2016
春の風物詩「2016イタドリ採り4連発」
春も終わりを告げ季節は桜からツツジへと変わり、新緑の候を迎えました。山々に雪は残るものの麓はすでに初夏の気分です。今年もイタドリの季節を満喫しました。イタドリは見事に成長し、既に硬くなり葉が出始めましたので今季は終了となりました。「採るのは楽し、剥くのは辛し、食べるのは美味し」の2016年版を記録しました。
●4月10日から12日 白浜・勝浦方面にて・・・同窓会下見
2017年の同窓会下見で勝浦へ向かう途中にイタドリを見つけました。勝浦の人達は「ゴンパチ」と言うらしいです。車を停め藪の中に入りイタドリを抱えてホテル浦島へ渡りました。夕食後、下見の打ち合わせをしながらイタドリの皮剥きをし、塩漬けをし、楽しい思いで作りに一役買ったことはいうまでもありません。幼い日々を同じ環境に育ち、同じ時間を共に過ごした友とはイタドリへの愛着も一緒です。バックミュージックにハーモニカを奏でてくれる友もいて楽しかったです。
●4月16日 談山神社付近にて・・・岳友たちと
「又兵衛桜を見に行こう」と約束をした岳友と、散り急いだ又兵衛桜を諦めて「高見の郷のしだれ桜」へと行先変更しました。談山神社イタドリコースは行先がどこに変更になろうとも変更せずにしっかりと採れました。3人の仲間の分もたっぷりあり春は見逃せない場所です。由緒ある談山神社の桜は既に葉桜となっていました。
●4月24日 水越峠にて・・・親戚一同と
恒例のイタドリ祭りです。私の家族と姉の家族で総勢15名が毎年同じ場所で同じ時間に集合しバーベキューや、たこ焼きや、すき焼き等を楽しむのが春のイベントとなっています。亡き義兄が「後をたのむぞ」と息を引き取りましたので親族の輪を重んじるために毎年の恒例行事としています。子供たちが大きくなると、それぞれが多忙になり参加ができづらくなりますが、都合のつく者で義兄の思いを引き継いで行きたいと思っています。今年はバーベキューの年で準備が大変でした。道具が定位置に収まると、ひとつの村が完成したかの様な賑わいでした。準備に夢中になりあまりイタドリが採れていないのが、ちょっと心残り・・・でした。
●5月1日 水越峠にて…姪っ子と
家族との「イタドリ祭り」で心残りがありましたので姪っ子に再び行こうと誘うと「オーケー」と返事がきました。もうひとりの姪っ子は看護師の仕事で夜勤明けなので不参加です。「おばちゃん!私のイタドリ分けてあげようか?」とラインがきましたが「私はイタドリが欲しいのではありません。採りたいのです」と返信すると「だよね!」とラインが返ってきました。前回と同じところなのですがイタドリは豊富です。「水越峠」改め「イタドリ峠」と改名したいくらいです。1週間前に沢山採ったばかりでしたが、小さかった芽が雨でニョキニョキと伸びて大量の収穫でした。私がイタドリを背負って東屋まで戻り、昼食を取っているとおばさんがビニール袋を持って登って行きました。登山者とは違う恰好できっとイタドリ採りに来た様子です。「かわいそうに・・・私が全部採ったのに・・・」言うに言えず食事をしていたらすぐに降りてきました。駐車場所を探していたご主人に「お父さん!今年は1本も無いわ~」と報告をしながら車に乗り帰って行きました。陰で「ごめんなさいね」と思いつつも頬はニヤニヤ・・・。おばさんの後ろ姿を見送り、堪え切れずに姪っ子とふたりしてゲラゲラ大笑い。「みっちゃんのおばちゃんの採った後から行っても、そりゃないわなぁ!」
どうも水越峠のイタドリ人口が増えたみたいです。

イタドリを採っていると、どのようにして食べるのかを聞いて来た人が何人もいました。姪っ子の目が「調理方法は教えたらアカン!来年採れなくなるよ」と睨んでいるのが目に入りました。(笑)「漬物にするのですか?」と聞かれたので「採るのが楽しみなんです」と適当に答えて帰ってきました。嘘ついてごめんなさいね。

今日も多くの登山者が水越峠から金剛山に登って行かれました。トレイルランの人も多かったです。若者がイタドリに関してあれやこれや質問してきました。「それは何と言う名前ですか?」「標準語ではスカンポ、通称イタドリ」「美味しいのですか?」「そりゃあ山のキャビアだもん」「え~っ山のキャビアですか・・・初めて聞きました」「私も今、初めて言いました」と和やかに談笑。彼らは連休中ダイヤモンドトレイル歩きをするらしくテントを持ち大きなリュックを背負い金剛山に向かいました。

自宅に帰ってからイタドリの重量を計ったら7キロもありました。皮を剥き食べごろにカットしていたら半分以下に減ってしまいますが3時間かけて下処理完了です。姪っ子は出かけるとき「今日はおばちゃんに付き合うだけで採らない、要らない、持ち帰らない」と言っていましたが嘘ばっかり・・・。だって、川の向こう側にあるイタドリをゲットするためのサンダルまで用意して採る気満々でしたよ。

愉快なイタドリ採りは今シーズンは終了致しました。幼き日、学校帰りに水筒も無い、ペットボトルも無い時代に喉の渇きをイタドリに求めた懐かしい幼き日の思い出を辿ることができて幸せに感じています。多くの人はイタドリを雑草と言いますが私の中では「山のキャビア」です。
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文:美智子姫