安全登山のためのトレーニング
今日は、岩登りトレーニング・蓬莱峡の実施日です。参加者2名!何ともさみしい例会です。ならば急遽アイゼントレーニングに切り替えようと言うことになりアイゼン・ピッケル・ヘルメットに登攀用具を背負い、宝塚発9時10分のバスに乗りました。登山者らしき人は誰も乗っていません(きっと8時台に乗ったんでしょうね)
JONはのっけからしんどそう
座頭谷バス停で下車し蓬莱峡のザレ場で2時間ほどアイゼントレーニングを行いました。蓬莱峡のザレ場は随分と風化が進み、少し足を置くだけでボロボロとザレて行きます。ザレた場所を危険な谷側と想定してきちんと踏んで練習をしました。ロープも使い大屏風岩とほぼ同じ高さ位までのザレ場を登ったり、下ったりを繰り返した後に「今日はこのくらいにしといたろか!」と、やっと師匠のOKサインが出たため岩場に移動することにしました。この練習はきっと5月の春山(夢?幻?)に行ったとき役に立つだろうと思っています。アイゼンの歩き方、横歩き、垂直の下り、ピッケルの使い方のイロハは、頭で理解していても現場にくると身体がついてこないのです。飲み込みの悪い分は時間をかけ、回数を重ねていきマスターしました。
ザレ場の練習を終えて小屏風・大屏風のある岩場に移動すると、老人グループ(失礼・・かなり高齢の男性2名、かなり高齢の女性1名・若者1名)が先客として到着しており,、何やらロープを片手に勉強会めいたことをしていました。
「おはようございます」とあいさつをすると「いらつしゃい!今日はわしらだけかと思ってたわ〜」と人のよさそうな挨拶を返してくださいました。
どのゲレンデを使うかわかりませんが私達はすでにザレ場の練習を終えているため、ハーネスも付け、アイゼンも装着していることから
「お先に」
と声をかけゲレンデ狭しとあっちこっちを移動しまくりました。
(だってこの間はロープを張る場所がなかったんですもの・・・)
12時30分を過ぎたころ、昼食休憩を取っていると、その方達も小屏風の陽だまりへ移動して長〜い、長〜い休憩を取り、朝からまだ一度も岩場に取り付いている姿を見ていません。「勿体ないなあ・・」と私達はつぶやきながら、とうとう小屏風はその方達がいるため登攀できませんでした。アイゼン、ピッケルで登ったり下りたりは結構クタクタになりました。ほとんど前爪だけで岩場を登るため「あ〜っ!足が攣ったわ・・・ちょっと休憩したいです」何と危険な岩場の真ん中で休憩をする羽目になりました。まだまだトレーニングを積み重ねる必要がありそうですね。
この岩場は、いつもは登山靴で登るJONが、「今日はシューズ履くわ」そう言いながらクライミングシューズを履いています。
「えっ、今日は登山靴と違うん」「きょうは何か落ちるような気がするわ」「えらい弱気やなあ」「ザレ場でバテ気味やし無理せんとくワ」
何事も無理は禁物、でも、いつもの調子でリードであがっていきました。
午後2時台のバスに乗るため大屏風からの懸垂下降をもって本日のトレーニングを終了にしようとしたとき、やっと老人グループさん達が登攀練習をスタートさせました。
驚いたことにビレイをするのにATCやエイト環を使わず、ビレイループに付けたカラビナをチェンジディレクションにして「肩がらみ」で実施していたのに危険を感じました。
私もスタンディングアックスビレイや初心者のフォローに「肩がらみ」でビレイをする場合がありますが、あくまで上からのビレイであってリードのビレイには使いません。
(指導者の方・・あれで大丈夫なのですか?)
JONが言うには若かりし日には、足元にハーケンを入れて、そこにカラビナを掛け、ロープを折り返して肩がらみでビレイを行っていたそうです。現在は20種類以上の確保器が国内で売られていますので、自分に合った物、局面に適した物を選んで、より安全を求めてください。

最後は大屏風からの華麗なる懸垂下降でめっちや気持ちが良かったです!(華麗なるって自分で言うか〜!へへへ)

芦屋から有馬へ抜けたポチからメールがあり「有馬へ無事下山しました」との連絡が入りました
「座頭谷バス停で途中下車してゲレンデにおいでよ〜!」と返信すると「宝塚駅で待っていま〜す」との再びメール。1時間後に宝塚で合流しJR海老江で一杯飲んで帰ることにしました。(ポチは心臓手術の後遺症で右手の震えがひどくなり岩場に取り付くことができなくなり、この頃はクライミングには参加していません。)

2人だけのクライミングは休憩がなく、ビレイと登攀を交互にするため、中身は濃厚なのですがヘロヘロです。北アルプス等の登山時には、安全のためにぜひとも日頃から岩場の歩き方や岩場の越え方を身に着けておく必要があります。クライミングはその関所のようなものだと思っています。

姫の感想
参加者が少ないと「中止」となりがちなクライミングを今回は強行に実施してもらいました。八ヶ岳連峰・根石・天狗・硫黄を登山した時、岩場の通過がうまく行かないと、いたずらに時間ばかりかかり危険を招くことになります。岩場通過時に、つまづいて滑落をしないためにも今後も練習を続けたいと思っています。
JONの感想 
岩登りといっても私達のやる岩登りは基本中の基本です。あくまで岩稜帯の安全通過や沢登りの基本技術です。
「岩をやったって言ったら娘に怒られた、『お母さん山に行くのは良いけれど危ないことだけはやめて』と言われたので岩はしません」そう言われた事がありました。「山はとても危険なところです。日ごろのトレーニングが大切です。娘さんが心配されるのなら、登山は止められたほうがいいと思いますよ」と答えたことが思い出されます。
0 美智子姫:記0000