2016
●第5日目 7月25日(月曜日) 晴れ  下山(大阪へむけて)
光小屋 06:05 ⇒ 三吉平 07:15 ⇒ 易老岳 08:30-08:40 ⇒ 面平 11:13-11:40 ⇒ 易老渡13:05 (14時発のタクシーに乗車)
今日は下山日です。易老岳まで進みそこから西に下って易老渡に降ります。迎えのタクシーを16時に予約しているため遅れるわけにはいきません。道中何事もないことを祈りながら、6時過ぎに出発しました。今朝の此処は雲の中のようです。雲が流れているのでしょうか明るくなったり白くなったりしています。
▲テントをたたんで いよいよ光小屋を出発です 
▲センジヶ原を行きます
 ▲三吉平・ 三吉ガレまで帰ってきましたです
▲易老岳の御料局三角点です
光小屋から三吉平を経て易老岳に向かう間、今まで元気にトップを歩いていた姫が後ろを歩きたいと言い出しました。疲れがピークに達した様です。若者組が前を歩きやっとの思いで易老岳分岐まで戻ってきました。ここまでは前日に通った道です。「易老岳の山頂に三角点があるよ」歩いてわずか15秒のところに易老岳山頂がありました。
三角点に触れて元気回復です。ここで夫婦連れが追い越して来て話をしていると午後2時のタクシーを予約していると言う話でした。「この調子だと我々も午後2時のタクシーに乗れるなぁ」と言うことで携帯の電波が通じる場所を探し予約変更をすることができました。夫婦連れが靴紐を締め直しています。同じコースを往復するらしく、かなりの急登で覚悟がいると言う話をしていました。なるほど九十九折れの下りは膝にかなりのダメージを与え思ったほどに進むことができませんでした。 
▲易老岳から易老渡への下りです 
▲易老岳からおよそ20分のところにある 岩場のトラバース地点です
 「タクシーの予約変更しなければ良かったなぁ」と思ったりもしました。易老渡を「1」として易老岳を「30」の番号が付けていました。「28」「27」「26」と看板を見つけるたびに声に出して面平「10」まで戻ってきました。更に急坂は続き自分の膝とは思えないほどに筋肉痛となりました。ジョンがこのあたりからよく転倒するようになり膝のクッションが機能不良であることが伺えます。とにかく滑落だけは避けたいと細心の注意を払いながら時間を気にしながら九十九折れの悪路を下り続けました。「もうすぐゴールよ」と励ましながら易老渡「1」を見つけた時は躍り上がって喜びました。
▲JONの転倒三連発です … 面平から易老渡の間での転倒は危険です
▲易老渡に到着でーす。辛くて長い山行もここで終わりです 
 タクシーのお迎えです  林道崩落現場…今は河原を通行します  下栗の里
赤い橋を渡り易老渡駐車場に到着したのはタクシー乗車の1時間前でした。重たくて汗臭いリュックをおろし谷筋から流れる水で顔や頭や足を洗いサッパリしたところでタクシーの到着です。途中の民宿で下車すると言う夫婦連れと私達4人が相乗りと言うことで料金も若干安くなりました。帰り道には大きな落石も転がっておらず順調に走って民宿前で夫婦連れと別れ私達の車の待つ梨元ていしゃ場に戻ってくることができました。「何はともあれ風呂に行こう!」10分ほど走ったところにある温泉で垢を落とし、平岡駅で食事をし8月の塩見岳での再会を約束して宇都宮チームと別れました。大阪までは運転を交代しながら無事自宅に辿り着きました。すべての山行を予定通り終えることができました。
残りあと2座テント泊は今回限りで卒業し小屋泊山行で完登を遂げたいと思います。…何をおっしゃる北岳、間ノ岳、塩見岳もテントを担いで頑張るよ
 TOKO&RIJYUチームの感想
南アルプスの中でも聖岳・光岳は、百名山を目指している人たちにとってアクセスの悪さからなかなかカウント出来ない山ではないでしょうか。
私たちも90座になるまで足の向かない山となっていました。
今回の山行は、大阪の岳友が8月で百名山制覇する為にどうしてもこの残っている2座を登らないとならないということでGWから計画していました。
その時は易老渡駐車場までが道路崩落で通行不可、歩行も不可となっていて、ルート計画も難儀でした。 行ったルートを戻るという往復は避けたいし、別々に踏むのは倍疲れるしといろいろ模索し、直前には観光協会に問い合わせをしたりして、ようやく今回のルートに決定しました。

結果、このルートでとっても良い山行となりましたが、いやぁザックの重さも関係ありますが、とにかく辛かったです( ;∀;) 初日の聖平小屋までの登りは眺望無しで、最終日の易老渡までの下りはまさに激下り!!でした。 最後は足がプルプルして口もききたくない状態でした(>_<)
聖岳での眺望は最高でした♪ 天気も良かったし、去年泊まった赤石避難小屋まで見えました♪ 光岳も、そこは眺望無しで残念でしたが達成感が十分あってその先のテカリ石が最高でした♪ これで、90・91座制覇です!
今回、別ルートから登ってきた栄ちゃんともミニ宴会が出来たし、あきちゃんとも半年振りに会えたし♪山で出来た友人はなんか特別です(^O^)/

南アルプス、残すは塩見岳のみ。ここには来月登るので、それが終わったら南アルプスはもういいかな。。('_')  姫、まさる君、楽しい4日間をありがとう!
 JONの感想
去年はどうってことなく背負っていた18kgオーバーのザックが、今年は肩に食い込んで大変でした。寄る年波には勝てないってことでしょうか。2日目ぐらいからテント山行は今回で終わりにしとうと心に誓ったはずなのに、下山して2日もたてば、来月の北岳-間ノ岳-塩見岳もテントを担ごうかと思っている。小屋が混んでいると聞けばなおさらです。聖も光も良い山だったかな。ピークだけが100名山ではなく、山塊そのものが名山であれば光石やイザルヶ岳をもつ光岳もその一つに上げられるのも頷かざるをえないですね。
まあ今回も若者のバイタリティーとパワフルさに助けられましたね。
また来月の山行よろしく。
 姫の感想
深田久弥氏に「何故この山々を百名山に選んだのか?」と問うてみたくなるような辛くて厳しい山々でした。しかし言い換えると、百名山と認定しなければ誰も訪れることのない様な南アルプスの奥深い山だっと思います。3泊4日中、ずーっと重い荷物が肩に食い込み、きつい登りでは荷物に後ろから引っ張られるような気がして「離してよっ!」と叫びたくなるほどでした。「ああ、今回でテント泊はおしまいやな」と実感しました。山小屋が混雑していても、ざわめく騒音に悩まされるよりもテント泊が良いと意地を突っぱねていましたが、ここら辺が限界の様です。大峰・奥駈け道を18kg背負って8日間も縦走したことは過去の事なんです。確実に老化体制に入っている自分の体力を知り、小さなリュックひとつ背負い「凄い荷物ですねぇ!お先に~」と颯爽と私達を追い抜いて行った登山者の様に少し楽な登山をしたいと考えています。とにもかくにも「あと2座、そして打ち上げ山行の利尻岳」を目指して、また日々トレーニングに励みたいと思っています。
文:美智子姫