翌朝は気温も下がり地面は凍結をしていました。しっかりとアイゼンを装着し、滑落に気を付けて、心残りの無いように記念撮影を何度もし、下山をすることにしました。下山時は2人1組となり滑落に注意をしながら降りていきます。 |
燕山荘にはあれほど多くの登山者が泊まっていたのに案外姿を見かけない。のんびりとゆっくり下っていく。昨日の空と違い巻雲が薄っすらと空を掃いている、たぶん昼過ぎには曇り空に変わるだろう。 山は下りでの事故が圧倒的に多い、登るときの苦しさとは別の緊張感が全身にみなぎりました。 急傾斜を下り切り合戦小屋が近くなった頃 「うん?あれは自転車?うっそ〜!」 本当なんです。マウンテンバイクを担いで登ってくる青年と行き交いました。 「すみません、写真を1枚撮らせてもらえますか」思わずシャッターを押すリーダーの姿があり、驚きが半端じゃなかったことが伺えます。 |
ほとんどの山行はここで湯に浸かり、そのまま大阪に向けて車を走らせるのですがドライバーの負担を思えば今宵は温泉泊と洒落込みたいと思います。駐車場付近で「つくし」を見つけ採取している人もいました。チェックインを済ませるとお部屋に案内をされて男性陣はすぐに風呂に、送り出す合い言葉は「女湯に入っちゃダメよ」 |
何時間もかけて苦労して登った道のりも下りはアッと言う間で合戦小屋に到着しました。多くの登山者がベンチに腰をかけており、燕岳の人気の高さを物語っていました。富士見ベンチ、第3ベンチと下り、第1ベンチでアイゼンを外しました。もう大丈夫でしょう。中房温泉まであとわずかです。膝痛に気を付けながら、あわてないで一歩一歩真剣に前進します。下山したと言う、気のゆるみや足の疲れから、木の根などで転倒しては大変です。中房温泉で下山報告を提出し、河原を利用してゆっくり昼食をとることにしました。誰か、すでにビールのジョッキを片手にしている人もあります。アイゼンを洗ったり、荷物をし直したりと充分な休憩をとり有明荘に向かいます。 | ||
中房温泉登山口に到着 |
露天風呂は、ものすごく広く硫黄の匂いが立ちこめて登山の疲れがふつ飛びました。「きつと男性陣はビールを飲んでるよね〜」と想像通り瓶ビールがテーブルの上に並んでいました。女性陣も負けじとビールを頼み、祝杯です。今回は祝杯の多い旅ですこと〜 山の話しが盛り上がっていたのですが隣の部屋から「うるせ〜」の合図が出たためにもう一度温泉に行きお休みとなりました。翌朝「雨が降ってる〜」の声で目が覚めましたが雨ではなく川のせせらぎでした。 |
有明荘の夜 |
宿を出て大町にある「大町山岳博物館」を見学することにしました。ここは「氷壁」のモデルとなったナイロンザイルの実物が展示されており多くの登山者が立ち寄る場所の様です。みやげ物屋への立ち寄り、昼食を済ませ豊科インターから大阪へ向かうことになりました。渋滞を覚悟の出発ではありましたが、時間が早い精か、思いの外ス〜イスイ。名神に移って所々で詰まることもありましたが、イライラするほどの渋滞に巻き込まれることもなく日暮れ時には大阪に戻って | |||
市立大町山岳博物館 | 山岳博物館での一コマ |
くることが出来ました。 お車を提供して頂き、運転を交代で協力頂いた方達のおかげで安全運転で戻れたことに深く感謝しています。 私達が登山中にも5月2日の新聞では68歳の寝屋川市の男性が木曽駒岳(2956b)で滑落死、5月4日の新聞では53歳の石川県の女性が五竜岳(2814b)で滑落死の痛ましいニュースが載っていました。事故のない登山はトレーニングの積み重ね、教えてもらったことを確実に身につけることだと思います。単独登山と違い、仲間との登山には色々ルールがあり、そのルールを守ってこそ楽しい山行であると思います。 更なる未知の山に向けて「レッツ・ゴー」ですね。 |
その他の写真は、サスケさんのスライドショーでお楽しみください。『やまたびBBSからお入りください』 |
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