Yamatabi-CULB000
「たかが292メートル、されど292メートル、舐めたらいかんぜよ!市章山と錨山!」
 
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今日は神戸市の錨山(碇山とも書くようです)と市章山に登ります。JR神戸元町駅で集合し、震災後、力強く復興した神戸の町並みを眺めて元気をもらおうと元町駅午前9時全員集合、ミーティング、地図の配布を終え、手には、みんなコンパスも持ち、気構え充分の様ですね。そうそうこれからはコンパスと地図はいつもすぐ出せてすぐ使える状態を習慣づけるんでしたね。みなさん合格ですね。と言うことで早速歩き始めました。神戸の中心街、兵庫県庁前を通過しました。
今日のコースはジョンに言わせると「ピクニックコース」と言うことで、心もリュックも軽めのスタートとなりました。元町駅から鯉川通を登り詰めると、とても急な諏訪神社の坂道参道がありました。諏訪稲荷神社は狛犬ではなく大きなコン狐様の出迎えを受け、まずはお参りを済ませることにしました。この諏訪神社には仁徳天皇の皇后・八田皇女の離宮鎮護の神として祭られたそうです。昔から華僑のお参りが多く、中国で縁起の良い「赤」に配慮したそうです。また源平合戦のおりに源義経が武運を祈ったという伝えもあります。
錨山 市章山
諏訪山公園口に到着 全員登山準備 いきなりきつーい階段です
稲荷神社の長ーい階段 諏訪稲荷神社 ビーナスブリッジ
読図の勉強もしようと言うことで諏訪神社を過ぎた、小高い丘の上にあるビーナスブリッジから神戸の海を見下ろすこととなりました。「目標となる建物兵庫県庁にコンパスを合わせ現在地はどこですか?」みんな必死でコンパスを持ち、自分のいる場所を地図上に示します。
震災後、復興した神戸の町が美しくまぶしく輝いています。函館から嫁いで来てくれた嫁に「函館の夜景は百万ドルの輝きと言われるだけあって美しいね」と言うと「お母さん!神戸の夜景の方がずっと綺麗ですよ」と話してくれたことがありました。函館の夜景より神戸の夜景は、ネオンの色彩が豊かで華やかさがあるといいます。函館の夜景を「静の夜景」とすると、神戸の夜景は「動の夜景」なのでしょうか。どちらも満天の輝きの様に思えます。しかし残念ながら今回は百万ドルの夜景はお預けです。
錨山上部の見晴台で 明治天皇碑
神戸の山、「再度山、摩耶山、鉢伏山」などへは、いままで近すぎてなのか、いつでもいけると思ってなのか、なかなか登る機会がありませんでした。ちょっとしたピクニック気分もいいでしょうと言うことで節分も済んだ2月5日に出かけることにしました。お天気はポカポカと暖かくて汗ばんできそうです。
高速道路からは目にすることもある錨のマークと神戸市のマークを形取った錨山と市章山(292メートル)のイルミネーションは昭和8年、第1回みなとの祭りを記念して灯したのが始まりですが、それよりもずっと以前、明治36年に神戸港で行われた明治天皇観艦式のとき、数百人の小学生が錨山の斜面で錨の人文字を作り、日の丸を振って天皇陛下を迎えたことに由来すると言われています。
明治40年には神戸港築港起工式を記念し、市章と錨をかたどって松の木が植樹されたそうですが、間近を通過した際の樹木の種類は松の木では無かったように思いました。登山道にはドングリが沢山落ちていてこの山は動物にもやさしい山であることが証明されたようです。
堂徳山(337.5メートル)を過ぎたあたりで道が二俣に分かれていました。何となく右に取ると、しばらく行って、トップから「城山への分岐がありマース」と連絡。「戻って、さっきのところを左にとらんとあかん」。分岐でリロケート、やっぱり左や。左の取ってしばらく行くと車道と合流、「大丈夫これで合ってる」 次に出てきた分岐から車道と分けて登山道に入ります。さあ、ここからが大変。ここから林道と登山道を誤って登山道に入ってしまう。完全に地図をみながら、行ったり、戻ったりの試行錯誤をしながらクロスベアリングとリロケーとを繰り返します。よく似た地形があるもので、鉄塔から引いてみるとこの辺り、谷の感じは地形図どおりのよう、しかしまだ猩々池が来ない。
 
