の必要な人はいませんかって親切に聞いてくれてたのに!」と思わず聞こえよがしに、つぶやいてしまいました。(芸術家モードの人達には通じていないかも)
いつだったか能勢登山の時に乗った○急バスで「能勢の郷バス停までいくらですか」と時間待ちの間に聞いたことがあります「バスの中に金額表があるから、それを見てっ!」と怒られたことがありました。登山者のほとんどが同じところで下車するこのバスコースでは大きな字で「能勢の郷バス停○○円」と書いとけ〜っと思ったことがありました。バス会社によって社員のレベルが様々ですね。「思い出したくも無い」とはJONの弁です。
マキノ高原スキー場は雪がたっぷり…ネット発表は130cmです
通い慣れた、マキノ高原への道。雪をかぶった美しいメタセコイア並木の雪景色を連想していた私は少々ショック。その事を嘆くと「アホっ!雪が降っている時でないと白いメタセコイアは見られるか〜」だって。10分ほどで「マキノ高原・さらさの湯」に到〜着。春や秋の頃は駐車場も無料でしたが今日は千円と有料(いまが稼ぎ時か〜)
マイカーも駐車スペースがないほどに停まり、スキー場は子供達のゲレンデと化していました。名前はマキノスキー場でも、いまはリフトの索道も撤去されスキー場としては機能していません。ただちびっ子達の遊び場と初心者の練習にはもってこいのようです。
ゲレンデの最上部でスノーシューを着け、衣類調節をして準備万端整いました。そのころから小雨交じりの小雪がチラチラ舞い始めました。
ゲレンデは子供たちでいっぱいでした。
今日のトップは姫が仰せつかりました。スノーシューを装着して、午前10時30分、ふっか、ふっかの雪を踏みしめます。ところどころスノーシュー無しで歩いたと思われる大穴がボッコボッコと、あいており、少々歩きにくい出始めてしたが140aの積雪は感動と、スノーシューの醍醐味を充分堪能でき、歩いていると暑くて汗がポタポタと落ちてきました。1時間ばかり登ると、東屋に到着、中で休憩と衣類調整をするつもりでしたが先客(ストックから見て4人)が広いスペースを占領し、仕方なく天気も良いことから外で休憩を取ることにしました。(我々も休憩するときは最小限のスペースで後から来た人が使いやすい状態で休憩をしないといけないなぁと学びました)。「いつも言ってるやろう。人が来てから避けるのでは遅いって」…JON
ネコヤナギが芽をふいていました 雪が多くてサイコー
ルートの真ん中辺りにある あづまやは雪の中でした
ゲレンデを出発する時は小雨交じりでしたが中腹まで来ると雪に変わりました。雨なら、うっとおしく感じるのですが雪はなんとなくメルヘンの世界からの贈り物のようで、うれしくなってしまいます。この急な登りは、帰り道には尻ソリが出来ると言うことだと胸をときめかせ、勿論リュックには尻ソリがちゃ〜んと付いています。140aという積雪のため、道のそばの木々達は、夏ならば、ほぼてっぺんであることが想像できます。ネコヤナギの芽も春を待つのも、もどかしそうに膨らんでいました。雪は止みましたが降り積もった木の枝から、ドサッと突然に落ちてきます。リュックカバーをし忘れていたため私のリュックは、もうボトボトです。
赤坂山頂上の目前に建つ鉄塔付近で異変が起こりました。吹雪です。粉雪と強風が視界を遮り、方向がわからなくなりました。立っているのがやっとです。ポチが心細くなったのか「頂上を踏んだと言うことで引き返そうか」と耳元でささやきましたが聞こえなかったふりをして「リーダー!このまま進みますか?引き返しますか?」と尋ねると「行こう!これも冬山や!」
悪天候で逃げ帰っていては雪山の知識と技術は向上しません。強風には強風の対応が、ホワイトアウトにはそれなりの対応策があるのです。
高島トレイルのときに通った稜線は厳冬期の様相です。トップをアドベンチャーさんに交代してもらい、GPSを頼りに進んでいきます。トレースはクラストしている様子。確実に踏んでいきます。ホワイトアウトの真っ只中。天と地の境すらわかりません。何も見えない状態です。先ほど鉄塔下で追いついた二人組みのパーティの姿が直前にあるはずなのですが全く見えません。
「此処からは絶対に低いところに行ってはいかんよ」 「右に外したら雪庇を踏み抜くよ」 じゅんちゃんもポッチーも離れることなく歩いています。急に左手に人の気配を感じます。下山の登山者が一目散に降りて行きます。頂上に向かっているのは間違いないようです。傾斜が終わる頃 「ピッピッ」とGPSの信号音、頂上到着を知らせるナビゲーションの終了合図です。どうにかホワイトアウトの中を歩き、頂上を踏むことができました。
「やった〜!頂上についたぞっ!高島トレイルの標識の頭が見えたぞっ!」 前回来た時は標識は読めましたが今年は雪にスッポリと埋ずまっていて読めませんでした。三角点を見つけ、記念撮影(どんな時も頂上を踏んだと言う記念)頂上に約2分、いままでで一番短い滞在時間だと思います。
赤坂山の山頂は少しだけ明るくなって集合写真とデンの記の撮影が出来ました。
「よっしゃー、降りよう」 逃げるように下山路に入ります。 帰り道、あれほど深く、くっきりついていた踏み後が、風紋に変わり、すっかり消えてしまっています。アドベンチャーさんから「固いところを歩いてね。軟らかかったらルートを外しているということやからね」的確な指示が飛びます。
「恐ろしいね。これが道迷いの原因やね」 と言いながら我々にはGPSと言う強い見方があるため、何の心配もなく鉄塔まで戻ることができました。
でもGPSも正確に作動していることと、使いこなせることが大切です。GPSがあっても地形図とコンパスは携行しなければなりません。
もちろん読図力が必要です。樹林帯上部の鉄塔を過ぎると、うその様に吹雪はおさまり、今までの荒れ模様が嘘のようです。
少しの風も避けて、尾根の影で昼食をとることにしました。
登りでは枯れ木だった枝に、霧氷がつき始めていました。明日になったら見ごろになっているやろうね。そんな言葉をかけて帰ってきました。
今日は雪の座布団のため、立ったままでも食べられるカップラーメンにしましたが、熱湯をかけても周囲温度は低く、硬いまま食べることとなりました。「アカン、今日のメニューは失敗や、ゴメン」そう言いながら次回のメニューが頭をよぎります。

