夏山・甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳に向けて
夏山登山トレーニングD 阪急嵐山駅〜清滝〜空也ノ滝〜月輪寺〜愛宕山〜水尾別れ〜表参道〜清滝 「きついで〜えらいで〜の愛宕山登山」

愛宕山は京都で一番高い山。保津川下りの途中で前になり、後ろになり、いつも勇姿を観光客に披露してくれていて、いつかは登る事になるだろうなぁという期待と予感は常にありました。ねこちゃんのホームグランドでもあるので下見の同行をお願いしようと思っていましたが、石川県七尾に帰省中で、あまり負担をかけてもいけないと私達だけで下見を終えました。今回は表参道コースは下りに廻し、空也滝を見て月輪寺コースを選びました。今日は白山登山からの1年ぶりの「しのぶちゃん」も参加してくれました。
 
天気予報は「雨」。もう覚悟はできていましたので阪急嵐山駅で合羽とスパッツを身につけて清滝行きのバス停がある京福電車嵐山駅まで歩きバスに乗りました。この時は烈しい雨模様、でも清滝に到着した時は小雨に変わっていました。 「おひさまが照ると暑いし、雨は丁度いいお湿りだね」 強がりとも思える発言にみんなが 「そうそう、その通り」 と雨も何のそので、バス停から渡猿橋を渡り東海自然歩道に入る月輪寺コースに進進みます。雨の精で道路に沢ガニが出てきており 「踏まないように」 とか 「唐揚げにすると美味しい」 とか 「松葉をハサミに挟んでいるのでマツバガニ〜」 とみんな快調な滑り出しの様です。
空也滝は分岐から往復20分で手軽に行けることからマイナスイオンを浴びに行くことにしました。雨で敷石が滑りやすく「滑らない様に歩くこともトレーニングの一部です」といいながら歩きます。空也の滝は行場でもあり、まさに霊場という感じ、神秘的な滝を見物することができました。マイナスイオンと滝の飛沫を体いっぱいに浴び、記念写真を撮って、空也滝を折り返し月輪寺への道に軌道修正し、登りばかりの長い道のりを、ゆっくりと進みます。出発前にリーダーが「トツプの速度は一定してきており決して早くはありません。遅れた時は自分が遅いと思い、トップに追いつく気持ちも必要です」檄を飛ばしました。
月輪寺の中間地点で休憩をとり、合羽を脱いだり、水分補給、行動食を食べて順調に月輪寺に向かいます。
ねこちゃん情報によると月輪寺の関係者は非常に神経質で静かに通過しないと叱られるとのことで、寺の敷地内に
明智光秀お手植えの天然記念物「石楠花」があることを事前に説明し、そっと静かに通過しました。通過後に立ったままの休憩方法(ストックでリュックの重さを軽減し休憩する歩荷スタイル)を体験したりしながら登っていきます。月輪寺を過ぎると唯一、くだり道に出合いホッとしたのもつかの間で、林道分岐までは、ほとんど登りばかりの道のりです。
濡れ落ち葉の道は膝には優しいものの、その下に岩が隠れていたときなど、僅かだがツルッと滑ります。そんな道をバランスを崩さないように一歩一歩刻んで行きます。こんな練習を積んでおくと甲斐駒ケ岳の岩場が濡れていたとしても難なく対処できるでしょう。時々後ろのほうで
「キャッ」「オッ」などと声が聞こえてきます。
「滑って立て直しているな」と感じながらも後ろを振り向くこともせず、ただひたすらに歩を進めます。
今度はトップの私が悲鳴を上げる 「ぎゃぁぁぁぁ〜」 滑ったのではありません、ガマガエルを見てしまったのです。そんなに驚くことは無いのですが、遠い昔鳥取の三徳山の投入堂に行った時、カエルを踏んで瀕死の重傷を負わせてしまったことが脳裏をよぎります。
もう15年は経ったでしょうか、未だに踏んだときの 『ムニュー』 といった軟らかい感触は足裏に残っているし、後ろ足を伸ばして引きずりながら、前足だけで草むらに逃げ込んだ姿は忘れられません。
あの時のカエルさんごめんなさい。
今日のテーマは「体力づくり」「レスキューポイントの設置について」です。体力作りは今日のコースをゴールできれば合格です。レスキューポイントは木立が覆い被さりヘリコプターの救護ポイントを探すことができないため急遽「体調不良者あり」をテーマにみんなで自主的な救護体制の実地訓練をすることにしました。播磨アルプスで体験したことを実行しようと言う手はずです。
体調不良者はポチ、リーダーと淳ちゃんが付き添います。オリオンさんはポチのリュックを持ってくれました。これはみんな素早くて、自主的な行動です。後の人を率いて姫がトップで愛宕神社下にある
「登山者休憩所」を目指します。登山者休憩所に案内した後、姫は急ぎ足で引き返しオリオンさんの持ってくれているポチのリュックを背負い休憩所に引き返します。その間にみなさんは愛宕山神社の境内にある「山頂」を踏みに出発しました。ポチ達の遅れの時間は、わずか5分ほどでしょうか。昼食を食べると回復し午後からは、少し遅れ気味ではありましたが元気よく下山しました。
体調不良者をポチと見立てたのではなく、実際の体調不良だったんです(笑)でもみんな機敏に動き、播磨フルプスでの教訓はりっぱに生きていました。ポチへの課題は多くて、まず医師による治療が必要だと痛感しています。
総門を出て清滝を目指します これは倒木の門かな ただひたすら下ります 天気は少しずつよくなって来ます
今日の歌は『しずかな湖畔』と『山寺の和尚さん』です
お助け水に助けられ 鳥居をくぐって聖地を出ます 長かった参道もこれで終わり 渡猿橋を渡ってバス停へ
午後からは下り坂ばかりで、長くてつらい階段の道のりばかりでした。5合目の休憩所でお昼の歌「しずかな湖畔」と「山寺の和尚さん」を歌いました。歌い終えたところに小さな子供達が見えたので、もう一度「山寺の和尚さん」を歌いました。この頃の子供が唱歌離れをしていると言うことから、すこし親たちへの刺激にもなればと思ったのです。
 
ひたすらにくだり、お助け水のところでタオルを濡らし、汗をぬぐい、顔も洗い、水を飲んだところで一気に清滝バス停までゴールしました。時間は午後4時を廻っていたと思います。バス待ち時間に着替えを済ませ、サッパリとしたところでバスに乗り、阪急嵐山駅前で下車、ミーティングを済ませ解散となりました。解散と言っても同じ電車に乗るのですが、けじめですからね。桂駅で「準急」と「急行」がホームに入りましたがポチとジョンと姫の3人は「座って帰れる準急」を選び、他の人達は「座れなくても一刻も早く帰宅出来る急行」を選びました。ホームを挟んで手を振り27日の再会を約束しました。

文:美智子姫 写真協力:鹿島秀元

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