Yamatabi CLUB
やまたび倶楽部発足の目的     
 事故や怪我のないように、中高年者も楽しめる登山活動を目指しています。      
中高年の安全登山
ここ十数年来、中高年の登山者が急増しています。
それに比例して山岳事故も倍増しているのが実情。身近でもいろいろな事故が発生していますし新聞紙上やテレビ報道でも山岳事故が多く報じられています。
その殆どが人為的ミスであったり、経験不足による発生ではないでしょうか。登山はマラソンに匹敵する運動量のスポーツであると言われていますが、登山者はマラソンランナーほど過酷なトレーニングを積んでいるのでしょうか。
「登山は山を歩くだけのこと」そう解釈している方も多いようです。
しかし現実に事故は多く発生しています。今後、団塊の世代といわれる私たち同世代の人達も定年後に登山を趣味にされる方も多いはずです。正しい技術と豊富な知識を身につけ、仲間同士、少し気をつけながら山行すれば事故は防げます。「事故を起こさない、怪我をしない。他人に迷惑を掛けない」を合言葉に安全登山を目指しています。

良い装備のすすめ
最近はすべての山岳装備の品質がよくなってきました。それは素材性であり機能性です。
靴、靴下、肌着、中間着をはじめヤッケなどの防風着、防寒着にいたるまで軽くて保温性の良いもの、透湿性の良い物など、登山を快適にする衣類や道具がラインナップされています。これらはいくぶん高価になっていますが、体力的に斜陽傾向にある中高年の登山者には非常にありがたいことなのです。
15kgのザックを背負って一日中歩くのと、10kgのザックで一日中歩くのとでは疲労度はもとより人体のあらゆる関節機能にたいする負担の軽減は計り知れないものがあると考えられます。
身に着けるもの、携行する物など一つ一つ計量しながら山道具を揃えるのも大切なことです。
これは良い、この品物は良くて安いなど、会員間の情報交換も大切なことだと思います。

知識の向上
登山するにはどのような知識が必要なのでしょうか。何を持っていけばよいのか携行品の準備はもとより、次に行くルートの下調べもしなくてはなりません。地形図を読めなくてはいけません。天気図を読み書くことも大切です。心肺蘇生法や応急手当、テーピングの知識を身につけることも大切です。傷病者搬送の方法も知っておく必要があるでしょう。山に持っていく知識は数え上げればきりがありません。それらの中から一つでも二つでも身につけて安全山行に努めていただきたいのです。
やまたび倶楽部では、折に触れそんな話や講習をしながら知識の向上に励んでいます。

登山技術の向上
ただ歩くだけで登山はできるのでしょうか。山には危険がいっぱいです。山の中にアスファルト舗装の道があるとすればそれは登山道ではなく林道です。登山道には自治体によって施工されたもの、個人によってつけられたもの、山岳会や山小屋によって整備されているものなどさまざまです。二人並んで歩ける道から1人でどうにか歩ける小道、手も使わなければ登れない岩場、滑りそうな岩稜帯、足の置き場に迷う苔むした谷間の道、ズルズル滑るザレた道などいろいろなところを歩きます。
道のあるのは良いほうで、沼のような所を歩いたり、今にも屑れそうなところを歩かざるを得なかったり、崩落した岩屑の上を歩くこともあります。これらには雨の日もあれば雪の日もあります。どのような状況下においても確実に歩ける歩行術や危険を回避するためのロープワークなどを身に着けておかなければなりません。
講習をしたりトレーニングをしたりしながら会員相互間の技術向上を目指してしています。

安全な山行が出来るメンバーとの遭遇
同じ目的を持つ山仲間と出会えるのは最高の喜びであり、安全な山行が出来る第一歩です。同じ技量の者同志お互いを認め合いながら登山技術を向上させるのは素晴らしいことです。倶楽部の行事で山行するだけではなく、気のあった者同志でトレーニングし、お互いの目指す山にチャレンジしていただきたい。
中高年者でも良いザイルパートナーがいればアルプスのバリエーションルートの登攀は可能です。
やまたび倶楽部がそんな出会いの場になればと思っています。

迷惑を掛けないということ
山に登るより、山から帰るほうが難しいといわれる登山ですが、ちょっとした思いやりで事故を防ぐことが出来ます。やまたび倶楽部ではトレーニングルートや岩稜帯ルートではヘルメットの着用を勧めています。ヘルメットを被って山行していると中には「そんな物々しいものを被ってどこに行きますねん」そうあざ笑うように声をかけてくる御仁もいらっしゃいますが、ヘルメットを被っていても誰にも迷惑をかけません。暑いとか蒸れるとかいうのは被っている本人の問題です。
もし転倒して頭に怪我をしたら大変です。セルフレスキューができなくて救助隊を要請したら何十の人に迷惑を掛けることになるかわかりません。
転ばぬ先の杖…一日でも長く登山を楽しむには、絶対に怪我をしないようにすることです。

以上のような事柄は一欠けらですが安全に楽しく山行できればと願って発足した会です。
参考になることも、ならないこともあるでしょうが、ご覧頂ければ幸いです。