Yamatabi-CULB000
「堰堤越え、いやいや有馬四十八滝氷瀑めぐり」
天気予報で土曜日の夜から大荒れに荒れて降雪量が半端ではないとの情報を得て、日曜日に予定していた七種山登山は急遽中止とすることとなりました。参加者の皆様に、それぞれ連絡を入れ、手違いがあってはと「メール見ました」の返信メールを頂くことにしました。午後4時、やっとみなさまに連絡がつき安堵いたしました。もし危険をおして行き、中国自動車道路で立ち往生の場合もあります。また登山途中で引き返さなければならない場合もあります。「中止」の決断は間違ってはなかったと思いますが、ポッカリあいた予定日の16日の日曜日をどうするかと思案しておりました。
 
ポチの情報では2〜3日前に有馬の美しい氷瀑がテレビで放映されていたとの情報を得て「有馬の氷瀑に行こうか」と言うと「平日ならともかく、日曜日は人が多すぎる」とジョンが、あまり気乗りではありませんでした。オリオンさんからの提案もあり「有馬四十八滝の氷瀑めぐりに行こう!」と決めた次第です。「それ地図やっ!それシールやっ!」と大慌て。わが倶楽部でも過去に行ってはいますが、氷瀑は、毎年違った美しさを見せてくれます。何せ季節限定でいまが旬、人が多いかも知れませんが、寒いかも知れませんが、自然が織りなすアイスショーを見に行きたいのです。
久しぶりの宝塚駅は大きく変わっていました 有馬温泉行のバス 思ったよりバスはすいていました
皆さん 心は有馬四十八滝です
阪急宝塚駅のバス乗場集合、9時15分発のバスに乗るということで、続々と参加者が集まってくれました。junkoちゃんも生瀬橋バス停からではなく宝塚駅まで来てくれました。全員始発の宝塚で合流。バスには、みんな座って有馬東口まで行くことができました。車窓から見る宝塚の町は粉雪が舞っています。蓬莱峡の屏風岩や剣山あたりも降雪の兆候です。有馬に近づくにつれボタン雪に変わり、積雪量も多くなってきました。「やっぱり今日は七種山を中止にしてよかったね」
蓬莱峡も荒れ模様 有馬東口からスタートです あたりは白く
六甲ロープウエイ 有馬温泉駅 山頂は霧氷がびっしり
六甲ロープウエイ 紅葉谷へと入っていきます この時10時40分下山者とすれ違います
ちょっと雪が少ないかな 氷瀑を楽しみに、ひたすら歩きます ぼちぼちアイゼンを着けなくては
ガマ滝上部は危険地帯 七曲滝の下は人だかり いやー。凍ってるよ
 有馬四十八滝と言っても48個の滝が見られるのではありません。それほどに多くあると言う意味です。途中でアイゼンを装着し、まずは七曲滝を見に行くことにしました。七曲滝はこの世のものとは思えないほど美しく、中央部分だけ水が流れてはいましたが周りは見事な氷瀑を見ることができました。いつもは三脚を立てて記念撮影をするのですが、混雑でそれも出来ず、親切な若い女性にシャッターを押して貰うことにしました。
七曲滝
それにしても、行き交う人の多いこと、多いこと。狭い道にもかかわらず突っ込んで来て、二進も三進も行かなくなる場面もありました。するとリーダーらしき女性が「こんなところまで登って来ないで下で待ってくれればいいのに!」と言います。私達は登りです。登り優先だといいたくはありませんが山の常識だし、それに上を見て歩いているわけではなく足下をしっかりと見て歩いています。上から下る人の方が私達にいち早く気づいているはずだと腹立たしくもありましたが、装備を見るとハイカーの様なので、言っても無駄だと考えて、黙って岩にへばりついて交わすことにしました。
 私がその危険箇所を通過して、登り切ったところで4人のグループが降りてこようとしましたので「すみません私を含めて8人通過させて下さいませんか?途中で交わすことができませんので」と言うと「わかりました」と私達が通過するまで待っていてくれました。この方達は登山装備がきちんとされていました。「だから人混みのコースは嫌や言うてんねん」とリーダーが言いそうでしょ。堪えて、堪えて、美しい氷瀑を見せてもらったんだから!
次は百間滝、似位滝、白石滝、白龍滝と氷瀑めぐりを楽しみます
百間滝
似位滝
百間滝、似位滝と見学したあと、細い谷あいを抜けて白石滝下の堰堤広場で昼食です。それぞれが思いの場所で…ごちそうさま
白石滝
白龍滝
昼食後は魚屋道に出るコースを取ることにしました。堰堤を越え、股が避けそうなほど高い堰堤の階段を登り、また下に降り、を何度繰り返したでしょうか。でもそれも今日の楽しみと、誰も文句を言わず、雪化粧に励まされ、長い長い堰堤越えを楽しみました。魚屋道に出たところで休憩をし、その後は一気に有馬の虫地獄まで下ります。ここで初めて行動食を食べることにしたのですが疲れ過ぎているのか、大好きな甘い大福が食べることができません。今日は少々体調不良の様です。リュックの荷物も重すぎた様です(12s→昼食後は11s)
しばらく歩いていると、右足の太股が攣りはじめました。さすっても屈伸を繰り返しても攣りそうです。初めての体験です。リーダーが様子がおかしいと引き返してきてくれました。みんなに迷惑かけてはいけないとあせる気持ちと、足の攣りが治まらずどうにもならない気持ちで気分はブルー!。アミノバイタルとツムラ68、ロキソニンを服用して、しばらく休憩していると、やっと足の攣りは収まりましたが、前を行く仲間の姿は見えなくなってしまいました。
歩き慣れた道なので、あせることもなく自分のペースを保ちながらゴールである虫地獄に到着しました。みんなはアイゼンをはずし、身繕いをされていました。