原助茶屋の跡地の東屋で昼食 大竜寺山門にて
再度車道からの道を頭の中で辿ってみると、「あかんさっき車道と分かれたところで左にいかなきゃあアカンかった」このまま進めば善助茶屋の跡地に出る、進もう」しばらく行くと「毎日登山広場」のある東屋に到着。善助茶屋の跡地や。ここで昼食をとることにしました。昼までとても暖かく汗ばんでいましたが、東屋の中は風が通り、肌寒ささえ感じるほどに冷えて来ました。暖かい飲み物が身体に浸みます。早々に午後の出発となりました。
大竜寺山門から市が原に出ると所々で飯ごう炊さんをしているグループもあり、我々も暖かくなったら、トッピー鍋をしたいねと言う話も出るほどでした。突然に背後から「山ガール」ではなく「山ボーイ」が3人駆け下りてきました。「キャーッ山ボーイや!」と言うと「そう言われるのんは、めっちゃうれしいですわっ!」と言いながら消えて行きましたが、格好だけが山ボーイで中味はおっちゃんでしたよ〜。そう言えば市が原のトイレ付近には「山ガール募集中」と書いた山岳会のチラシが貼ってありました。「何や、私らはあかんちゅうことか?山ガールの資格は何歳までや?」と好き放題言いながら楽しげに歩いて行きました。
布引貯水池にて
布引貯水池 ダムを下ります 神戸の街が近づいてきます
布引きの滝まで戻り、残すはあとわずかとなり「北野へはあと1q」と言う看板を目にして、少し気の抜けたところで、きつ〜いきつい登り道となり、みんな無言で「あと600メートル」「あと500メートル」と100メートル間隔で立つ看板を横目でチラチラと睨みつつ、やっと北野の町並みが見え始めました。
布引の滝・雄滝
神戸というまちは、青い海と六甲山という恵まれた自然を背景に、世界に開かれた港をもつ明るく開放的で異国情緒豊かな近代的都市。その象徴でもある異人館街は、今も建築の美しさと心地よい空間で、訪れる人々を楽しませてくれます。中でも有名なのが「風見鶏の館」赤レンガと尖塔の上の風見鶏で有名な神戸異人館街のシンボルなのですが改装中らしく建物にはスッポリと工事用のシートが掛けられていました。
北野天神 北野天神の叶い鯉
北野天神の石段 梅には早く、水仙が見ごろ 風見鶏の館
神戸北野天満神社の階段を見上げて「姫!代表で行ってきて〜!」と言うことで長くてきつ〜い階段を登っていると後から靖ちゃんも深っちも上ってきていました。ジョンさんに撮影を依頼すると、ついでにと言うかシブシブ上まで上ってきました。境内の中に「叶い鯉」が立っており、鯉に水をかけると願いが叶うと言うことで私達も水をかけながら願いを唱えることとなりました。そばに小さな子供がひとり来たので「この鯉なぁ水かけたら動くねんで〜ほらほら動いてるやろ?」と言ったその後からお兄ちゃんらしき子供と両親がやってきたので、思わず逃げちやいました。

そんなこんなでピクニックみたいな登山は、かなり厳しい、いつもと変わらないわが倶楽部らしい中味の濃い例会となりました。午後2時30分、三宮駅で解散〜!
北野坂を下ります

今回の読図ハイクに参加された方は上記のMAPをよく読んで実際の地形を思い出しながら確認してください。
文:美智子姫00000 写真/GPSデータ:JON