2009.07.04

「沢レンジャー In 上山谷」
前日の大雨で滝の水量が気に掛かりました「ええいっ行ってみて沢に入ることができなければ温泉でも入って帰ろう」と開き直り「四万十号」と「サスケ号」はそれぞれの参加者を乗せて現地集合「滝畑ダム駐車場」めざして走りました。時間差10分ほどで2台が合流、準備をする間、いつになく水の音がゴオゴオとしており水量の多さを予告しています。「あれっ?あれっ?ない!ない!オレのリュック〜」突然ポチが青ざめて叫びます。貧血気味だから余計に青く見えましたよ。理由を聞くとリュックが無いといいます。順序だてて聞いて見ると、どうも自宅の玄関先に置き忘れているようです。弁当、おやつ、お茶、すべてリュックの中で、仕方がないので売店でパンを買い、とうとう身ひとつで出発する羽目になりました。うららちゃん曰く「ポチさん体調不良なので、姫さんのリュックに2人分入ってるのかと思ってたわ〜」ヘルメット、くつしたスパッツに続き今日はリュックの
忘れ物です。(あきれた〜)※みーんな年やから、間違っても自分を忘れんようにしようなー。
「水量が多いかも知れんが、とにかく入渓して見よう」 
あじさい寺よりも美しく咲いている色とりどりの紫陽花の前で出発前の記念撮影をして、いきなり川向こうに渡らなければなりません。今日は沢レンジャー隊に新入隊者2名がおり、さぞびっくりしたことと思います。「濡れるかも知れない」ではなくて「水の中に入っていく」状態ですので、覚悟ができたのかパシャパシャと列を作って遅れることなく進んできます。今日は、姫と靖ちゃん。サスケさんと深っち。ジョンとミマッチが組みます。ぽちとうららさんはフリーと言うことで出発です。うららさんはカメラマンをかって出てくださいました。この写真はうららさん撮影によるものです。後ろを振り返ると橋の上から見物人が10人ほど不思議そうに私達を眺めていました。
「あかん、流される」後ろを振り向くと深っちが水と格闘しています。「あかん、思った所に足が置かれへん」 こんな時は体重の軽い人は不利です。肩を貸し手を貸ししながらどうにか渡渉。
次は入渓してすぐの2メートルの滝に出合います。初参加の人は少しためらいがちでルートを見極めているうちに、別のグループ4〜5人がやってきましたので、先に行って貰うことにしました。挨拶もなく無言の通過です。
「最近の若いモンは…。なんて言うけど、山で出会う若い岳人はちゃんと挨拶してくれる。山では挨拶も出来ん年寄りのほうが、多いかも知れんなあ。岩や沢をやってる人の中には自分を特別な登山者やと思ってる人もいるらしいけど、そんなんにならんとこな…」とはジョンの弁。
気を取り直して2メートル、3メートルと無数の滝登りを楽しみました。最初はロープでつながれていたおっかなびっくりの初心者(本当はコンティニュアスと言うんですけどね)も中間あたりでロープ無しで平気に滝登りをしています
「クライミングを学んでて役に立つわ」と、こわがるどころが楽しんでいるではありませんか。
ミマッチはジョンが後ろを見ている間に前のほうを歩いているし。靖ちゃんは適当に手を貸しながらサポートしてくれているし、深っちはいつの間にかロープを解除してもらってるし。皆さんルンルンです。ただこの谷は暗いなあ。
どの滝あたりだったでしょうか、とにかく水量は半端ではなく手を置く所も足を置く所ももはっきりしていたのですが、あまりの水量に押し流され一度姫が滝壺に落ちてしまいました(上の写真がそうみたい)。頭からスッポリ水没したのです。「大丈夫か」 の声にやっと我にもどり別ルートから這い上がりました。寒くて唇が震えていましたが、上がってしまえばジョンがすぐに 「ビレイして」 休憩なんかさせてくれません。逆らうこともできません。その声になんとか気合を入れて回復し、ロープで確保しながら後続者の安全を確保します。 その後も、休憩もとらずに必死に登り続けました。
「いったい、いま何時なんやろうか」と思った時は12時はとっくに過ぎていました。一つの滝が終わったらロープを片づけ、この滝を登り終わったら休憩があるだろうと思っていたら
「もう充分休憩したやろ?行くで〜」「うっそ〜私休憩してないも〜ん、お茶かて一滴も飲む間なかったわ」 とリーダーに訴えましたが、更に次なる滝に向けて突進です。
充分休憩したのは上で後続者を待ってた人たちや、下で順番を待ってた人たちで、下でカラビナのセットをしていたポチやサスケさん、上でビレイをしていた姫やジョンはそんな余裕はありません。

