2016
まるで姥捨て山道中やな・・・ってか?…いえいえそんなめっそうもない…楢山節考です
 播磨富士登山の折に「又兵衛桜を見に行こうね」と約束をしていましたが情報によると既に花は散っていると言うので急きょ、奈良県東吉野町にある「高見の郷」に行くことにしました。ここには千本のしだれ桜があると言うことで期待をして出かけることにしました。翌日は強い雨模様の予報、今日行かねばいつ行くのだと岳友に声をかけ4月16日の土曜日、初夏の様な青空のもとに海老江でjunkoちゃん、淀屋橋で靖ちゃんと合流して吉野へ向かいました。おっと〜その前に気がかりな場所があるんじゃないの?
談山神社の大きな駐車場の売店は閉鎖、桜は無残にも一輪も枝に残っていませんでした。ジョンお目当ての草餅もいつもはホットプレートの上で温まっているのですが閉まっていて残念です。 談山神社のサクラ見物と洒落込みましたが見頃は終わり花びらを掃く箒の音がカサコソと静かな境内に響いていました。今年の桜は少し早く咲き、早く散った様です。ザンネン。談山神社には藤原鎌足が祀られています。談山神社のある多武峰は、近世から吉野・長谷につづく桜の名所として知られ、桜井市指定の天然記念物で樹齢600年を誇る名木「ウスズミザクラ」が優雅に咲いているそうです(境内は拝観料要) 談山神社境内の前にある売店で草餅を買い、ションとjunkoちゃんはコンニャクの串刺しを美味しそうに食べていました。junkoちゃんが「姫ひとくち食べる?」とコンニャクを目の前に・・・おっそろしい~!(私はコンニャクアレルギーなんです)草餅を食べたいと言う第一の目的は達成です。駐車場に戻り一旦車に乗り、多武峰コースでイタドリを見つけるのが第二の目的です。過去には、やまたび倶楽部で大勢の参加者が沢山のイタドリを収穫して帰ったことがありますが近年はイタドリの親木を雑草として処分されたのか少なくなりました。それでも「あった!」「こっちにもあった!」と60歳を過ぎたおばさま3人がはしゃぎながら採って進んでいきました。ジョンは車の帆走、体調の回復したポッチーも同乗しています。私の目的はイタドリが採れれば満足なんです。3人とも沢山採れました。イタドリ採りの後ナビを奈良県東吉野村「高見の郷」にセットをして第三の目的地へむかいます。
命知らずのJunkoちゃんが、姫にこんにゃくを勧めています
大阪からなら名阪国道針インターから大宇陀経由国道166号線沿い杉谷大橋越えて500mの地にあります。電車とバスだと季節限定で近鉄榛原駅から直通バスが運行されています。1日1便しかありませんので時間をよく調べてから行かなければ大変です。バス代は往復2200円もかかります。しばらく走ると幟が風にはためき近づいて来たことを知らせてくれます。沿道には駐車場に停められず、はみ出した車が無数に駐車されています。奈良県の東吉野郡東吉野村に位置する高見の郷は、高見山の近く約650mの標高の場所に、約1,000本のしだれ桜が青空の下咲き誇るしだれ桜の名所です。奈良県と言えば吉野山の桜が有名ですが、ここは、しだれ桜のみで1,000本のしだれ桜の名所として有名です。展望台からは一目で1,000本のしだれ桜のピンク、ユキヤナギの白、レンギョウの黄色のコントラスの絶景が目に飛び込んできます。自然の癒しと絶景を愉しみ、美しい桜道を、ゆるりと歩きながら楽しめます。「天空の庭・高見の郷」は、大自然の中にしだれ桜の庭園を作りたいという想いから誕生しました。
全山 1000本の 枝垂桜です
ひとたび足を踏み入れると、他では類を見ない数の美しいしだれ桜を目にすることができます。高見の郷代表の島崎照章さんは『もともと檜や杉を育てる林業を営んでいましたが林業の衰退に伴い、山はだんだん荒れて行き、花が好きで県外まで見に行く母と山を有効活用できないかと考えていた父から「高見の郷」は誕生しました。』との事です。駐車場に到着し、何とか1台の空きスペースを見つけ駐車することができました。ここからシャトルバスで高見の郷入口まで行き、入場券1000円を購入し列の後ろに並びました。係員の説明を聞くと「この列はシャトルバスで上まで行く人の列です。歩いて行く人は列に並ばず自由に進んでください」とのこと。