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樹令3000年以上、太古よりひっそりと息づく縄文杉や洋上のアルプスといわれる宮之浦岳、緑と清流が織り成す神秘の島、世界遺産・屋久島に出かけました。決してツアーでは体験できない屋久島の魅力に迫り、多くを堪能してきました。これらはそのささやかな記録です。

 第1日目(10月25日・月曜日)0「天気・晴天・晴れ・はれ・スカイブルーのち雨」
屋久島に来て、雨のない朝を初めて迎えました。前日にスーパーのおばあちゃんが「虹が出ていたので明日は晴れるよ」と言ってたので期待はしていましたが屋久島に来て初めて、合羽を仕舞っての出発です。
午前5時30分予約していたタクシーが15分早く到着し、素早く荷物を積み込み出発しました。約40分ほど走って荒川登山口に到着。広場は満員状態です。100人以上の登山者や観光客が右往左往しています。午前6時荒川登山口に登山届けを出し、出発しました。トロッコ道は多くのハイカーが列をなしています。老若男女さまざまのようですが、やはり中高年層が圧倒的に多く見受けられました。ほとんどのハイカーがデイパック姿、たぶん縄文杉までの往復ブランなのでしょう。このコースを歩いていて思うのは、山行マナーがあまりよろしくない。トロッコ道の真ん中で、急に立ち止まって写真を撮ったり、ガイドが案内をしたりとどちらかに寄ってくれればという場面が何度もありました。また追い越す気がないのに、我々に目いっぱい接近して来て「どけ〜」と言わんばかりに詰めてきました。トロッコ道から降りて道を譲ると、すぐ前で写真を撮ったりして、とても歩きにくく、つらかったです。そんなことを繰り返しながら広場を見つけて道を譲った途端に後続グループも同じように休憩に入ったりとストレスの多いトロッコ道でした。当初の計画では、このトロッコ道を下る計画でしたが、これらのハイカーたちとすれ違うことを考えると逆コースにして良かったとつくづく感じながらホッとしています。
荒川登山口から入山します
トロッコ道は人も多く、木道が濡れているためとても歩きにくかったです
大株歩道まで来るとトロッコ道は終わり、自然道へと変わりました。足場は悪く、木の根は張りめぐらされ、飛び石道もあり、雨で濡れた木製の階段などを歩き、ウイルソン株、夫婦杉、大王杉を過ぎて、午前11時やっと縄文杉に到着しました。ここまで5時間の道のりです。縄文杉に流れる水の美味しかったこと!ゆるいスラブを登り木組みのテラスでパチリパチリとこのときとばかりにポーズを取りながら記念撮影をしました。テラスの上はものすごい人でしたがガイドによるとまだ今日は混雑していなくて、多いときはテラスに150人以上の人垣ができ身動きできなくなるそうです。ここには若者が多いです。!
荒川の流れ トロッコのすれ違いポイント 小杉谷休憩所
仁王杉 ウイルソン株
ウイルソン株 大株歩道を行く
このテラスに立って初めて縄文杉を目にしましたが、さすがに凄い! 屋久島にある他の有名な杉に比べると群を抜いているように思いました。感極まって涙する人、思わず手を合わす人、記念撮影をする人と様々な人間模様を繰り広げていますが、この杉は一体どれくらいの人の視線を浴びて来たのでしょうか。どれだけの息吹を感じながら生育してきたのでしょうか。まさに神秘そのものでした。縄文杉のテラスを下り、縦走ルートに入ると、そこは別天地、これぞここが屋久島だと感動せずにはいられませんでした。
縄文杉にて,杉の大木に根付くヤドリギたちも、少し紅葉し始めていたようです
縄文杉を過ぎて新高塚小屋までの間は、名も無き杉達が凛として生きています。新高塚小屋までの2時間の間、人間には一度も出会うことはなく、静かで本当の意味での屋久島を満喫することが出来たように感じます。そのかわりヤクシカとヤクザルとの出会いがありました。ヤクシカやヤクザル達と戯れていると雨がポツリと頬を伝わりました。「あかん!雨になる!急ごう!」あと10分くらいで小屋に到着のはずです。ここまで来て雨に遭うのは悔しいでしょ?
