「日本百名山探訪 東北・上越の山 飯豊山」
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●第5日目 (10月11日・日曜日) 雨 
切合避難小屋-姥権現-御秘所-御前坂-本山小屋-飯豊山山頂…往復
一晩中目を覚ますごとに風雨は強くなっていくような気がしました。出発は5時の予定ですがまったく止む気配を見せずしばし思案に暮れました。意を決して飯豊山に向かうことにしました。荷物はサブリュックで最小限に携行し雨の中元気よく出発しました。私達には怖いもの無しみたいです。途中で下半身ずぶ濡れになった男性が下山してきました。「合羽のズボンを忘れて寒くて耐えられなくなり頂上を踏まずに戻ってきました」そして別れ際に「装備が甘かったです」と反省の言葉を残し下山してゆかれました。
タイムスケジュール
切合小屋 07:00
姥権現 07:40
御秘所 07:55
御前坂 08:10
本山小屋 08:50
飯豊山山頂 09:00
本山小屋  09:20
10:00 
御秘所 10:35
草履塚 11:05
切合小屋 小屋泊 11:35
「姥権現」の手前で一人の登山者がうずくまっていました。理由を聞くと飯豊山本山に行きたいのだが道迷いをしあたりを彷徨していたとのこと。「よろしければご一緒しましょうか?」「ぜひっ!」と我々のパーティの中に特別参加をして頂上を目指します。「助かりました。」と本人の弁。 
 パーティのメンバーが一人増えました。途中で道迷いをしていた男性と頂上まで行くことになりました。
 「御秘所」には姥地蔵(うばじぞう)が鎮座しています。
この地蔵、『御秘所』と岩場が呼ばれている由来に関連しているそうです。
古く、飯豊山に登ったきり帰ってこなかった息子を探すため、女人禁制だった飯豊山に母親が男装して登りました。
難所であるこの岩場は、両手両足を使わなければ山頂までたどり着けません。
この岩場を登っている時、急に風が吹き、着物の裾が捲れ上がったことから、女性であることが分かってしまいました。
神の怒りに触れた女性は石にされたという伝説です。
『御秘所』という名前の由来もこの伝説から言い伝えられているそうです。(※諸説はあるようです)
数人の下山者と行き交いながら本山小屋に到着です。小屋前には小屋じまいの支度をしていた管理人さんが立っていました。「先に頂上を踏んできます。帰りに寄ります」「この小屋にしか無いバッジやタオル、ビールも酒もあるよ」「えっ?ビールあるんですか?」ビールに即反応したのは宇都宮チームのトモちゃんでした。 
いっこうに風雨は止まず20分ほどで頂上に到着しました。それぞれが記念写真を撮り「下山するぞぉ~」と逃げるように本山小屋に入りました。本山小屋に約20分は休憩していたと思います。管理人さんから小屋閉めの話や気象の話などを聞かせてもらいました。小屋を出るころには風雨も弱くなり、雲が切れて瞬間的ではありますが雲の切れ目からみえる景色は晴天の日では見れない良さがあります。
御秘所…気を付けて通過しようね
御秘所の難所も難なく通過しました
姥権現まで帰ってきました 
【草履塚】
草履塚は飯豊本山前の稜線にあたり、草花が多く茂っているこの場所は、難所である「御秘所」の前にあります。
御秘所を渡る前に態勢を整えるため、ここで草履を履き替えていたそうです。捨てられた草履がやがて養分となり、ここは草木が生い茂るようになっただとか。 
 スルメがあるの!  豚のお鍋もあるの! 牡蠣のかやくご飯もあるの!
切合小屋に戻り所定の位置に戻ると向かい側で2人の登山者が弁当をたべていました。私達もこれから大宴会です。

スルメ、鍋料理、うどん、キムチ、牡蛎ごはん、ビールにワインに差し入れの焼酎等・・・
なるほどあの大きなザックにはこれが入っていたのか~!感激の宴会は食料が尽き果てるまで延々と続きました。食べ終わったら満腹で横になったらそのまんま寝てしまったみたいです。2時から宴会をはじめ終わったのは午後6時30分ぐらいでした。「酒と肴があればまだ続いていたよきっと。」

みんなで「雪山に消えたあいつ」を歌いました。
(感動その①)
宇都宮チームがサプライズでビールやワインをこっそり担ぎ上げてくれたこと。
(感動その②)
私と同じ思いで北海道旭川から「雪山に消えたあいつ」のCDを取り寄せていたこと
等々若い2人に心よりのおもてなしを受けました。共通の目的があれば歳の差なんて関係ないですね。ごちそうさまでした。
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写真:美智子姫●●