久〜〜〜〜ぶりのクライミング…5.10が登れない。   ワー…大きな落石あわや大惨事。
2012年6月長期研修で転勤扱いとなっていたkazuくんのクライミング講座を再開しました。尼崎駅ホームは「篠山マラソン特別列車」のアナウンスが響き渡っていました。3月3日は2013年篠山マラソンの開催日なのです。篠山マラソンは毎年3月に篠山市役所をスタートし、篠山城跡をゴールとする日本陸上競技連盟公認フルマラソンコースで、ここ数年は、元女子マラソン選手の有森裕子さんが毎回ゲストランナーとして招待されています。尼崎駅構内は電車を待つ参加者でごったがえしていました。参加費5500円だそうです(昨年は4300円)
 篠山マラソンための臨時列車 梅の花もほころびて  あれが岩場かぁ 
 目指す岩場は桶居山の山裾に  登山道を登っていく もう先客がやっています 
午前7時50分播州赤穂行きに乗り込みます。電車には大阪駅から既にkazu君が乗り込んでいます。尼崎駅では私達のほかに本日の指南役の「カンさん」、そして三ノ宮駅からはカンさんのザイルパートナー・ユカリちゃんが乗り込み、乗換駅である加古川駅で合流することになっています。加古川駅で合流の後、乗り換えて「ひめじ別所駅」で下車。山神社まで徒歩で行き、前回のクライミングゲレンデ「佐土新岩尾根」とは反対方向の「山神社」へと向かいます。風に乗って蝋梅(ロウバイ)の香りがして春間近であることが感じ取ることができますが朝が早いのか肌寒いです。
駅から30分ほどで山神社のゲレンデに到着です。既にロープが3筋垂れており、岩肌には色鮮やかな赤や水色のウエアーを着たクライマーが取り付いていました。「おはようございます。お早いですね」と挨拶をすると「いゃぁ我々は朝が弱いので昨日からテント泊したんです」とのこと。どうりで一番電車で到着した私達より早いはずですわっ!

先客は6人、私達は5人で隙間をねらってロープを垂らすことにしました。初心者用のルートには既にロープが垂れており、仕方がないので空くのを待ってその間、上級クラスの位置にロープをセットすることにしました。
指南役のカンさんがリードで支点を作ってくれました。岩場は、ほぼ垂直に立っています。後に続けと上を見上げるも初めての場所と朝いちばんということもありなかなかスムーズに登れません。ましてやkazu君は6ケ月以上のブランクがあるのでとても無理と判断するも本人はやる気満々です。
「行けるとこまで登って降りればいいさっ!」途中からロアダウンで降りて姫と交代です。姫も同じように半分も行かないまま「降ろしてっ!」あえなく撃沈です。
先客がルートを移動したのを見計らい最初より、やや勾配のゆるい場所にセット完了。ここは姫が先に行くことにしましたが、ホームグランドの六甲・芦屋と違いなかなか思い通りには行きません。

「降ろして下さいっ!」と叫びましたか「ダメッ!」との師匠の鬼のような声が跳ね返ってきました。また少し登って再度「降ろしてくださいっ」こんどは「ボク日本語よくわからないね」ネパールのマッチドラ・トレッキングガイドの真似をして知らん顔。
クソッ!歯を食いしばり何とか登りきって支点に到着。ロアダウンで着地し思わず「オニ〜!」って言っちゃいました。kazu君も足の置き方、手の置き方、姿勢などの指導を受けながら目いっぱい頑張りました。 
パートナーチェック中 KAZUくん必死で頑張っています
 いい形なんだけどなあ 初心時に半年のブランクは大きいです 
インスタントラーメンの臭いが漂ってきました。先客が昼食を始めたらしく、空腹にたまりません。私が土佐分担の会話をしていると若い女性が「私も高知の佐賀です」「私は中村です」思わぬところで同郷の人に出会い、親近感を覚えたので土佐分担をお裾分けしました。
カンさん&ユカリちゃん JONも歳やなぁ 下降時はちょっとにっこり
KAZUくんも頑張ります ビレイをしてるとちょっと若く見える? 果敢に攻めるユカリちゃん
 頑張るなあ  カンさん…いい登攀です  ヒトのぼりをして…
昼食を済ませ、休憩の後に午後の登攀に取り掛かったその時の出来事です。先客の登攀ルートからギャーッという悲鳴とともに大きな岩の塊が剥がれ落ちたのです。すぐに何が起きたのか理解できませんでしたが事の重大さ・危険さに身体が反応し岩陰に隠れたり転げ落ちる巨大な岩の塊から身を守るのに必死でした。
剥離した岩のルートをクライミング中の人は、宙吊りに状態に、ビレイヤーは私達の方に吹っ飛んできました。人間が降ってくるとはまさにこのことです。
もう一人の男性は大きな岩とともに2回転半ころがり着地しましたがもう一回転していたら20mほどの崖下に転落していたことでしょう。

私達は幸いなことに少し離れていたため転がる大岩を避けることが出来ましたが粉砕した小石が体やヘルメットに当たってきました。万が一岩の下敷きになっていれば間違いなく即死です。誰一人怪我もなく、何事もなかったかのようにトレーニングは再開されましたが命の縮まる思いでした。
この出来事があってからその日のクライミングは楽しさが消え失せてしまいました。混雑するゲレンデでは自分たちの動きは勿論ですが他のパーティの動きにも気配りしていなければ惨事に巻き込まれてしまいます。恐ろしくてしばらく「山神社の岩場」へは行けません。
 岩の外れたあとです この岩が15mくらいの所から落ちてきました 
その後も、若い女性がクライミング中に足がロープにからまり、逆さ吊りになってしまいました。もがいても、もがいても外れる様子はありません。隣のロープから助っ人が登り、逆さになった頭を、ゆっくりと正常の位置になおしました。血液が逆流していたのかしばらく下降することができませんでした。冷静にカメラのシャッターを押し続けましたので原因追究に役立つのではないでしょうか。「天地が逆になる事もある」とは聞いていましたが、目の前で続けて起きた出来事に恐怖心は大きく残像として残ってしまいました。
初心者用のルートが使用できることになり登攀練習を繰り返しkazu君が支点まで到着することができました。
「今日の感想は?」と聞いたところ「歯が立たない」場所であることを話していました。色々な岩場を体験することにより腕を磨いて上達できるのです。私は今回は懸垂下降のチャンスもなくストレスが残りましたが安全第一であることを痛感させられた1日でした。

帰りは途中の居酒屋の立ち寄りいつもなら「反省会」をするのですが、剥離した岩の後遺症があり、誰もその元気はなく、さりとて素面で帰る気にはなれず、駅前のスーパーでカップ酒を購入し電車の中で飲んで無事であったことに乾杯をした次第です。

次回はホームグランド六甲・芦屋に戻り「終了講習」が待っています。

     美智子姫:記0000