いくつかの滝を越えて 「腹へった!」 やっとのことでおやつタイムを取ることができました。
わざわざ持ってきたトウモロコシやバナナがやっと口の中に入ります…美味しーい。
雨の影響か流木が流れを堰き止めた箇所が多くありましたが、その流木に助けられて滝を登れた場面もいくつかありました。沢に入ったら何でも利用して安全策を構じなくっちゃ。
小さいけど深い滝壷をヘツってゴルジュに入るとこれが最後という大きな滝にでました。今回の上山谷で一番の核心部と言えるでしょう。樋状2メートルの滝を左からへつり、更に7メートルもあるクラックが待っています。ここには巻き道が無いので登りきらなければなりません。みんなに緊張が走ります。
まずリーダーが登ります。いつもならカムを一つしか入れませんが今日は二箇所に入れています。ちょっと疲れが来ているのかもしれません。上がって確保のセットをします。その後をロープで確保してもらいながら、少し時間はかかりましたが、無事に全員登り切ることができました。何とも言いようのない達成感と感動で空腹を忘れていました。
 午後3時、昼食とも、夕食とも言えない「3時の弁当」をみんなでワイワイガヤガヤ言いながらいただきました。
ウオークなら、苦情のひとつやふたつは届いている事と思います。食事が終わると、早々とリュックを背負います。
「そんなに慌てんとゆっくりしていいよ」
「リュック背負わんと寒いねん」

そんなこんなで一気に下山することにしました。午後4時30分駐車場でミーティングをし連続ではありますが、明日は箕面のトレーニングが待っていますのでよろしくとお別れの挨拶を済ませ2台の車は上山谷を後にしたのでありま
す。
「明日は箕面の滝はパスしような…滝もこんなに登ったら食傷気味や」 そんなこと言う奴誰や。

岩登り講座を終え、沢登り講座に進んでいただきましたが、皆さんなかなか優秀です。沢は岩より怪我をする率は高いのです。それは10mもあるような大きな滝から落ちて怪我をするのではなく小さな流れの中で発生します。一歩一歩気をつけて、安全のための確保をして、自分の技術では無理と思ったら戻ってでも巻き道に上がることも大切です。沢は段階を追って体験していただいております。
今回いきなり上山谷がデビューになられた靖ちゃんと深っちには大変な目に遭わせたかも知れませんが、次回からはもっと楽しんでいただけるはずです。
次回は比良山系の八池谷、通称八淵の滝と呼ばれているところ、美しい谷ですので、楽しみにしていてください。 
皆さん赤木沢遡行大丈夫です。頑張って行きましょう。


やっちゃん
西山谷を登山靴での沢登りに続き、今回は上山谷(河内長野・滝畑)の遡行。地下足袋の上にフエルトのぞうりを付けての本格的な沢登りに参加。 一言で言って最高に楽しかった!!。 雨の後なので水量が多いとの事だったけれど、ジャブジャブ水の中を歩く。足下は意外と滑らない。次々と現れる滝にチャレンジ。通過出来た喜びと 次なる滝の楽しみ 時の過ぎるのも忘れての6時間余り沢の中。危険なところではロープで安全確保して登るために順番待ち、待ってる時は寒く 後半はバテたけれど… マイナスイオンを身体一杯に浴び 、イワタバコの葉を見つけたり(たぶん…) 。リーダー先輩のお陰様で最高に楽しい時間を共有出来た事に感謝!!
ありがとうございました!!


ベガさん
沢歩きの楽しさを皆さんから聞いていましたけど、身体が濡れるのが嫌いなので固くお断りしました。ジョンリーダーに半ば強制的に勧められ沢デビューとなりました。思い返せば岩登りも強制的だったようナ…。ジョンさんは説得上手ですね。山への熱い想いからでしょうか。
さて、最初に水に足を入れるのが嫌だった。「エイッ」とかけ声とともに飛び込む感じ。前日の雨で水量がかなり多く、川を渡るために一歩踏み出すと足が流されてヨロヨロ、先がおもいやられる。面倒見の良いポチさんが「小さい滝は飛沫の飛び出している所の下には石があるからそこに脚を掛けなさい」とコーチをしてくださる。サスケ先生はロープを繋いで下さって「足が滑っても怪我をしないから」と安心させていただきました。大きな滝は先行の人の足下をしっかりと見て登るようにしました。一つクリアする度に「よく頑張った」と褒めてくださる優しいジョンリーダー(いつもは、いやらしいことばっかり言うけど…)。それからは怖ろしいとは感じませんでした。短い岩登りの繰り返しでした。
帰路、山を下る時、知らないうちにこんなに高い所まで登っていたのかと驚き、沢歩きって不思議な感じでした。身体中の筋肉と脳細胞を使って もうクタクタ。でもやりとげたという達成感と、乾燥した衣服に着替えた時の温かさでとても幸せな気持ちで帰宅しました。
皆様大変お世話になりました ありがとうございました。

文;美智子姫0写真協力;うららさん0000

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