繖 山

6月17日(木)。
繖山と安土山の例会です。梅雨入りしたということもあって天気は雨を覚悟していたのですが、幸いに晴天に恵まれ、しかも今年一番の暑さになりました。
集合駅は
「JR東海道線・安土駅」 9時00分。
もうすでに高槻、堺、阪急グループは到着しています。少し体調不良のjunkoちゃんも久々の参加です。
「今日のコースは山ではなく、ピクニックだからね」とリーダーが言うくらいですから楽々コースで大丈夫ですよ。
繖(きぬがさ)山は標高432b、別名観音寺山ともいい 、山頂近くに観音正寺があり、西中腹には桑実寺があります。また、日本最大の山城遺構といわれる観音寺城址もあります。 一方、安土山には御存知のとおり、織田信長の安土城址があります。今日は歴史に触れながら、ゆっくりとピクニック気分で出発することにしました。
駅を出て「ぐるっときぬがさコース」に入ります。お山の印はコースの目印です。
大回りしたり、行き止まりにあったり、直進しようとしたら土地の人に曲がって行くように言われたり…どうにか石山楽座に到着。
途中、顔はカエルによく似ていて体は布袋さんそっくりの不思議な動物に出会いました。
二羽の孔雀を飼っているおうちがありました。
ところが、ところが、標高199bの安土山一帯にある織田信長の居城跡だけの事はあって、きつ〜い階段が延々と続き、国指定の特別史跡ということから歴史の重みを足にズッシリと感じ一段一段青息吐息で登っていきました。1576年から織田信長が約3年の歳月をかけて築城されましたが、信長が倒れた本能寺の変後、焼失して石垣だけが残っています。
日吉神社です 後ろ向きにお参り 取材をしながら おそがけの筍
急な坂と 石段ばっかり 医師団?…間違うほど石段ばっかり
一生懸命登って観音正寺に到着 。このしんどさ…身も心も仁王さんになるわなあ。 真ん中の仁王が一番こわそー。
観音正寺の正面に本堂を見ながら参道を行くと、右に太子堂と護摩堂がありました。真言宗のお寺だと大師堂があるのですが、このお寺は聖徳太子が建立したとので太子堂なのだそうです。「みっちゃん!その奥行けるか?」リーダーの声に本堂の左を通って裏に回りこむと柵があって、その向こうに繖山山頂に通ずる遊歩道がありました。柵を乗り越えて遊歩道に出ようと思いましたがバチが当たってはと思い直しリーダーに通り抜け不可のサインを送り、回り道をして頂上へと急ぐことにしました。もうそろそろお腹の虫も鳴き始めています。
観音正寺を過ぎ、繖山の頂上に行く途中、雑草を刈るボランティアのおじさんに出会いました。
そのおじさんがポチの声に聞き覚えがあると話をしてこられました。
「えーっ!いやーっ?ごきげんさん!」なんとポチが勤めていた会社の先輩だったのです。家がこの近くで雑草狩りのボランティアをしているのだとか・・こんな山奥で知り合いに出会うなんてビックリ〜!そのおじさんがぜひ観音寺城跡も見て行きなさいと勧めてくれましたので少し回り道をして見学に行くことにしました(姫はまた同じ道を戻ってくると悟りリュックを道ばたにデポ)
いやーっ?ごきげんさん! 年上の妹です
「ここで昼飯にしよう」と観音寺城跡でポチが勝手にリュックを広げ始めましたが、姫がデポしたリュックを取りに行くには遠すぎるため、リーダーに交渉し、最初の予定通り繖山山頂まで昼食はお預けとなりました(ゴメン)
観音寺城跡
鬱蒼とした樹林の中の遊歩道を行くと、山百合が咲いている繖山山頂への分岐がありました。急な階段の道を下って樹林から抜け出すと、すばらしい琵琶湖の展望が広がっていると言う、「湖国の大パノラマ」という表示がありました。その名の通りの大パノラマで琵琶湖、琵琶湖、琵琶湖でした。やっとここで昼食となりました。ここからは新幹線の音もよく聞こえてきます。頂上では恒例の「点の記撮影会」ということで二等三角点に全員で触れることとなりました。(またやっとるわ〜)
昼食の後は「今日は暑いので熱中症の手当の仕方をする。姫、やってみて」突然ビニールシートを広げ傷病者を寝かせました(今日の傷病者はポチ)講習と言うよりは抜き打ちテストみたいで緊張が走ります。傷病者のベルトをゆるめ、服のボタンを外し、冷たいタオルで首を冷やし、凍ったペットボトルがあれば脇の下などを冷やして、他の者は傷病者に涼しい風を送ります。顔色が赤い時は頭を高く、顔色が青い時は足下を高く、口から水分を含ませる。少し気分が楽になれば、回復体位を取る。(合格かな?)急な階段を下りて行きながら、道端にたつ石仏を見ながら行くと石の鳥居が見えてきました。車の音も聞こえ始めてきましたので、もうすぐ車道に出るようです。石の鳥居には石の祠が二つ並んでいて中にはお地蔵さまがおさまっていました。子授け地蔵と書いています。おもわず「零ちっちがお兄ちゃんになれますように」と手を合わせてしまいました。登りがつらかった人も、下り道は快適で、とても良いペースで下っていきます。尾根には初夏だと言うのに「ワラビ」が沢山生えていて、みんなが一生懸命採っていました。私はイタドリ意外、興味はないのですが、ワラビは山菜の王様につき少しだけ頂いてきました。重曹をいれてゆがきアク抜きをして頂くことにします。
繖山の頂上で
映画「剱岳 点の記」を見てからというもの…三角点を大切にするようになりました。
「勧請西国三十三箇所」という石柱があってここで列詰め休憩をし車道を歩きながら安土城跡近くの休憩所でねしばし休憩することにしました。奇しくもリーダーが一番に体調不良を訴えました。それもそのはず外気温は30度を超しています。
そんな理由で安土城跡へは行かず(拝観料がいるらしいし)タニシのいる田圃や稲の苗が水に揺れる様を眺めながらゴールの安土駅に戻ってきました。参加者全員「あのまま安土城跡に登っていたら熱中症にかかっていたかも知れない」と、駅前で着替えを済ませ、サッパリしたところで、ビールやアイスクリームで喉を潤し、車中の人となりました。
 
「簡単コース」と申し上げましたが、敵から城を守るために築城した跡だけのことはあって、急登あり、急降ありのなかなかのコースでした。織田信長様、おみそれしました。
今日のワンポイントレッスン 熱中症にかかったら
日陰に横にします ベルトやズボンを緩めます 上着のボタンを外し ボンの窪を冷やします
タオルや地図などで風をおくる 顔色が赤いと上半身を上げ 顔色が白いと上半身を下げ 吐き気があるときは回復体位に
こうしておいて涼しいところで休ませます。
文:久田美智子 写真: 鹿島秀元

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