高島トレイルD

前回は残暑厳しき中「水坂峠から横谷峠」までのつらくて長いコースを歩き続けた苦い思い出。それから2週間経った。2週間しか経っていないのに朽木の山々は少し秋の気配がするようになっていました。
今日は、第5回目となった高島トレイル「横谷峠からおにゅう峠」を実施です。横谷峠からおにゅう峠までは高島トレイル標準歩行距離と歩行時間は15.6km、10時間55分となっていた。通常の日帰りハイキングでは無理と判断、出発点の横谷峠でテント泊をして、早朝に出発をしようと言う計画です。万が一の日暮れに備えて、8月28日に下見を兼ねて百里ヶ岳からおにゅう峠の間に「夜光性反射テープ」を貼りつけました。9月に入り、日没が早くなりましたので中高年の安全登山には「念には念を」が必要です。
木の枝は勿論ですが、足下も、つまづかないように木の根にも取り付けました。環境にやさしい緑色のテープなので美観を損なうことはないと考えています。この作業が本番では「ムダやったなぁ」と笑って、明るいうちにゴールが出来ればこんなに安全なことはないと思っています。

集合場所の道の駅「籐樹の里あどがわ」で2台の車が合流。トイレを済ませミーティングで地図、食事担当の係などの資料を配付しました。今回から初参加の「ちえちゃん」と「壽ちゃん」の紹介を済ませ、夕食担当、朝食担当、弁当担当、飲み物担当と分け、それぞれに「係長」の責任者を決めみんなで楽しく買い物を済ませて、さて本日の昼食はどうするかと言うことになりました。「何度も行きそびれている在原の業平そばに行きたい」と言う少数意見を尊重し、少し遠回りではありますが時間に余裕があることから、黒河峠に行くときに通過した「業平そば」を食べに行くことにしました。
安曇川の平和堂さんで食材の買出しでーす メタセコイア並木を抜けて 2回目に歩いた明王ノ禿もくっきり
在原の集落 業平蕎麦のお店 ワンちゃんのお出迎え 着いたぞ着いたぞー
業平そば 雑誌の取材中 大人数にあわてて蕎麦打ち 打ちあがった業平そば
 食いねえ食いねえ…江戸っ子だってねぇ   そうよ 神田の生まれよ  もっと食いねえ…江戸っ子だってねぇ   神田の生まれよ
 じゃあ姫の言うこと聞くかい  あったぼうよう 神田の生まれよ  江戸っ子だってねぇ、遠慮はいらねえよ もっと食いねえ もっと食いねえ…
 とほほほ…遠慮してーよー 江戸っ子は辛れーよー
高島名物のメタセコイアの並木はいつ通っても美しく素敵でした。
お蕎麦屋さんの中を吹き抜けていく風も爽やかです。遠くの空に浮かぶ雲もどこか秋色を漂わせています。
おそばを食べてお腹いっぱい、横谷峠を目指します。
林道をしばらく走ると前回ゴールの懐かしさを感じる横谷峠に到着です。
格好の広場をテントサイトに決め、2台の車からブルーシートの上に荷物を降ろします。11人がかりで降ろしていくと、出るわ出るわ、瞬く間に大きなブルーシートが一杯になりました。まるで山のようなです。誰言うと無く「よぉ〜こんなに荷物が入っていたよね〜」「帰り元通りに全部積めるか」ドライバーさんは少々不安そうです。「考えてもしゃあ無い、まずテントを張ろう」全員作業開始です。
「ああじゃあない」「こうじゃあない」いつもなら静かな横谷峠もお祭り騒ぎです。
テント完成。テント4張り立ち上がったところで、壽ちゃんに持ってきていただいた、冷たーいシャーベットと冷たーい紅茶で乾杯…ごちそうさま!
美味しかったなあ。壽ちゃん特製紅茶、いついただいても美味しいなあ。
今夜のお宿が出来たところで、車をデポをするために、男性陣は全員おにゅう峠へ向けてでかけて行きました。能家周りで行きますので、ほぼ2時間で往復できるはずです。小入谷林道は悪路との闘いです。判っていると思うけど、くれぐれも気をつけてねー 「行ってらっしゃ〜い!」
  車両回送の男性軍は工事に遭遇してしまいました
わー大変小入谷林道は工事中 交渉下手なJONが悪戦苦闘 ご好意で通していただきました 何とか、おにゅう峠に到着
   いっぽう女性軍は
薪を集めて 虫を燻す準備です 燃えろよ燃えろ 何とか着火に成功
夏時間と違い日暮れは早くやってきます。女性陣は食事の支度にとりかかりました。
その頃、1台の軽トラックが通過 「熊が出るぞ〜気いつけや〜」 と声をかけてくれました。
「はーい。ありがとうございます.。ところでお伺いしますけどこの辺り火床の跡がありますけど焚き火してもいいですか」
「大丈夫や。火の跡あるやろう。時々やってるのみかけるよ」
「はーい。ありがとうございます。気をつけてやりまーす」
しばらくすると、もう1台の軽トラックがやってきました。鹿撃ちをするという地元のおじさんがです。
「ここは熊が出るのですか?」と聞くと
「ハッハッハッ〜熊は出ないよ、鹿なら出るがね」そういえばさっき鹿の糞をみたばかりでした。
「テントもこうやって沢山張ると見事なもんじゃなあ。この下に水場があるから教えようか」
「ありがとう」そう言ってついていくと一筋の流れに出遭いました。お天気続きで渇水状態の昨今ありがたいお水です。
食事の準備が終わり、車の帰りを待つばかりとなりました。2時間を過ぎても戻らず「何かあったのかなぁ」と心配していたら30分遅れで車の音がしてきました。「おかえり〜!」聞くところによるとアスファルト工事の車で行く手を阻まれていたらしく、何とか交渉して通過できたとか・・ごくろうさまでした。早速楽しい夕餉がはじまりました。大阪の居酒屋顔負けです。コンパニオンもいっぱい〜。大きな声をしても誰にも迷惑がかかりません。翌日の山行に支障をきたさない程度のビールで乾杯し楽しい宴がはじまりました。夜は満天の星空をながめ、早くも午後9時には眠りについていました。

文:美智子姫00000 写真・GPSデータ提供:鹿島秀元