同じ場所でソロの若者が食事をしていましたが挨拶をするでなく、リーダーのため息が漏れました。「なに?いまのため息?」と聞くと「昔なら、あり得ない事や」と、挨拶を交わさない登山者のレベルが低くなったことへのため息の様でした。
雪の中でのトラブルは事故につながり命をも脅かされます。それだけに対向者同士の挨拶も大切になってきます。「いつどこでどんな登山者とすれ違った」などと言う小さな情報も遭難救助には役に立つものなのです。

雪山でもソロの登山者をよく見かけますが家族はそこに潜んでいる危険をご存知なのでしょうか。
登りに見つけておいた尻ソリスポットを滑りながら、わぁわぁキャーキャー言いながら快適に滑っていきます。尻ソリはとても楽しいのですが起きあがるときの労力は、はかり知れません。アドベンチャーさんが言いました「ポチさんがいない。またスノーシューはずれたんかも知れない」と引き返してくれました。見ると亀が甲羅を下にして手足をバタつかせている光景みたいに、尻ソリをしたものの起きあがれず手足をバタつかせていました。もう滑稽すぎて、アホらしすぎて先頭を歩かせるしかありません。
マキノの町が眼下に広がります
おーい姫、いつものソリ遊びか…日が暮れんうちに帰りやー
ふたたび東屋まで戻り、しばし休憩です。写真を撮ったり、フッカフッカの雪に埋もれたりと童心に返り無邪気に遊びました。おまけにお日様まで出てきました。最後の急な下りを尻ソリで降りていると3人連れの若者が「楽しそうですねぇ」と羨望のまなざしで見守っていました。「貸してあげようか?」と言いましたが、貸すつもりはありません。だってもうすぐゴールなんですもの。この下りを滑らないでいつ滑るんやと思いながら、一気に滑り降りました。下で遊んでいた子供達が、山から鬼が降りて来たように危険を察知したのか逃げていきました。驚かせてごめんね。でも気持ちよかったですよ。スノーシューはこれがあるから止められません。
今日はとっても楽しい一日でした。
午後3時17分発のバスに10分ほどの待ち時間で乗車することができました。湖国バスのドライバーさんは朝の小林ドライバーさんです。ところが、ところが10分ほどで到着した行きのコースと違い、帰りはグルグルと村の中を回ります。「そりゃそうや巡回バスやから」な〜るほど。JRマキノ駅で待つこと10分、新快速列車は空席を多く残してホームに入ってきました。列車の中で、スパッツや合羽を脱ぎ荷物をまとめたら、あとは楽しかったスノーシューの話や、次回の大谷山の話などをし、京都までは覚えていたのですが、後は記憶にございません。