ここからは温泉街のバスターミナル目指して一気に下ります。
温泉町には明かりが灯り、今から家路につくのもなんとなく裏寂しい気もします。
午後5時15分発の宝塚行きバスに乗り、窓の外を見ると、陽は落ち、外は薄暗くなっていました。途中から登山者の利用はなく宝塚に到着したのは午後6時になろうとしていました。「さぁ飲もうか!」と言うことで意見がまとまり、利用したことのある中華屋さんに入りました。愉快な宴はささやかではありましたが、和気あいあいと続き、時間の経つのも忘れるほどではありましたがまたの再会を約束して車中の人となりました。
教   訓
危険箇所はロープが必要と考え、ジョンと姫のリュックにはロープが入っていました。
七曲滝に行く途中に氷結した箇所があり、ロープを出しましたが、スワミベルトもカラビナもシュリンゲもリュックの中に仕舞ってあり、道幅も狭く、混雑もありロープで安全通過というわけには行かず迂回して安全な登山道から七曲滝に行きましたが、あの時、みんながスワミベルトを装着し、カラビナをつけていたらスムーズに通過することができたと思います。私は幸いにもスワミベルトをしていたため、氷結して透明に輝く岩肌を無事通過することができました。せっかく持参したロープも宝の持ち腐れとなり、姫の肩にかけられたまま歩くこととなりました。冬の山には何が起こるかもしれません。簡単な山であってもスワミベルト、カラビナは身につけて歩いていただくと安心です。また出発前に確認をしなければならないと思いました。

★この日は山頂辺りの霧氷は美しかったと思います。ロープウエイの駅付近で、それを確認したのですぐロープウエイに乗って山頂駅へ霧氷を堪能してから滝めぐりに行っても良かったですね。
今日の感想
●junkちゃん
久しぶりの氷瀑は楽しかったです。

●くろねこさん
 久しぶりの氷瀑は楽しかったです。元気!元気!でしたよ。

●ミマッチ
新品の6本アイゼンの履き初めをしました。ワンタッチでとても簡単です。百間滝はとくにきれいでした。

●靖ちゃん
久しぶりのアイゼンは足が重かったけど、楽しかったです。

●オリオンさん
七曲滝の形はすごく良かったです。人も多かったです。会社の仲間にも偶然会い、木曜日にも来たけど氷瀑は見られなかったそうで、今日はラッキーでした。
●ポチ
急遽参加してよかったです。アイゼンの装着時間が手間取りあせりました。次までには練習をしておきます。
●ひめ
「混雑するコースは嫌い」と言うリーダーを説得して氷瀑見物に行きましたが、混雑するだけの価値は充分にありました。季節限定は大切にしたいよ〜!サクラも!紅葉も!氷瀑も!混雑するにはそれだけの値打ちがあるよ〜
まとめ
●ジョン
12本詰めのアイゼンにピッケル。完全な雪山スタイルで氷瀑見物の人達とすれ違います。「オイラのほうが場違いかなあ」 数で言ったら場違いです。ほとんどのハイカーが4本爪、時々6本爪の人、中にはタウンユースの鋲の滑り止めを履いた方もいらっしゃいます。恐れ入るのはステッキを手にに、4本爪のアイゼンを着けた単独山行のハイカーが多いこと。まいったなあ。
このコースは山岳会ではアイゼンは12本爪、ピッケル、ヘルメット、ハーネス着用のコースです。当然のことながら単独山行は許されていません。

百間滝から白石谷に入ると人ッ気はほとんどなく楽しい雪の谷歩き。時々現われる2〜3mほどの凍りついた岩壁を直登したり、急傾斜のアイスバーンをバランスよく下ったり、何よりのアイゼントレーニングです。芦屋のロックガーデンでは出来ないミックスの練習でした。
でも人の多いのは嫌やなあ。毎年のように滑落事故が起こっているようですが、山の危険を知ってほしいですね。

文:美智子姫00000 写真/GPSデータ:鹿島秀元