2016
「もう雪なんて無いぜっ!」そう言いながらも、ひな祭りの前日に滋賀県比良山系に雪が降ったと聞きました。
「行くぞっ」そんな掛け声をお供に連れて、今回は一服劔さんもTeamJJ さんも一緒です。アイゼン、ピッケル、ヘルメットの三点セットを抱えてJR茨木駅に向かいました。午前6時30分集合です。既にTeamJJ号はトランクを開けて私達を待ち受けてくれていました。一服劔さんも到着しています。JR茨木駅を出発し名神茨木IC~京都東IC~湖西バイパス~イン谷口駐車場へ、68㎞の道のりを快適に走り午前7時25分に到着しました。
 タイムスケジュール
06:24 JR茨木駅発 ⇒07:25 イン谷口駐車場着 ⇒07:40 大津ワンゲル登山口 ⇒09:12 雄松山荘道分岐 ⇒10:42 釈迦岳 ⇒
11:08 カラ岳(昼食) 11:35 ⇒12:23 ロープウエイ駅舎跡 ⇒13:15 神爾谷下降スタート⇒15:40 神爾谷・釈迦岳分岐 ⇒16:00 リフト山麓駅跡
JR東海道線・茨木駅前広場で集合です
名神高速道路・京都東ICから湖西道路を通ってイン谷口に到着でーす 
さあいよいよ出発です
出発準備を整え「大津ワンゲルコース」を進みました。大津ワンゲルコースはどの資料を見ても「厳しい」と書いています。川を渡ってワンゲル道へ入るとすぐ溝の中を歩いている感じがしました。やがて倒木が何本も道を塞いでおり「誰がノコギリ持ってきて~」と叫びたくなるほど何本も大木をまたいで登って行きました。ポカポカ陽気に汗が流れ出し、出発してすぐに衣類調整することとなりました。釈迦岳を目指していくのですが雪はほとんど見ることができません。遥か遠くに見える山々も雪を感じることができません。「あっ雪があるっ!」トップを歩いていたJ1さんが教えてくれました。少しばかりの雪の塊に足を乗せ記念写真を撮ったりして楽しみました。「こんなに雪の無い年は初めてやね」釈迦岳直下にある急登に辿り着きました。「雪があったら楽しいのにね」「結構きついね」などと口々に感想を述べながら登り切り、しばらく行くと釈迦岳(1,060.3 m)に到着しました。
大津ワンゲル道一番の核心部です
足が攣りましたー。すかさずレスキュー隊の到着です。アミノバイタルとツムラ68を携行してくださいねー
樹木の向こうは打見山・蓬莱山方面です
釈迦岳の頂上だぞう
わー。釈迦岳山頂の二等三角点は地面と同じ高さやー。びっくりポンや
安心してください…疲れてませんよ カラ岳アンテナサイ
カラ岳アンテナサイトのそばで昼食でーす
やっと雪とのご対面がはたせたのです。「三角点はどこ?」どこを探しても見当たりません。粘り強く探しやっと見つけることができました。見つけにくいはずです。平地と同じ高さなんです。訪れた登山者が、よくわかねように石囲いをして釈迦岳を去りました。 釈迦岳から20分足らずで、カラ岳(1,030 m)に到着。カラ岳と言っても電波塔だけがあり山頂らしきところは何もありませんでした。日当たりもよくここで昼食タイムとなりました。30分程ゆっくりとした後に北比良峠に向かいました。 
 ガリバー旅行村への分岐点 比良明神
 いにしえの駅舎広場です  武奈ヶ岳を望みます
北比良峠のケルンが見えてきました。武奈ヶ岳もよく見えています。ケルンに腰をかけて休憩しているおじさんがいるのでなかなか記念写真が撮れません。シビレを切らして「さあっ!ケルンをバックに写真を撮ろうか?」と言うと、やっと気づいたのか出発していきました。いつでも、どこででもそうですが看板、ケルン、三角点などは山を愛する人達の共通の宝物です。占領しないで貰いたいと思います。
北比良峠です アイゼン装着、ロープを担いで用意万端OK
神爾谷への下降点…ちょっとビビります
北比良峠の看板を見ながら雪の中を歩いていると、下山に利用する神爾谷のコース入口に到着しました。「ここでアイゼンを履き、ピッケルを出そう」神爾谷の斜度は65度。かなりきつい斜面です。足を滑らすと川まで落ちて行きそうです。最初はザレ場で体が流れて行きそうになりました。必死で食い止めます。ザレ場の次はかなりの積雪です。危険個所通過用に持参したロープをセットしましたが、ロープが砂に埋まったり、雪にからまったりと足場の悪い傾斜面で悪戦苦闘しました。やっとの思いで谷筋に下りても雪解け水の量は半端な量でなく懸垂下降をしたり肩がらみでビレイしたりと難儀の連続。緊張の連続が疲れを吹っ飛ばしてくれました。
神爾谷の核心部を通過です
神爾谷の主が「疲れてる場合じゃないんだよ!安全に通過しろよっ!」と言いたげな厳しさの中にも神爾谷だから味わえる醍醐味も感じられました。谷筋を抜けたと思ったら谷筋に向けて傾斜する細い登山道が続き、安全地帯に出るまで約3時間はかかっていたと思います。しばらく歩くと山の中だと言うのに(標高800m付近)赤い鳥居が二基立っているのが見上げられました。ここには天神社の祠が祀られているそうです。やがてゆるい道になり、足を止めて見上げると天神宮の鳥居のはるか上の方には立派な大杉に守られるように祠がありました。 
往時を偲ばせる比良リフトの駅舎です
神爾の滝の音も耳で確認してスルーしました。リフト山麓駅跡が見えてきていよいよゴールです。午後4時ちょうど「ゴール」です」ゴールの場所に山から湧き出た水が溢れており足を止めるとJ1リーダーが「先に車に戻っています」と声をかけて足早に降りて行きました。
私達もクールダウンなどと呑気なことを言いながら下山の開放感に浸っていました。車に戻ってみるとサプライズが待っていました。一足先に車に戻った「J1リーダー」が、お善哉を用意してくれていたのです。車に近づくとお餅の焼けた匂いがプーンとしてきました。嬉しくてその場にへたり込みました。荷物の片づけを後回しにして頂きました。人の温もりと甘い舌触りと香ばしい餅が口の中いっぱいに広がりました。おいしかったです。ごちそうさまでした。
湖西バイパスで少し渋滞に遭いましたが京都東IC、名神茨木ICと順調に戻り茨木駅近くにある「王将」で反省会をしました。今回は立ち寄りませんでしたが『神爾の滝は7滝の滝群といわれています。「雌滝」落差12mもあり滝群最下流の標高470m、その上流の「分岐滝」落差10m、雄滝17m、更に上流の「小滝」落差5m、下流二滝は登山路から渓流への急峻下り路が危険なため案内標示はされていないそうです。「雄滝」段瀑(ハネ滝)標高520mは登山路に標示板で「神爾の滝」と案内されています。雄滝上流には堰堤を越えた谷の上部に崩れかかった小さな滝があるようで、それらを含めた7滝群の総称を神爾の滝というのだそうです。雄滝の上流に落ちるとされる三滝は水量が無いそうです。』春先にはイワカガミやイワウチワなどが咲き乱れる美しい谷となることでしょう。
teamJJ-J1の感想
昨日はお疲れ様でした。ご一緒できて楽しかったです。ありがとうございました。
ロープ、濡らしてしまいすみませんでした。今日は朝から、洗濯やら後片付けです。
JONさん、ロープワーク、いろんなことお聞きしたかったのですが時間がありませんでした。次回また教えてください。お願いします。