高槻駅で淳ちゃんを見送り、大阪駅でアドベンチャーさんを見送り、私達は尼崎で下車することとなりました。淀川大橋の鉄橋を渡り始めると棚から荷物を降ろし下車準備をはじめたところ、入り口付近に立っていたオバサン達がジワジワと私達の座ってい所をねらって人垣をかきわきはじめ
ました。ほぼ満員状態でジョンは「尼崎で降りられへんかったらどうしょう」と心配するほどの混み具合です。ジワジワと人垣をかき分け手荷物を置きたそうにするオバサンに向かって姫がいいました「その荷物を貸し!この席に置きたいんやろ!相撲取りじゃあるまいしあんたらは席取りかよ〜!降りる人が先やろ〜っ?!」
尼崎駅で乗り換え海老江駅に戻ると外は薄暗くなりかけていました。それから祝杯をあげ家路について、リュックを背負ったまんま3階まであがり、新聞紙の上に濡れてしまった品を綺麗に並べ、入浴をすませ早めの就寝となりました。夢の中で「明日もスノーシュー行くで〜」と誘われたら、きっと「行く〜行く〜」と応えたに違い有りません。それほどに楽しかったです。
( 教  訓 )
(その@)スノーシューの取り付け方
ゴムの装着方法はつま先のゴムから順番に装着し、カカトは一番最後に締めるとはずれません。

(そのA)リュックカバーの必要性
天気がよくても、木の上に積もった雪が突然にドサッっとリュックや頭や首筋に勝手に落ちてきます。天気でもリュックカバーは装着していた方がいいです。

(そのB)冬山の昼食
冬山での昼食は立って食べられる食材がベストです。暖かい物をと思い、カップラーメンを持参しても周囲の温度がマイナスに近いですから熱湯であってもカップに注いだ瞬間に温度はグググーンと下がってしまいます。冬山の昼食は行動食(パン、おにぎり)など歩きながら食べられる物がいいですね。ご馳走は下山後のお楽しみと言うことで。
( 参加者の感想 )
★アドベンチャーさん
天気は、まずまず。8日にも来ましたが今回の方が雪が多かったですね。鉄塔付近で強風にあおられ、下山時には踏み後も消えていましたが、ソロでの登山中だったら、きっと不安だったでしょうね。楽しかったです。

★淳ちゃん
今年初めてのスノーシュー、大変楽しかったです。赤坂山の頂上では吹雪で大変でしたが途中は雪も多く大変よかったです。

★ポッチー
今日のマキノは雪が多くスノーシュー日和でした。小雪が舞う中、9合目あたりの尾根に出るなり強風にあおられ驚き。即、下山を申し出ましたが頂上まで行くとの事で強風の赤坂山に立ちました。滞在時間2分・・・!

★ひ め
スノーシューの醍醐味は何と言っても帰り道の「尻ソリ」。左肩に脱臼の後遺症がまだ残るものの、やめられませんなぁ!季節限定のスノーシュー、できれば毎週でも出かけてみたい、そんな愉快な気分です。

★ジョン
雪の山は大好きです。赤いザイルでアンザイレンをして片手にピッケル、片手でザイル操作をしながらコンティニュアスで雪稜を行く。真っ青な空と真っ白なナイフリッジのコントラスト。これがオイラの雪山山行です。もう2シーズン病気で行けてません。ストレスたっぷり。今年辺りどっかやろうと考えています。赤坂山はそのための良いトレーニングになりました。

文:美智子姫00000 写真/GPSデータ:JON