JONのリハビリに地獄谷にでも行っか
 桜・さくら・サクラ〜 芦屋川沿道は花見客でいっぱい!地獄谷もアイゼントレーニングでいっぱい!
8日の日曜日、ジョンのリハビリに芦屋・地獄谷にアイゼン履いて出かけました。天気はポカポカ陽気!桜は八分咲きといったところでしょうか。
阪急芦屋川の川べりには沢山の花見客と沿道には屋台や出店、河原には特設ステージが設置されてお花見気分いっぱいでした。
「帰りに寄ろうな」と言いながら地獄谷に向かいました。

中央稜から下りると、5人組の先客がアイゼンを装着中、ゲートロック直下の岩が転がる危険地帯で準備していた2組のアイゼン・ピッケルを持った登山者がスタートして行きました。
私達も広場の隅を利用してハーネス、アイゼンの準備をし「あの5人組が出てからスタートしようなっ!」と先客の出発を待つのですが、大きな声で、お話が弾んでいて、なかなかスタートしそうにありません。
「しゃべるか、準備するかどっちかにすれば〜。山は危険、今は何をする時かを教えなきゃあ先がおもいやられますよ。…ねえリーダーさん」
「じゃあ先に行くか!お先に!」
 
私達の後ろから軽装スタイルの若者4人がハイキングモードで進んでいきます。ここは一般登山道ではないのですが今日は、やけに小さなリュックを背負い簡単に地獄谷を通過している人が目立ちます。しかし、しかしです。メンバーの中の女子の足並みが揃いません。そりゃそうでしょう。いきなり地獄谷は無茶でしょ〜。いつも休憩をする獅子岩の先の「アイゼントレ岩」は先客がいて今日は使えそうにありません。「アイゼントレ岩」をスル
ーして先に進むことにしました。小便小僧滝を過ぎ、A懸垂岩に行く途中、私達を追い越して行った軽装スタイルの若者4人組が四苦八苦していました。私が最初の頃「苦手な場所」としていたところです。右足と左足を間違えるとなかなか登れない箇所です。ジョンが「残地ロープに頼らず、ここに右足、ここに左足を置いて、あとは上の木の根を掴んで」とアドバイスをすると若者達はスムーズに登ることができました。

その瞬間、上から何かが降ってきました。ヘルメットを装着していたので怪我はなかったですが落石よりも恐ろしい一瞬でした。リュックから水筒が落ちてきたのです。直撃していれば失神していたかも知れません。本当です!。「拾って行ってあげるから上で待機してて〜!」と言い、シュリンゲに水筒をくくり付け若者の待つ場所に到着です。「すみませんでした。怪我はありませんでしたか」と平身低頭の態度でしたので叱らず「リュックの外ポケットは浅いから気を付けて」と助言をして若者達と別れました。一歩間違えば恐ろしい事故に遭遇です。何度も言いますが、地獄谷は一般登山道ではありません。それを軽装でハイキングモードで登っていた若者が起こした人災だと思っています。ちょうど岩がガードしてくれて頭の上をかすめて落下しましたが、事の重大さを感じている様にはみえませんでした。

私達は登攀中の登山者がいる場合、滑落予測線には入らないようにしていますが、上から落とした岩や物品は途中で跳ねて何処に飛んでいくか分かりません。お互いに注意しましょうね。
万が一、ヘルメットを被らず登山中に、水筒が頭に当たり気絶したとします。やっとの思いで上に登った若者が事の重大さに、素早く降りてきて手当をしてくれるとは想像できません。こんな場合を想定して、すぐ後ろを歩かずに少し距離を置いて歩くのが安全だと思います。今後は充分気を付けたいと思います。
リュックのポケットにも問題があります。私の使っているリュックは「ZEROPO」ですが外ポケットが浅いです。私は百均ショップで網を購入し改造してポケットを深くしています。リュックによっては深いポケットのものもありますので購入する場合はよ〜く吟味して購入してください。リュックの外にポケットが沢山ある物は藪漕ぎなどをした時に行く手を阻まれる場合がありますので充分注意をしなければなりません。あくまでも「シンプルイズベスト」ですね。
アルプスで落石により死亡すると言う事故をよく耳にします。落石は普段からの足の運び方に注意をしていれば防げます。
荷物の落下はきちんとリュックの中に整頓すれば落とし物で山を汚すことはありません。リュックの外に手袋、タオル、ジャンバーなどを吊ったりはさんだりしている人をよく見かけますが、わずかな手間を惜しまずにリュックの中にきちんと仕舞いましょう。今後の課題はペットボトルをどう収納するかだと思います。暑くなると手軽にすぐ取り出したいために浅いポケットでも入れている人が多いです。しかし頭の上から水筒が落ちてきたら考え直すと思います。山の事故は加害者になっても、被害者になっても悲惨です。
そんな恐ろしい出来事が過ぎ、A懸垂でアイゼンを付けてクライミング中の4人組に出会いました。「あっ!imaちゃん!」そうです。ジョンが所属していた山岳会の皆さんでした。imaちゃんの指導ぶりをしばし見学ののち「姫さんも登って下さい見学します」との話になりジョンの命令により、アイゼン履いて、右手でピッケルを持って、両手に手袋でリードで登り、ロープを回収して懸垂下降してきます。
山岳会のベテランギャラリーの見学する中、冷や汗もんでクライミングすることとなりました。
(ほんま緊張しましたで〜) 
岩肌をさらけ出しているB懸尾根とその後方がC懸尾根
その後、私達はC懸尾根からピラーロックへ移動しました。途中で下山してこられた単独行のおじさんが私達の姿を見て「えっ?このコースアイゼンいりまっか?」(そんなはずないやろ!訓練じゃ訓練!)
ピラーロックでもザイルを使ってアイゼントレーニングをしている人達がいました。今日は天気もよいことからアイゼントレーニング花盛りです。きっと目的の山はそれぞれに違っていてもトレーニングをしてからゴールデンウイークに春山登山なのでしょう。
安全に対してはみんな同じ気持ちなのでしょうね。

ピラーロックでアンザイレンを解除し、アイゼンを外しあとは下る一方となりましたが、午後2時を過ぎていると言うのに子供連れ家族が何組も登ってきます。交差するのに結構時間がかかりました。中央稜も春休み最後ということもあって、家族連れで花盛りの様子でした。
地獄谷の入り口まで戻ると何やら高座の滝周辺が賑やかです。音響装置を整え沖縄民謡を歌っている歌手(?)がいて人だかりがしていました。
「十九の春」を三線を奏でながら歌っていました。この歌はわが倶楽部の仲間だった喜久ちゃんの十八番で、昔よく聞いたものです。「♪もとの十九にしておく〜れ♪」 の歌詞に「そりゃ無理や!」 と茶々を入れた愉快な思い出が蘇りました。(大笑)

お稲荷様に無事下山の報告とお礼を申し上げ、滝の茶屋を過ぎもと来た道を下って行きました。
桜の花は、こころなしか朝よりは咲いている気がします。帰りに立ち寄ろうと言っていた出店付近は身動きができないほどに混雑しています。大きなリュックにピッケルが出ていて危ないため出店見物は諦めて阪神電車芦屋駅に到着しました。午後3時え〜え時間です。普通電車に揺られること1時間で自宅にゴールイン!
今日も有意義なアイゼントレーニングを終了することができました。  

JONはまだまだ全快とはいきそうにありません。
以前の体調に戻るまでにはもう少し、春山に間に合うかなあ。

0 美智子姫:記0000