姫さん、車は必要ならいくらでも出しますので全然気にしないでください。
伊田さんのメルアドわかりませんので取り敢えず姫さんから転送お願いします。

伊田さん、徹夜明けで眠かったでしょう。それに遠方からの集合で朝イチの電車だったとか。お疲れ様でした。
期待されていた積雪量でなくて残念でしたがまた機会があればご一緒したいです。

伊東さん、苦手なルートに付きあわせてしまってすみませんでした。これに懲りずにまた付き合って下さいね。

 teamJJ-J2の感想
 昨日はお疲れ様でした。楽しい山行でした。いつも北岡さんと二人なので、大勢の山行は殊の外楽しかったです。

左膝痛で前日は階段を降りるのも痛かったのですが、サポーターで固め、何とか最後までもってくれました。
北岡さんの腰痛もそうですが、山に行くと嘘のように歩けるのが不思議です。

皆さん 神璽谷のようなトリッキーなルートがお好きなようですが、私は実は苦手なんです。
いつもバリルートは北岡さんに引っ張られて行っているようなものなのです(笑)実は実は 怖がりなのです。

こんな か弱い乙女(?)ですが、また機会がありましたら ご一緒して下さいませ。

 一服剱さんの感想

土曜日はおつかれさました!日曜日は,一日野球の試合でした。
いつもお誘いありがとうございます。
初めての人達との山行で隊を組むと「なるほど」と思うこと等もあり勉強なります。
雪のシーズンも終わりましたが,次は山の匂いを感じることができる春山のシーズンです。
年度替わりがすこしバタバタしますが,またお声かけくだされば幸いです。

雪に触れあえて幸せでした。ありがとうございました。
おつかれさました!


 JONの感想
 土曜日は大変お世話になりました。寄る年波には勝てず、バテバテでした。歩行バランスも年々悪くなり、人が空けたツボを拾って歩くのは大変でした。何度バランスを崩したことやら、幸い転倒には至りませんでしたが…。体力の衰えはどうしようもないところがありますが、もう少し頑張ってみましょうかねえ。
スタンディンアックスビレイの写真を撮りたかったのですが、何分雪が少なく撮影できませんでした。RIJYU&toko510さんたちもガイドブックで研究してください。また、この技術に関しましては細かいロープ操作を要求されますので、近くの山岳会に加盟するかショップでお尋ねください。そのほうが賢明だと思います。

 ひめの感想

今回は、コースの選定や車の提供など、teamJJさん達に「負んぶに抱っこ」で、随分御世話になりました。今シーズン最後の雪と出会えてうれしかったです。風もなく穏やかで、暖かい山行でしたが、急な天候の変化などのアクシデントにも敏速に対応出来るように、アイゼンの装着、雨具の装着などのトレーニングが必要だと痛感しました。大津ワンゲルコースはかなりハードなコースですが懸垂下降などの楽しみも多く、下山時の美味しいお善哉の味とともに忘れられない山行となりました。ありがとうございました。

文:美智子姫