9月6日(日曜日)
午前5時薬師岳登山組の出発時間です。東の空は薄っすらと茜色。今日も天気は良さそうです。全行程、たいした雨にも遭わず山行が楽しめるなんて久しぶりです。
靖っちゃんとねこちゃんは一時間遅れで薬師岳小屋を目指します。他のメンバーは太郎岳山頂を散策しゆっくりと下山をする予定です。
サブリュックに水とレーション、合羽を入れ、ジョン、オリオン、サスケ、姫の4名が頂上を目指して午前5時05分小屋前を出発しました。
朝露に濡れた木道はズルズルと滑ります、膝を高めに上げ上から押し込むように歩いていかないとすぐにズルッ。歩きにくい木道を薬師峠に向けて下っていきます。薬師峠のテント場はずでに目覚めている様子。朝食の準備をしている者、朝食を口元に運んでいる者、テントを片付けている者などさまざまな時間を過ごしている。そんな登山者を尻目に峠から涸れ沢へと入っていきます。
夜明けの太郎平小屋 東の空は茜色 さあ出発だ 薬師峠のテント場
「雲海に 浮かぶ島かと 山の峰 照らすと見えし 有明の月」 詠み人 サスケ
大小の石が折り重なり沢を形成している、これがまた歩きにくい。涸れ沢を過ぎるとガレ場になり、やがて薬師平に入る頃には歩きやすくなってくる。東の方向には槍ヶ岳や穂高の峰峰がくっきりとしたシルエットを描いている。弧を描くようにザレた道を登っていくと稜線に出る。右手の景色は依然同じだが、左手には鍬崎山がデンと鎮座している。この山はこの辺りの三角測量の礎になったところと聞く。美しい山容だ。今夜泊まる立山山麓家族旅行村は鍬崎山の向こう側に位置していることになる。
振り返れば、遠くに御岳、乗鞍の峰、雲間に白山の連峰も窺える。黒部五郎岳や昨日彷徨した赤木平の草原、北ノ俣岳に太郎山、それらを結ぶ稜線もくっきりと見える。眼下には一昨夜泊まった有峰湖が美しく輝いている。正面奥には薬師岳の避難小屋。もう少し頑張らなければ頂上は踏めないようだ。
ここで槍ヶ岳を見ながら朝食を摂る。小屋でもらった朝食弁当。バラ寿司を押し固め竹皮に包んだものだ。ジョンと半分づつ食べて朝食とする。
薬師平を行く 稜線に出て一息 朝食前に湾ポーズ 鍬崎山もくっきり
ザレ場の稜線を登りきると薬師岳山荘前に到着。下山準備をしているツアーの登山客と出会う。広場一杯に広がっているため、人を掻き分けなければ前に進めない。嫌な思いをしながら小屋を過ぎると避難小屋がくっきりとしてくる。薬師岳山頂はその奥にある。ここから1時間もあれば着く筈である。
ザレ場の道を登りきると大きなケルンと石積みの避難小屋が迎えてくれる。頂上はさらにその奥20分ほどの所にある。頂上には多くの登山者の姿が見える。この辺りから足も軽やかになってくる。360度の台パノラマを楽しみながら7時20分頂上到着。
頂上は奥のピーク 避難小屋到着 有峰湖もくっきり 立山に延びる道で
頂上にはたくさんの登山者 頂上到着だよ
剱岳・立山連峰 槍ヶ岳・穂高岳の連峰
頂上からは北に剱岳から立山三山。弥陀ヶ原の高原も見える。北薬師岳へのルートは大きく左から弧を描き、その下は金作谷のカールとなって黒部川に落ち込んでいる。映画「剱岳・点の記」の中で測量部の案内人をしていた宮本金作がこのカールを登って薬師岳を征服したことからその名がついたとある文献で目にしたことがある。吸い込まれそうな大きなカールである。
山頂で待つこと25分。サスケさんとオリオンさんが到着した。全員揃って記念写真を撮り、オリオンさん持参の山岳地図で山座同定を楽しみ薬師岳山頂を後にした。

←北薬師岳と金作谷カール
オリオンカメラマン サスケさん…頂上征服お疲れさま いつも元気なオリオンさん
頂上征服組 4人 揃ったどー。
下りは全員快調。途中薬師岳山荘で「ぜんざい・700円」をサスケさんとジョンで食し、20分もの時間を費やしてしまう。
あとはただ一生懸命に下るだけ。一時間遅れで小屋を目指していた靖ちゃんとネコちゃんは折り返したのだろうか、一向に姿が捉えられない。
薬師峠から再び登り返して太郎平小屋前に着いたのが10時05分だった。
薬師岳山荘でぜんざいを食べて 最後の木道です 太郎平小屋まで3分 小屋前です
デポしておいた荷物の中に「9時55分下山します」と靖ちゃんとねこちゃんのメッセージがありました。この貴重なメッセージはリーダーの目安となり大変助かりました。(しゃあけどサスケ先生の荷物に姫の臭いズボン突っ込んだん誰〜?)薬師岳山頂を踏み、小屋に戻ったのが午前10時05分だったと思います。急げば追いつく時間でしたが、荷造りをし直し小屋を出発したのが10時35分、ゴールまでに追いつくことは不可能ですが頑張って歩きます。
疲れた体で買出し 今夜はケビン泊でーす さあ…宴会宴会。明日は無事に帰ろう
折立駐車場で全員が合流したのが午後2時過ぎ、今日は予定通りの行動のため、ゲートを抜けたところにある亀谷温泉に浸かり4日分の垢を落とすことにしました。洗っても、洗っても垢が出てくる様な気がして、みんな念入りに何度もシャンプーしていました。
今夜は立山山麓家族旅行村のケビンを借りて宿泊することにしています。このまま大阪に帰れないこともありませんが、ドライバーの疲労が増すという提案から、ちょっと風変わりのケビン泊となった次第です。買い物組とケビン組みとに分かれ、それぞれの分担を器用にこなし、あっと言う間に祝宴となりました。
今宵だけは、ケビンが独立棟のためどんなに大声をあげても構わないことになっています。

ベツトはあみだくじで決め、ジョンと姫は定員オーバーのため寝袋で就寝と言うことになり、時間の過ぎゆくままに、楽しい旅の終わりを惜しむ様にチビリチビリと酒を酌み交わし合いました。予定にはなかったのですが、明日は氷見漁港で昼食を取ろうということになり全員賛成をして、お〜や〜す〜み。

文;美智子姫0写真協力;鹿島秀元0000
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