私達は登山に慣れているからと見栄を張り、標高650mを歩いて登ることにしました。ポッチーも大丈夫そうです。狭い階段は、すれ違う人、立ち止まって写真を撮る人でごったがえしています。桜も千本あるかも知れませんが人も千人はいると思います。途中でポッチーが喘ぎ始めました。無理もありません回復してまだ1週間ですから。引き返してバス利用を勧めましたがガンとして「大丈夫、行ける」と言います。他のメンバーには先に行ってもらい付添ながらゆっくりと登って行きました。三分の一の個所に休憩用のベンチがあり、みんなが待っていてくれました。このベンチからでも充分桜を楽しむことができます。ポッチーは中間地点をゴールと決め私達は頂上へ向かいました。
中間地点から勾配は更にきつくなり青息吐息となりました。ポッチーを連れて上がっていれば心肺停止になるかも知れません(笑)ベンチに残して来て良かったと胸をなでおろしました。人混みをかき分けるようにして頂上に到着。わんさと人が一杯です。吉野村の人達による太鼓ショーも繰り広げられていました。お店も沢山出ています。初夏の様な日差しと暑さにソフトクリームの店の前では長蛇の列が出来ています。私達も、しだれ桜の下で弁当を広げました。ジョンが「こんなところで弁当広げるのは久しぶりやなぁ」と感慨深そうです。時折、花びらが弁当の上に舞い降りて「花びらのふりかけ」となりました。風情も楽しめました。更に展望台まで登ることにしました。頂上付近の桜はまだ木が若く、いずれりっぱな、しだれ桜になるのだろうと期待が持てました。
登りはきついが、登ってしまえば桜の園です
急斜面は砂利玉が敷かれたような地面となっていて滑り易いです。「下りは気をつけないと滑るなぁ」と言いながら登っていると、なんと上から老人がすってんころりんと滑ってきました。私の目の前を通り過ぎようとしましたので、このままでは後頭部を打撃すると咄嗟に老人のリュックの紐を掴みました。尻餅は付きましたが頭はあわやのところで打たずにすみました。「ありがとう」と言って降りていきましたが手摺りを持って降りるように声をかけておきました。 
展望台から下を見ると山がピンクに染まっています。葛城山がつつじで紅く染まるなら、高見の郷は枝垂桜でピンク色に染まっています。ここに来れたことに感謝です。
下りはシャトルバスを利用することにしました。係員の人に「バス代はいくら?」と聞くと「無料です」との事。入山料1000円の中の経費に含まれていたんですね。バスの中でjunkoちゃんの顔を覗くと青ざめています。急こう配を下って行くので遊園地のジェットコースターに乗った様な恐怖を感じているようです。前の座席の人は「転落しても杉並木でひっかかるわ」と話ているのが聞こえました。生きた心地のしない車内ではありましたが歩くより随分と楽でアッと言う間に降りてきました。ポツチーは自力でぼちぼち降りていた様子でバス停のところで待っていました。更に駐車場までシャトルバスに乗ったのが午後2時過ぎ。それでもまだまだツアー客を乗せた観光バスは、どんどんは入ってきます。途中の道の駅に立ち寄り草餅・桜餅購入し、帰りの車の中で「イタドリが萎れていると思うけど、帰って水に浸けておけばシャンとするから、それから皮剥いてね」と付け加えることも忘れませんでした。さすが季節限定イタドリ姫!淀屋橋で靖ちゃん下車、海老江駅でjunkoちゃん下車。安全運転で楽しい桜見物の一日を終えました。
  ひめの感想
「ああ~知らなんだ知らなんだ・・・」
高見山登山へは行ったことがありましたが、こんな近くに、こんなに素晴らしい枝垂れ桜があるなんて、しかも千本も!
又兵衛桜に振られてしまいガクッと来ていましたが来年からは高見の郷に決めようっと思うほどの感動でした。イタドリもたっぷり採れました。
山歩きをちょっと一休みしてお花見ウオークもなかなか良いものです。ただ電車とバスでのアクセスが悪いため、今までは存在に気が付かなかったのかもしれません。
ツアー客の多いのには驚きました。遠くは名古屋から来ている人もいました。
今回ポッチーが途中で下山しましたが大勢の中から探すのも一苦労でした。山や人混みの多いところへ出かける時は特徴がある服装、できるだけ目立つ服装で出かけましょう。迷子になってもすぐ見つけられます。
文:美智子姫