縄文杉を過ぎると高塚避難小屋です 巨木を楽しみ 巨木に触れながら
私の太いのも目立たないわ こんな木珍しいね わーすごい、いいね
ヤクザルたちが出迎えてくれる ヤクシカもお出迎え
森はどこまでも深く シカがいたよ この木ってヒメシャラ?
午後1時丁度に新高塚小屋に到着しました。その3分後に大雨が降り始め、一同顔を見合わせて雨に遭わなかったことを喜び合いました。有人の山小屋は何度となく経験したことがありますが無人小屋は初めて。私の脳裏にあるのは北海道トムラウシで避難小屋の場所取りをする旅行会社のガイドの姿でした。もし満員だった場合は、天気ならば外にテントを張ろう、雨ならば小屋の片隅で座ってでも夜を明かそうと相談していましたが、前日に天候不良で飛行機が飛んでいないことから島内に登山者は少ないだろうと、判断してテントは宿に置いて行くことにしました。
小屋について まず一杯の紅茶 シカも歓迎してくれます おいしいね
新高塚小屋は頻繁に利用されていることから、カビの臭いや不潔感もなく、わりとスンナリと受け入れることができました。ただ雨ばかりの屋久島ですからところどころ雨漏りの跡があり、そこを避けて自分たちのスペースを陣取ることから始めました。4日間も雨で小屋に缶詰状態だった人のメッセージも残っていました。今日は私達が一番乗りです。
小屋の入り口には先客が残して行ったであろうスリッパが5〜6足、クリーニングハンガーも沢山ありました。
夕食はカレーライスです ソロ山行の大滝さんを囲んで
「明るいうちに夕飯にしよう」と言うことになり準備に取りかかっていると、ジャジャ降りの雨の中、やって来たのはバスの中で出会った広島グループの3人。聞くところによると10人で山行中だが足の速い3人が先行して(俗に言う場所取り)到着したのだと言います。その後、日本百名山踏破を目指す東京の銀行勤めの青年が宮之浦岳を越えてズブ濡れで到着。私たちは温かく迎えました。雨で濡れた靴を脱いでひっくり返すと、ジャーッと水が靴の中から流れ出す状態。思わず姫靴に突っ込んでいた新聞紙をその青年の靴に譲りました。袖擦り合うも多少の縁とか、「カレーですが一緒に食べませんか?」と誘い、夕食を一緒に取ることにしました。いい感じの青年でしたよ、私たちもちょっぴり若返りました。

やがて遅れていた広島グループも到着し小屋は賑やかになりました。小屋の入り口に合羽を、所狭しと吊って乾かしていたのですが、後から到着したガイドらしき人が「通路に干してはダメだ」と私に向かって怖い顔で言いました。「私達は雨に遭っていません。干した人に声をかけてきます」と言うと「では通路から移動しておきますのでその事を伝えて下さい。」と今度は穏やかな表情で。(うん、うん、ここは通路なんや)

それぞれのグループが夕食をとり、就寝することとなりましたが小屋の番人である「ヒメネズミ」がリュックや登山靴を食い荒らすと言うことでメンバーの一人がが怖がっていました。

初めての小屋泊まりは、お互いのルールを守れば意外と快適であると言うことがわかりました。残置されたスリッパ、ハンガーはとても役立ちましたが、出来れば自分で持って来た物は自分で持ち帰れば小屋は清潔で、次の利用者が快適であることもわかりました。便利であると思われるスリッパもハンガーもやがては朽ち果ててしまうとゴミと化してしまうのです。水場、トイレも完備されており時折ヤクシカの啼く声も聞こえ素敵な避難小屋生活を体験できました。



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文:美智子姫00000